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ep1
巣立ち
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これまで集めた情報によればここはアスラ国で首都はメールリー
この町はサルドラといって辺境にあって最大の町だそうだ。
町の西に流れるセー二河が国境となっていて、対岸はイズール国だそうだ。
東は、ジョンジ国、北はロスキ国で南端は全て海に接している。
守備隊は、西のイズール国からの防衛を担うことになるが、ここ十数年争いは起きていない。
国は議会制民主主義体制で王や貴族といった特権階級の者はいない。
魔法を使える人は沢山いるが、魔王はおろか魔族や魔物もいない。
獣人とかエルフとかドワーフなんて知らないそうだ。
冒険者ギルドも存在していないそうだ。
考えてみれば、一昔前の地球で、魔法とギフトがある世界って様子だった。
ー そうすると~ファンタジー物みたいに魔物倒してお金を稼ぐ訳にはいかないのよね。
お金を稼ぐなら守備隊で覚えた料理とかを屋台で出したり、行商かなぁ~
旅する前に生活に疲れそう。
かと言ってバイトしてもたかが知れてるし
う~~ん。悩む ー
なかなかいい案が思いつかないまま数日が過ぎた。
シーナは、MJに相談することにした。
「旅に出ることは決めたんですけど、旅先とかでどうやって路銀を稼ごうかと悩んでいるんです。」
「なんだ、草の根を食ってでも旅に出るって覚悟じゃないの?」
「ヤダヤダそんなの。
まぁ食料はギフトで加工出来るからそこまで困ることは無いけど、宿には泊まりたいし、色んな食べ物も食べてみたいし、かわいい服も欲しいでしょ。女の子だし…」
「そんなこと考えてたの?
まあシーナらしいわね。物見遊山の旅か、私もしてみたいなぁ」
「一緒に行きます?」
「アハハ それが出来る立場じゃ無いわよ。
いいかい
シーナなら旅人の護衛が出来る
宿なら壊れた物の修理、料理も出来る
武器の店なら補修や刃研ぎ
鍛冶屋で刀剣も作れる
怪我も治せるだろ
薬も創れるだろ
それで、まだ不安なのか?」
「そうかぁ。何かに決めないで、その時に応じて能力を使えばいいのね」
「鼻向けに私からもなにかやろうか」
「えっ じゃあ 遠慮なく………
えっと~『緋の眼』と『土属性』を下さい。」
「おいおい それはちょっと」
「別に目をくり抜こうとかはしませんよ。
解析して私の体で再構築するだけですよ。」
「そんなことができるのか」
「多分出来ると思います。
『緋の眼』で又私を鑑定してくれるだけでいいです。」
「そうか、それだけでいいなら…」
MJは眼帯をずらして『緋の目』を見開いた。
「鑑定したわよ、もう目を閉じていいのかな。」
「はい。
お疲れ様です、もう閉じていただいて結構です。」
「どうなの、もう使えるの?」
シーナが一旦目をつぶってまた見開くと『緋の眼』が現れた。
「おお 私には特に異変は無いぞ。
で、シーナはその目で、私を鑑定できるのかな。」
「はい、出来ます。MJの中の魔力の流れまで見えます。
だけど、疲れるって言ってた訳がわかりました。魔力をどんどん持ってかれますね」
「眼帯もプレゼントしようか?」
「いいえ。私は自分の目も有りますから。
必要な時だけ使わせていただきます。」
シーナが再びまばたきをすると、元の黒目が現れた。
「いいなぁその 入替えできるって」
「そうだ!
御礼に私のギフト『再構築』シーナさんにプレゼントしますよ。」
「いやいやいや
それはまずいんじゃない?
そんな簡単に凄いギフトをもらうなんて。
シーナだって神様じゃ無いし。
ばちが当たったりしないかしら?」
「だとしたら、とっくに私 罰を受けてると思います。
前にも言いましたが、女神は『楽しんで生きて』と言ってましたから、問題ないと思います。」
「そうか~
どうしよう
まじかぁ~
欲しく無いと言うことは無いし~
でもなんかなぁ~」
「MJ いつになく優柔不断になってますね。
いらなかったらまた無くせばいいだけですから。
はい、どうぞ」
「えっ も もう終わったの?」
「はい、あの一輪挿しの花で試されてはどうですか?」
赤いバラが紫に変わった。
「これは凄い。」
「要りませんか?」
「いや。このギフト大事に使わせてもらうよ。
もらった以上、もう返さないよ。」
「どうぞどうぞ。一応、私がオリジナルなので、多少制限はつけておきましたけど」
「制限?」
「はい、ギフトや魔法を写しとったり渡したりすることはできません。
あと、人に対しては使えません。」
「なるほど。
それでも十分過ぎる位だわ。ありがとうシーナ」
「いいえ。こちらこそありがとうございました。
早速ですが、決意が弱くならないように明日営舎から出ます。
まだしばらくはこの町に居ますが、どこかの宿に泊まることにします。」
「そうか。
明日は見送らないよ。その方がいいだろ。」
「ええ、こっそり出てゆきますね。」
♤♡♧♢♤♡♧♢♤♡♧
次の話よりep2に入ります
皆様の応援がはげみになります。
よろしくお願いします。
この町はサルドラといって辺境にあって最大の町だそうだ。
町の西に流れるセー二河が国境となっていて、対岸はイズール国だそうだ。
東は、ジョンジ国、北はロスキ国で南端は全て海に接している。
守備隊は、西のイズール国からの防衛を担うことになるが、ここ十数年争いは起きていない。
国は議会制民主主義体制で王や貴族といった特権階級の者はいない。
魔法を使える人は沢山いるが、魔王はおろか魔族や魔物もいない。
獣人とかエルフとかドワーフなんて知らないそうだ。
冒険者ギルドも存在していないそうだ。
考えてみれば、一昔前の地球で、魔法とギフトがある世界って様子だった。
ー そうすると~ファンタジー物みたいに魔物倒してお金を稼ぐ訳にはいかないのよね。
お金を稼ぐなら守備隊で覚えた料理とかを屋台で出したり、行商かなぁ~
旅する前に生活に疲れそう。
かと言ってバイトしてもたかが知れてるし
う~~ん。悩む ー
なかなかいい案が思いつかないまま数日が過ぎた。
シーナは、MJに相談することにした。
「旅に出ることは決めたんですけど、旅先とかでどうやって路銀を稼ごうかと悩んでいるんです。」
「なんだ、草の根を食ってでも旅に出るって覚悟じゃないの?」
「ヤダヤダそんなの。
まぁ食料はギフトで加工出来るからそこまで困ることは無いけど、宿には泊まりたいし、色んな食べ物も食べてみたいし、かわいい服も欲しいでしょ。女の子だし…」
「そんなこと考えてたの?
まあシーナらしいわね。物見遊山の旅か、私もしてみたいなぁ」
「一緒に行きます?」
「アハハ それが出来る立場じゃ無いわよ。
いいかい
シーナなら旅人の護衛が出来る
宿なら壊れた物の修理、料理も出来る
武器の店なら補修や刃研ぎ
鍛冶屋で刀剣も作れる
怪我も治せるだろ
薬も創れるだろ
それで、まだ不安なのか?」
「そうかぁ。何かに決めないで、その時に応じて能力を使えばいいのね」
「鼻向けに私からもなにかやろうか」
「えっ じゃあ 遠慮なく………
えっと~『緋の眼』と『土属性』を下さい。」
「おいおい それはちょっと」
「別に目をくり抜こうとかはしませんよ。
解析して私の体で再構築するだけですよ。」
「そんなことができるのか」
「多分出来ると思います。
『緋の眼』で又私を鑑定してくれるだけでいいです。」
「そうか、それだけでいいなら…」
MJは眼帯をずらして『緋の目』を見開いた。
「鑑定したわよ、もう目を閉じていいのかな。」
「はい。
お疲れ様です、もう閉じていただいて結構です。」
「どうなの、もう使えるの?」
シーナが一旦目をつぶってまた見開くと『緋の眼』が現れた。
「おお 私には特に異変は無いぞ。
で、シーナはその目で、私を鑑定できるのかな。」
「はい、出来ます。MJの中の魔力の流れまで見えます。
だけど、疲れるって言ってた訳がわかりました。魔力をどんどん持ってかれますね」
「眼帯もプレゼントしようか?」
「いいえ。私は自分の目も有りますから。
必要な時だけ使わせていただきます。」
シーナが再びまばたきをすると、元の黒目が現れた。
「いいなぁその 入替えできるって」
「そうだ!
御礼に私のギフト『再構築』シーナさんにプレゼントしますよ。」
「いやいやいや
それはまずいんじゃない?
そんな簡単に凄いギフトをもらうなんて。
シーナだって神様じゃ無いし。
ばちが当たったりしないかしら?」
「だとしたら、とっくに私 罰を受けてると思います。
前にも言いましたが、女神は『楽しんで生きて』と言ってましたから、問題ないと思います。」
「そうか~
どうしよう
まじかぁ~
欲しく無いと言うことは無いし~
でもなんかなぁ~」
「MJ いつになく優柔不断になってますね。
いらなかったらまた無くせばいいだけですから。
はい、どうぞ」
「えっ も もう終わったの?」
「はい、あの一輪挿しの花で試されてはどうですか?」
赤いバラが紫に変わった。
「これは凄い。」
「要りませんか?」
「いや。このギフト大事に使わせてもらうよ。
もらった以上、もう返さないよ。」
「どうぞどうぞ。一応、私がオリジナルなので、多少制限はつけておきましたけど」
「制限?」
「はい、ギフトや魔法を写しとったり渡したりすることはできません。
あと、人に対しては使えません。」
「なるほど。
それでも十分過ぎる位だわ。ありがとうシーナ」
「いいえ。こちらこそありがとうございました。
早速ですが、決意が弱くならないように明日営舎から出ます。
まだしばらくはこの町に居ますが、どこかの宿に泊まることにします。」
「そうか。
明日は見送らないよ。その方がいいだろ。」
「ええ、こっそり出てゆきますね。」
♤♡♧♢♤♡♧♢♤♡♧
次の話よりep2に入ります
皆様の応援がはげみになります。
よろしくお願いします。
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