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ep2
リンリン
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「ここよ。お願い。助けて!」
石牢の前に辿り着いた。
中には女が一人だけだ。
動き易い旅姿をしていて、服の乱れは特に無い。
「出してあげようよ」
ローズがそう言う
「待って!」
『緋の眼』で鑑定すると
名前 リンリン
職業 盗賊
魔法 なし
ギフト 嘘も誠 誘惑
「危ない、騙される所だったわ。
この人鑑定したら盗賊よ。
それに、嘘を人に信じさせるギフトと誘惑するギフトを持ってるわ。
根っからの嘘つきね。」
「ちょっと、待ちなさいよ。こんな所においてかれたら私死んじゃうわよ。」
「盗賊の最期は、そんなものだろう。」
そう言いながらシーナは、リンリンのギフトを奪いとった。
「でも、私、人殺しとかしてないし、ドロボーも強盗もしてないわよ。
街角に立って、お金を稼いでたら、キンブルに会ってここに連れて来られたのよ。
あいつ『贅沢させてやる』とか言って宝石やお金をくれるけど、ここから出してくれないのよ。
自分がやりたいときだけやって来て、あとは放ったらかし。ずっと閉じ込められてるのよ。
ここに居るだけなら、お金も宝石もなんの価値も無いわよ。
ここから出してくれたら。私がキンブルからもらった宝石とかあげるから。
お願い。助けて。」
「この人 嘘 ついてるんですか?」
「いや『緋の眼』で見ながら話を聞いていたが、本当のことを言ってるようだ」
「それじゃあ、出してあげましょうよ」
「そうね。
リンリン、アナタをここから出す条件は、このあと町に行ったら、守備隊に出頭して、キンブルとの関係とかを全て白状すること。
どう?出来る?」
「はい、言われた通りにします。え~っとお名前は?」
「私たちは旅の時は名前を言わないことにしてるのよ。
ごめんなさい」
シーナはリンリンの石牢を消した。しかし部屋のドアにはリンリンが言うように鍵がかけられていた。
『アンロック』
「ありがとう。入って!」
リンリンがドレッサーの引き出しを開けると、たくさんの宝石が並んでいた。
「お金はこれよ。」
ドレッサー脇には、いくつも袋が置かれていた。
リンリンの宝石とお金を全てシーナは収納した。
「それじゃあ、奥のお宝部屋に行くわよ。」
「ねぇ、おねぇさん。
ちょっと聞きたいんだけど。キンブルとか他の盗賊たちは、どうなったか知ってる?」
「ああ、あいつらはみんな捕まえて石牢に入れてあるわよ」
「やっぱり!そうなのね。
安心したわ。
部屋から抜け出した所を見つかったらどうなるかと心配してたのよ。」
「リンリン。逃げ出さないの?」
「キンブルやっつけるような、アナタたちから逃げられるはず無いってこと位、私でもわかるわよ。」
「じゃあどうするつもり」
「守備隊まで付き合うわ」
「お前も盗賊の仲間として処刑されるかも知れないのに?」
「ん~ でもね。
あなた達なら、守備隊からも信用されるんでしょ。
そのあなた達が、私の話を信じてくれて、こうして部屋から出してくれたんでしょ。
だったら、守備隊の人に私の話を信じてもらうには……」
「私たちと一緒の時に出頭すれば、信用されるかも知れない」
「正解!
私、元が娼婦でしょ。
その時は『嘘つきリンリン』って呼ばれたのよ。
でも、ギフトでなんとかなってたわ。
お姉さんに会ってから なぜだか
『もう嘘は通用しない』って気がしてるのよ」
「ああ、気がついた?
感がいいわね。
あなたのギフト『嘘も誠』と『誘惑』は、私が削除したわ」
「やっぱり、そうなんだ」
「怒ってる?」
「いいえ。もう嘘で固めた人生なんて嫌よ。
別の生き方を探すいい機会と思って」
「切り替えが早いのね」
「もう街角に立つのは、嫌だから。
でもどうなるか。
それより罪人として、処刑されるかも知れないし。
処刑されなかったら、死んだ気で頑張るわ」
ローズがリンリンに抱き着いた。
「リンリン、あなた偉いわ~。きっと大丈夫よ、私は信用するから
そんな辛い人生だったのに処刑なんてさせないわ。
きっと助けるから~」
ローズは半泣きで言った。
私たちは罠を解除しながら宝部屋に着いた。
「結構貯め込んだのね。
遠慮なく頂戴しますよ」
「それにしても、姉さんのギフト『収納』は、いいですね。」
「あげないわよ」
「狙ってませんよ。
第一 人のギフトをもらうなんて、出来ないでしょう」
「そうね」
「えっ ウソ?
マジ? 出来るの?」
「ちょっとリンリン、そろそろ黙らない」
「なになに?
なんの話?」
ローズが話に加わってくる
「ほら、ややこしくなった。
さぁ、もうここから出よう。」
◇
祠から外に出てジュピターとアクアに意識を飛ばす。
ー さっき私たちが降りた滝の所まで来て! ー
◇
私たちが滝の下に着くと、既にジュピターとアクアは待機していた。
「お迎えありがとう。」
ジュピターとアクアを撫でてやる。
ローズも嬉しそうにジュピターに声をかけて、撫でている。
「へぇー 2頭とも凄く懐いてるんですね。」
「この子はついこの間まで嫌われて振り落とされてたけどね」
「酷い。それナイショにしといて欲しかったなぁ~」
「あなたたち二人の関係も面白いわね」
シーナはリンリンとタンデムで行くことにした。
♤♡♧♢♤♡♧♢
皆さんの応援で、hot男性向けの順位が、かなり上位になりました。
もう感謝しかありません。
これからもよろしくお願いします。
石牢の前に辿り着いた。
中には女が一人だけだ。
動き易い旅姿をしていて、服の乱れは特に無い。
「出してあげようよ」
ローズがそう言う
「待って!」
『緋の眼』で鑑定すると
名前 リンリン
職業 盗賊
魔法 なし
ギフト 嘘も誠 誘惑
「危ない、騙される所だったわ。
この人鑑定したら盗賊よ。
それに、嘘を人に信じさせるギフトと誘惑するギフトを持ってるわ。
根っからの嘘つきね。」
「ちょっと、待ちなさいよ。こんな所においてかれたら私死んじゃうわよ。」
「盗賊の最期は、そんなものだろう。」
そう言いながらシーナは、リンリンのギフトを奪いとった。
「でも、私、人殺しとかしてないし、ドロボーも強盗もしてないわよ。
街角に立って、お金を稼いでたら、キンブルに会ってここに連れて来られたのよ。
あいつ『贅沢させてやる』とか言って宝石やお金をくれるけど、ここから出してくれないのよ。
自分がやりたいときだけやって来て、あとは放ったらかし。ずっと閉じ込められてるのよ。
ここに居るだけなら、お金も宝石もなんの価値も無いわよ。
ここから出してくれたら。私がキンブルからもらった宝石とかあげるから。
お願い。助けて。」
「この人 嘘 ついてるんですか?」
「いや『緋の眼』で見ながら話を聞いていたが、本当のことを言ってるようだ」
「それじゃあ、出してあげましょうよ」
「そうね。
リンリン、アナタをここから出す条件は、このあと町に行ったら、守備隊に出頭して、キンブルとの関係とかを全て白状すること。
どう?出来る?」
「はい、言われた通りにします。え~っとお名前は?」
「私たちは旅の時は名前を言わないことにしてるのよ。
ごめんなさい」
シーナはリンリンの石牢を消した。しかし部屋のドアにはリンリンが言うように鍵がかけられていた。
『アンロック』
「ありがとう。入って!」
リンリンがドレッサーの引き出しを開けると、たくさんの宝石が並んでいた。
「お金はこれよ。」
ドレッサー脇には、いくつも袋が置かれていた。
リンリンの宝石とお金を全てシーナは収納した。
「それじゃあ、奥のお宝部屋に行くわよ。」
「ねぇ、おねぇさん。
ちょっと聞きたいんだけど。キンブルとか他の盗賊たちは、どうなったか知ってる?」
「ああ、あいつらはみんな捕まえて石牢に入れてあるわよ」
「やっぱり!そうなのね。
安心したわ。
部屋から抜け出した所を見つかったらどうなるかと心配してたのよ。」
「リンリン。逃げ出さないの?」
「キンブルやっつけるような、アナタたちから逃げられるはず無いってこと位、私でもわかるわよ。」
「じゃあどうするつもり」
「守備隊まで付き合うわ」
「お前も盗賊の仲間として処刑されるかも知れないのに?」
「ん~ でもね。
あなた達なら、守備隊からも信用されるんでしょ。
そのあなた達が、私の話を信じてくれて、こうして部屋から出してくれたんでしょ。
だったら、守備隊の人に私の話を信じてもらうには……」
「私たちと一緒の時に出頭すれば、信用されるかも知れない」
「正解!
私、元が娼婦でしょ。
その時は『嘘つきリンリン』って呼ばれたのよ。
でも、ギフトでなんとかなってたわ。
お姉さんに会ってから なぜだか
『もう嘘は通用しない』って気がしてるのよ」
「ああ、気がついた?
感がいいわね。
あなたのギフト『嘘も誠』と『誘惑』は、私が削除したわ」
「やっぱり、そうなんだ」
「怒ってる?」
「いいえ。もう嘘で固めた人生なんて嫌よ。
別の生き方を探すいい機会と思って」
「切り替えが早いのね」
「もう街角に立つのは、嫌だから。
でもどうなるか。
それより罪人として、処刑されるかも知れないし。
処刑されなかったら、死んだ気で頑張るわ」
ローズがリンリンに抱き着いた。
「リンリン、あなた偉いわ~。きっと大丈夫よ、私は信用するから
そんな辛い人生だったのに処刑なんてさせないわ。
きっと助けるから~」
ローズは半泣きで言った。
私たちは罠を解除しながら宝部屋に着いた。
「結構貯め込んだのね。
遠慮なく頂戴しますよ」
「それにしても、姉さんのギフト『収納』は、いいですね。」
「あげないわよ」
「狙ってませんよ。
第一 人のギフトをもらうなんて、出来ないでしょう」
「そうね」
「えっ ウソ?
マジ? 出来るの?」
「ちょっとリンリン、そろそろ黙らない」
「なになに?
なんの話?」
ローズが話に加わってくる
「ほら、ややこしくなった。
さぁ、もうここから出よう。」
◇
祠から外に出てジュピターとアクアに意識を飛ばす。
ー さっき私たちが降りた滝の所まで来て! ー
◇
私たちが滝の下に着くと、既にジュピターとアクアは待機していた。
「お迎えありがとう。」
ジュピターとアクアを撫でてやる。
ローズも嬉しそうにジュピターに声をかけて、撫でている。
「へぇー 2頭とも凄く懐いてるんですね。」
「この子はついこの間まで嫌われて振り落とされてたけどね」
「酷い。それナイショにしといて欲しかったなぁ~」
「あなたたち二人の関係も面白いわね」
シーナはリンリンとタンデムで行くことにした。
♤♡♧♢♤♡♧♢
皆さんの応援で、hot男性向けの順位が、かなり上位になりました。
もう感謝しかありません。
これからもよろしくお願いします。
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