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ep1

再構築

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シーナは、狩りに行く日を楽しみにしながら、ケイトとの訓練や厨房での仕事に励んで過ごしていた。

「体力的に足手まといだ」
「自分の身を護れる位になってから」

などと言われて、なかなか狩りへの同行は許されなかった。

2ヶ月ほどすると、魔力を練り身体強化したり、光球を出すことも出来るようになり、訓練のおかげで体力もついてきた。

そして、ある日シーナは思いついた。
自分自身をギフト再構築で変えられないかと。


ー 遺伝子操作とかクローンとか、倫理的問題や、神の御技をどうのこうのとかもこの世界なら許されるわよね。 ー

厨房でコック長とルイスが居なくなった隙に

「体力S・魔力S、そして胸をEカップに再構築」 

体が一瞬光輝いた。

「く 苦しい!」

着ているもの全てがキツキツだ、シャツの胸ボタンは3つ弾け飛んでいる。
更衣室に駆け込んで、大きめの調理服に着替えて、やっと人心地がついた。

厨房から、骨付き肉と数点の野菜が無くなっていた。

ー 兵隊さんの胃袋に入る予定の食材が、私の糧になっちゃったわね。

部屋に戻って、着れそうな服をチェックしなくちゃ ー

部屋に戻ってみると、パンツは全てはけないし、ブラウスも駄目だった。
ケイトの服を拝借しようかとも思ったけど。

ー そうよね、自分の服を再構築すれば良いんだわ。
便利なギフトよね ー

そうして洋服を色々とアレンジを変えて作って試着している所に、ケイトがやって来た。

「MJ なにか用?」

「えっ」

シーナが振り返ると

「えっ!シーナなのか!てっきりMJかと思った。
その体どうしたんだ?」

「ギフト再構築で作り変えてみました」

「ちょっと回って見せろ」

「こうですか?」
シーナはクルリンと回って見せた。

「もう少しゆっくり」

「は~い」

「みちがえたな。MJみたいだ。強そうにもなったな。」

「強そうじゃなくて、強いですよ。魔法だってほら」

シーナは目を開けてられないほどの眩い光球を作って見せた。

「わかった。わかったから消してくれ。」

「は~い。

これなら狩りにも連れてってもらえますよね」

「そうだな
トニー副長に伝えておくよ」

「ありがとうございます。
楽しみ~」

次の日は、すれ違う人毎に驚かれた。
そして、MJからも呼びだしが

「ほう、立派な体つきになったわね。
中身はどうかな?」

「かなり強くなれたと思います。ギフトと魔法も使ってよければですけど」

「そうか、それなら私と勝負しない?」

「えっ。本当ですか?
でも、私ギフト使ったら勝っちゃいますよ。」

「そんなに上手く行くかな。」

「この水が入ったコップ 落とさないように持ってて下さい。」

シーナは、コップをMJに手渡そうとしたが、一向にMJが手を出さない。

「どうかしました?」

「何故か手が動かないのよ」

「今私は、ギフトを使ってMJの腕の筋力を無くしました。」

「それでか!」

「元に戻しますね。」

「ああ、頼むわ」

「この力を足に使えば立つこともできなくなりますし、胸の回りに使えば息もできません。
剣や鎧は砂鉄に出来ます。
それでも勝負をご所望ですか?」

「ならば、ギフトは使わないってことでの勝負はどうかしら」

「MJの『剣技』も封印してですか?」

「もちろんよ。私だけギフト使うのはフェアじゃ無いわよね。」

「魔法はOKですか?」

「ええ、私は魔法持ちと戦ったことは何度もあるわよ。」

「私の属性『光』って知ってますよね。収束すると高熱を発して、鎧も貫通しますよ」

「呪文を唱え終える前に勝負を決めれば問題ないでしょう」

「そうなら面白い勝負になりそうですね。」

「よし、じゃあ午後から皆を集めて訓練場でやることにしましょう。」





MJとシーナの勝負は、即座に隊員全ての知るところになり。
任務中の者を除いて全員が訓練場に集まってきた。

トニー副長がアナウンスする。
「それでは、これよりMJとシーナの勝負を行います。
お互いギフトの使用は無し。
武器は木刀のみ。
魔法は使用可。
戦闘不能、又は降参により勝負は決します。
たとえ間違ってでも相手を死なせたら負けとなり、かつ責任を負います。
以上
二人共よろしいですか?

では、始め!」
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