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ep2

アジトへ

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男の名はキール
喋りだしたらペラペラと
なんでも白状した。
守備隊にもゴンの鼻ぐすりが効いてるとか、ゴンの周りは、ギフトや魔法持ちで固めている事。
ゴン自身は、『縮地』『一閃』のギフトと水の魔法を操るそうだ。

ー ギフトとお金がたくさん入りそうね
有名人にならないように気をつけないとね ー

キールにアジトへと案内させ、アジトのすぐそばに石牢を作り
「ここなら安全よ」とキールを入れた。

ー ジュピター どうローズはここにいる?ー

ー いるわ、寝てる ー


ー 薬でも、打たれたのかな?まあ、それなら乱暴はされて無いだろう ー

シーナは入口を焼き切って中に突入した。

『縮地』で次々と手下たちのギフトと魔力を奪っていった。

「2号、あとよろしく」

「はーい。」

ギフトと魔力を無くした男たちは、もはやランランにとってはなんの脅威にならない。

「ぎゃ」「ぐふ」「うぇ」「ややめろー」

後ろから男たちの苦悶の声や悲鳴が聞こえてくる。

チラッと振替えとそこは、まるで人が、除雪車に巻き散らかされる雪のように吹っ飛ばされていた

サーチで見ると、ローズは二階の奥の部屋に居るようだ。

シーナは、階段を駆け上がって、叫んだ

「迎えに来たわよ。1号」

後ろからランランがついてきて
「進むの早いですよ、師匠」と文句を言っている。

奥の部屋のドアが開いて
ゴンが出てきた。

「お前どうやってここまで来たんだ。」

『縮地』で一瞬で間合を詰めて、ゴンのギフトと魔力を改めて奪った。

ゴンが刀に手をかけるが、ゴンが剣を抜くより早くシーナが柄に触れると剣は消え、ゴンは空を掴んだだけだった。

ゴンが驚きの表情をしたその時
シーナのボディーブローがゴンの腹に食い込み、ゴンは宙を舞い白目を向いて倒れた。

シーナはすぐに部屋の中に駆け込み、ローズの様子を見た。

見たところ怪我もなく、着衣の乱れも無いようだが、昨日の寝間着のままだった。

ギフト『再構築』でローズを解析すると、やはり睡眠薬の類が見つかった。
血液からその成分のみを抽出して

「いつまで寝てるのよ
弟子1号。
起きなさい。」

「フワァー あれ?
ここ 
どこですか師匠?」

「あんたは、寝てる間に攫われて、ここに連れて来られたのよ。
だから、私が助けに来たって訳」

「えっ 私 あのゴンって奴に!?」

「どっか痛むとか、体に異常は無い?」

ローズは、急に、真顔になり自分を抱き締めるようにした。

少し間があって

「何もされてないみたい」


「ウググ、くそ。痛え~」
ゴンが復活したようだ。

ローズがすぐにゴンに駆け寄り
「あんた俺の女になれとか言っといて、何で私に何もしなかったの?」

「寝てる女とやったって面白くねぇよ
それに傷ものじゃ無い方が価値もあるしな」

ゴンはそう言うと
素早い動きで、ローズの後ろにまわり込み、ローズの腕を、かしあげた。

「この女の命が、……うへっ」

ゴンの言葉が言い終わるより早くローズがゴンを投げ飛ばした。

「何でこんな女に、俺が!」

「それだけの男ってことよ!」

ー もしもし、ローズさん
頑張ったの私なんだけど、決め台詞あなたが言うかなぁ ー

全員を一階に集めて石牢を作って叩き込んだ。
全ての部屋をチェックしても、さほどの大金や宝石は出てこなかった。

「おかしいわね、お金も宝も少なすぎるわ」

「ゴンを締め上げましょう」

「それも手だけど、尋問するだけでも分かるから、いいわ。
弟子1号が無傷だったから、少しは優しくね」


すぐに、ランランがゴンを連れて来た。

シーナは『緋の眼』になってゴンに話かけた。

「私、この目になってる時は、相手の嘘が分かるのよ。
そういうことで、これから質問するけど、嘘を言うと痛い思いをするから気をつけてね」

シーナはそう前フリをしてからゴンに、

「アジトにしては、お宝が少なすぎるのよ。
隠してるでしょ。」

ゴンは黙ってそっぽを向いた

「YESね。
返事をしてくれないのも、ムカつくから、次からは、痛いサービスつけるわね」

「隠してるのは、この建物のどこかね」

「違う!宝なんてねぇ
俺たちは真っ当なんだ。」

「あら、一度に2つも嘘ついて。」

シーナはゴンの左手の小指と薬指を切り落とした。

ゴンの悲鳴が2度部屋の中に響いた。

ゴンの手からの出血が止まらない。

「弟子1号、患部の出血を止めてあげて。」

「えっ?私ですか?どうやって」

「あなたに頼んだってことは『焼く』のよ。
力加減は覚えたはずよ。
これも練習よ。」

「おい
『練習』って、大丈夫なのか?
手が震えてるじゃねぇか」

「うるさい!集中出来ないでしょ。
危ないからって封印されてて、やるの久しぶりなんだからね。」

「ゴンを丸焼きにしないでよ」

「はい。」

ローズは、集中出来たようだ。
1つ大きく息を吸い込んで、決心した顔つきになった彼女から青白い炎が放たれた。

ゴンの悲鳴が再び聞こえて、部屋には肉の焼ける臭いが漂った。

ゴンは、肩で息をしている
「こんなことしてテメェ」

「あら、まだ口ごたえする元気が有るのね。
次はその股の間の物を切り落とすことにしたわ」

シーナが、ゴンのズボンに触れると、ゴンの下半身があらわになった。

ローズとランランは品定めをしている。

「ねぇ弟子2号、あれって普通サイズなの?」

「ちょっと小ぶりかな。
いざって時は、大きく硬くなるはずです。」

「触ってみようか?」

「臭そうだから止めたほうがいいわよ。」

「そうね、やっぱやめるわ。」

「二人共、今尋問中なんだから、興味有るのはわかるけど、黙っててよ。」

シーナは改めてゴンに向き直って

「それじゃあ、質問を再開するわよ。」

「わかった。わかったよ。宝の隠し場所を言えばいいんだろ。
二階だ、二階の奥の部屋、そのねぇちゃんを寝かせてた部屋だよ。
箪笥タンスが隠し扉になってて、奥に小部屋がある。宝はそこに有る」

「そう。じゃあ一緒に行きましょう」

手下たちの牢の前を下半身丸出しのゴンが連れ歩かれて行く。
牢の中からどよめきの声がする。

奥の部屋にシーナたちとゴンが着いた。

「やめなさい!」

箪笥に手を掛けようとしたローズをシーナが制止した。

「コイツのことだから、まだ何か仕掛けが有るはずよ。」

「チッ!なんでもお師匠様は、お見通しかよ」

「あなたが開けるのよ。
箪笥にゴン
早く行きなさい」

ゴンは箪笥の所にいって何か操作すると
ニヤッと笑って
「あばよ」
と言って奥に消えた。

シーナが箪笥に手を触れると箪笥は消滅して、奥の部屋で振り返ってゴンが啞然としている。

「この方をどなたと心得る。我らが師匠よ。」

「ははー」

ゴンは土下座している。

ー ローズ、それ絶対間違ってるから ー


そう思いながらも、決めゼリフをまたしもローズに奪われたシーナは、
仕方なく

「この者を引っ立てい!」

「「ははっ」」

ー ああ~ やってもうた~
ここまでやったら、大掃除までしなきゃ駄目よね ー

女三人はベールにサングラスと怪しい変装をして、縛り上げたゴンを後ろ手に縛って表に出た。


「頼む!何でもおまえ達に従うから、ズボンを!、せめてパンツを履かせてくれ!!!」


♤♡♧♢♤♡♧♢

皆さんの応援に感謝の日々です。
シーナにはこの先何が待ち受けるのか?
書いてる私もワクワクしてます。
これからもよろしくお願いします。
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