3 / 47
ep1
ケイト
しおりを挟む
「このドアから先は、女性専用ゾーン。
男が出来てもここから先は連れて来ては駄目よ」
「へぇー セキュリティしっかりしてるんですね。」
「で さっき空いてる部屋が有るって言ったけど、相部屋はどう?
あなたの場合ルームメイトがいた方が、いいかもって思って。」
「そうですね。でも相手にもよるかな。
ゴリラ系のマッチョで、いつも汗かいてて、イビキが爆音とかの人は嫌だけど、まぁ普通の娘なら……」
「それじゃあ、今日からこの部屋がシーナの部屋よ。
荷物は………何も持ってないんだな。
制服とか支給してあげるるから、付いてきなさい」
「相部屋の人、ケイトさんって言う人ですか?」
「あっ ごめん それ言うの忘れてた。
何でわかった?」
「部屋の入口に書いてあったので」
「目ざといな、いいよ。
シーナは観察力が有るわね。」
「たまたま目に入っただけですよ。」
「所で シーナは、貴族とかでは無いよな。
自分の身の回りのこと位は自分でできるのよね。」
「ええ 貴族とかがいない身分制度の無い国でしたから」
「へぇー 貴族のいない国かぁ。
それで平和なんだろ。
いい国だな。」
「昔は戦争もあったらしいけど、80年位平和が続いてました。
犯罪も少なくて、落とした財布が届けられて戻ってくることもあるし。
女性が夜独り歩きしても、襲われることはまず有りません。
うっ ううう」
「ああ ごめん また思い出させちゃったね。」
MJはシーナを引き寄せ抱き締めた。
シーナはMJの大きな胸にすがってしばらく泣いた。
「ありがとうございますMJ
もう大丈夫です。」
「この先の訓練場に、君のルームメイトのケイトが居るはずよ。」
「ここ広いですね。
迷子になりそう。」
訓練場に近づくと、色んな音が聞こえてきた。
剣を打ち合う音や、何か叩きつける男、キュキュって靴の音、そして雄叫び などなど
シーナは、観覧席に案内された。
「ここで訓練風景でも見ながら待っててくれ、ケイト探してくる」
そう言ってMJはどこかに行った。
訓練してる兵達を見ても魔法を使っている人は見かけなかった。
剣とか槍や斧とか盾を使う人も居るし、素手で戦っているグループもあった。
時折驚くほどのスピードで動く人もいるから、魔力を『身体強化』にふったりしているのかもと想像してみた。
そう言えば私の魔法適性は『光』ってMJが言ってたわよね。
シーナは、ちょっと試したくなった。
「確か最初は体内を巡る魔力を感じることよね。」
「………」
「う~ん 魔力ってよくわかんないから、脈でも感じて見ようかな」
左手首を右手で押さえてみたり、胸に手を置いたり、首筋を触ったり足首を掴んで見たりした。
うん、血の巡るのを感じるわ
次は目をつぶって、イメージしてみる。
心臓から肺に行って酸素を取り込んで、心臓に戻る。それからまた送り出されて、脳や、いろんな臓器、手足に栄養や酸素を、運ぶのよね。
赤血球や白血球とか色んな役目を持つものが、入り混じって働いているのよね。
次第に集中してくると、周りの喧騒も気にならなくなって、自分とだけ向き合えるようになってきた。
「でも魔力って?
身体を巡ってるのよね。
東洋医学の経脈の方かしら?
忍者アニメの白眼とかの方かしら」
そうブツブツ言いながら、左手を開いて、手のひらの真ん中に意識を集中して、そこを見続けた。
何となく、そう あくまでも実感では無く、何となく手のひらが少し温かく感じられたタイミングでシーナは
「灯り」と唱えてみた
するとそこには、ゴマ粒程のしかもすぐに消えそうな弱々しい光があった。
「ヤッター!」
「どうしたのシーナ?」
すると、ちょうどそのタイミングで、MJが一人の女性を伴ってやって来た。
「魔法が!魔法ができたんです。」
「それは凄いな、何も教わってないのに出来たんだ。
おめでとう。よかったわね。」
すると隣の女性が
「あの~」
「ああ ごめんごめん
紹介するね。
彼女がケイト、あなたのルームメイト。
で、こっちがさっき話したシーナ。
ふたり共仲良くやってくれ」
「シーナです。ここのことはほとんど知らないので、ご迷惑かけると思いますが、よろしくお願いします。」
「私はケイトよ。よろしく。
異世界から女神様が連れてきた娘って聞いたけど、割と普通ねあなた。
ホッとしたわ。」
「シュッ」
パンチが顔面にきて当たる寸前で止まった。
「えっ はわわわ」
シーナは驚いて腰を抜かした。
「全く心得がないみたいね。
貴族?」
「いきなりなんなのよアンタ!
私は一般人、普通の人よ」
「普通の人は、見ず知らずの相手に会ったら、たとえ誰かの紹介でも警戒するものよ。
無警戒で無防備。
本当に異世界人なのね。
驚かせて悪かった。
改めて、よろしく」
「MJ 彼女ってこの世界では普通の人なの?
特に凶暴ってことはないでしょうね」
「アハハ ケイトの挨拶代わりの薬が効きすぎたようね。
まぁ普通の部類の人間よ。
心配ないわよ。
ケイトは、シーナを狩って食ったりはしないって……アハハ」
「はぁ~ なんかやばい世界ね。
私やってけるのかしら。
さっきのケイトさんのアレは、軽い挨拶のつもりだってことはわかったわ。
帰りたいって泣いてられるのも今だけなのね」
MJがケイトに向き直って
「ケイト、今日の訓練はここまでにして。
シーナと部屋に戻って、色々教えてやってくれ」
「MJ 私が何でこんな子の子守を!」
「アハハ
教えることで教わる
そういうことも有る。
人は、人を育てることで、みずからも成長するものなんだよ。」
「屁理屈承りました。
命令とあれば、従います」
なんだか歓迎されてない雰囲気だが………
「ケイトさん よろしくお願いします!」
シーナは、大きな声で宣言するように言った。
「まぁいいわ、付いてきなさい」
ケイトはそう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
私があっけにとられてるとMJさんが
「ほらほら付いてかないと」
と私をあごで促した。
男が出来てもここから先は連れて来ては駄目よ」
「へぇー セキュリティしっかりしてるんですね。」
「で さっき空いてる部屋が有るって言ったけど、相部屋はどう?
あなたの場合ルームメイトがいた方が、いいかもって思って。」
「そうですね。でも相手にもよるかな。
ゴリラ系のマッチョで、いつも汗かいてて、イビキが爆音とかの人は嫌だけど、まぁ普通の娘なら……」
「それじゃあ、今日からこの部屋がシーナの部屋よ。
荷物は………何も持ってないんだな。
制服とか支給してあげるるから、付いてきなさい」
「相部屋の人、ケイトさんって言う人ですか?」
「あっ ごめん それ言うの忘れてた。
何でわかった?」
「部屋の入口に書いてあったので」
「目ざといな、いいよ。
シーナは観察力が有るわね。」
「たまたま目に入っただけですよ。」
「所で シーナは、貴族とかでは無いよな。
自分の身の回りのこと位は自分でできるのよね。」
「ええ 貴族とかがいない身分制度の無い国でしたから」
「へぇー 貴族のいない国かぁ。
それで平和なんだろ。
いい国だな。」
「昔は戦争もあったらしいけど、80年位平和が続いてました。
犯罪も少なくて、落とした財布が届けられて戻ってくることもあるし。
女性が夜独り歩きしても、襲われることはまず有りません。
うっ ううう」
「ああ ごめん また思い出させちゃったね。」
MJはシーナを引き寄せ抱き締めた。
シーナはMJの大きな胸にすがってしばらく泣いた。
「ありがとうございますMJ
もう大丈夫です。」
「この先の訓練場に、君のルームメイトのケイトが居るはずよ。」
「ここ広いですね。
迷子になりそう。」
訓練場に近づくと、色んな音が聞こえてきた。
剣を打ち合う音や、何か叩きつける男、キュキュって靴の音、そして雄叫び などなど
シーナは、観覧席に案内された。
「ここで訓練風景でも見ながら待っててくれ、ケイト探してくる」
そう言ってMJはどこかに行った。
訓練してる兵達を見ても魔法を使っている人は見かけなかった。
剣とか槍や斧とか盾を使う人も居るし、素手で戦っているグループもあった。
時折驚くほどのスピードで動く人もいるから、魔力を『身体強化』にふったりしているのかもと想像してみた。
そう言えば私の魔法適性は『光』ってMJが言ってたわよね。
シーナは、ちょっと試したくなった。
「確か最初は体内を巡る魔力を感じることよね。」
「………」
「う~ん 魔力ってよくわかんないから、脈でも感じて見ようかな」
左手首を右手で押さえてみたり、胸に手を置いたり、首筋を触ったり足首を掴んで見たりした。
うん、血の巡るのを感じるわ
次は目をつぶって、イメージしてみる。
心臓から肺に行って酸素を取り込んで、心臓に戻る。それからまた送り出されて、脳や、いろんな臓器、手足に栄養や酸素を、運ぶのよね。
赤血球や白血球とか色んな役目を持つものが、入り混じって働いているのよね。
次第に集中してくると、周りの喧騒も気にならなくなって、自分とだけ向き合えるようになってきた。
「でも魔力って?
身体を巡ってるのよね。
東洋医学の経脈の方かしら?
忍者アニメの白眼とかの方かしら」
そうブツブツ言いながら、左手を開いて、手のひらの真ん中に意識を集中して、そこを見続けた。
何となく、そう あくまでも実感では無く、何となく手のひらが少し温かく感じられたタイミングでシーナは
「灯り」と唱えてみた
するとそこには、ゴマ粒程のしかもすぐに消えそうな弱々しい光があった。
「ヤッター!」
「どうしたのシーナ?」
すると、ちょうどそのタイミングで、MJが一人の女性を伴ってやって来た。
「魔法が!魔法ができたんです。」
「それは凄いな、何も教わってないのに出来たんだ。
おめでとう。よかったわね。」
すると隣の女性が
「あの~」
「ああ ごめんごめん
紹介するね。
彼女がケイト、あなたのルームメイト。
で、こっちがさっき話したシーナ。
ふたり共仲良くやってくれ」
「シーナです。ここのことはほとんど知らないので、ご迷惑かけると思いますが、よろしくお願いします。」
「私はケイトよ。よろしく。
異世界から女神様が連れてきた娘って聞いたけど、割と普通ねあなた。
ホッとしたわ。」
「シュッ」
パンチが顔面にきて当たる寸前で止まった。
「えっ はわわわ」
シーナは驚いて腰を抜かした。
「全く心得がないみたいね。
貴族?」
「いきなりなんなのよアンタ!
私は一般人、普通の人よ」
「普通の人は、見ず知らずの相手に会ったら、たとえ誰かの紹介でも警戒するものよ。
無警戒で無防備。
本当に異世界人なのね。
驚かせて悪かった。
改めて、よろしく」
「MJ 彼女ってこの世界では普通の人なの?
特に凶暴ってことはないでしょうね」
「アハハ ケイトの挨拶代わりの薬が効きすぎたようね。
まぁ普通の部類の人間よ。
心配ないわよ。
ケイトは、シーナを狩って食ったりはしないって……アハハ」
「はぁ~ なんかやばい世界ね。
私やってけるのかしら。
さっきのケイトさんのアレは、軽い挨拶のつもりだってことはわかったわ。
帰りたいって泣いてられるのも今だけなのね」
MJがケイトに向き直って
「ケイト、今日の訓練はここまでにして。
シーナと部屋に戻って、色々教えてやってくれ」
「MJ 私が何でこんな子の子守を!」
「アハハ
教えることで教わる
そういうことも有る。
人は、人を育てることで、みずからも成長するものなんだよ。」
「屁理屈承りました。
命令とあれば、従います」
なんだか歓迎されてない雰囲気だが………
「ケイトさん よろしくお願いします!」
シーナは、大きな声で宣言するように言った。
「まぁいいわ、付いてきなさい」
ケイトはそう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
私があっけにとられてるとMJさんが
「ほらほら付いてかないと」
と私をあごで促した。
0
お気に入りに追加
802
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます
里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。
だが実は、誰にも言えない理由があり…。
※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。
全28話で完結。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる