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ギルドにて

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「はい、依頼分の薬草。確かに受け取りました。」

ギルドの巨乳の受付嬢は、アレスに微笑んでいた。

「ついでに、魔物を狩って来たんだけど、どうしたらいいの?」

「パーティ全員のギルドカードを提出して下さい。」

受付嬢は、カードをリーダーに通して、脇のモニターを見ている。

「えっ?あれ?何で?」

「どうかしました?」

「いや、あの
レミーさんのカードに、ゴブリンナイトとゴブリンジェネラルを討伐した記載が有ったので…」

「その通りよ。」

「アレスさんやホセさんが弱らせたところをレミーさんがトドメを刺したんですね」

「違うわ
レミーが一人でパッと簡単に消したわ
アレスやホセは離れた所で見てただけよ」

「マジですか?
今日登録したばかりの新人が………」

「私たち『異次元の覇者』よ、レミーはそのリーダー、Fランクの新人でも実力はSSランクよ
覚えておきなさい。」

「は、はいレミーさん」

「レミーは、私じゃなくて、彼女よ」

レミーはルーシーの後ろで小さくなっていたが、ルーシーに腕を引っ張られて前に出た。

「ああ、今朝のデラロスを裸にして石を降らせた人ですね。
あれは凄かった。
Bランクのデラロスが子ども扱いでしたよね。
貴方なら納得しました。
記載には、他にもワーウルフや、オークが有りますが、ギルドに卸して頂けますか?」

ルーシーがレミーに返事をするようツンツンする

「はい、お願いします。」

「では、解体所の方でお渡し下さい。
その分は査定後にカードに入金されます。
それと、討伐内容からして、Fランクの方3名はランクアップすると思います。
こちらも、審査にお時間が必要ですので、明日の午後、もう一度こちらにお越しください。」

「へえー、初日でランクアップかぁ~
さすがね私たち。
アレスたちもこんなペースでランクアップしたんでしょ」

「いやいや、初日では無かったよ。
おめでとう
レミー・ルーシー・そしてメリッサ」

「ありがとうアレス。これからも頑張るわ。」
「私は、2番目に格下げね。まぁいいわ。ありがとうアレス。
メリッサはここに居ないのに祝ってあげるのね。」

「ここに彼女が居なくても、一緒に昇格したんだから、祝ってあげないとね。」

「アレス。メリッサに優しいのね。」

「んぁっ。
いや。
特別に優しいとかじゃ無くてさ。めでたいなぁと思って。
あ~~めでたい、めでたい。」

「えっ?あれっ?
そうなんだ」

「なんだよ!そうなんだって」

「まぁいいわ。」

「良くないよ、ちゃんと言えよ」

「いいのレミーの前で」

「誰の前だろうと構わないよ」

「アレス メリッサのこと好きなんでしょ。
もうバレバレよ。」

「いや そんなこと
 別に だって
いつも手のかかる妹の世話は大変そうだなぁとは思ってるよ。
でも好きとかは、また違うと思う。」

「でも、アレスはいつもメリッサのこと、にやにやしながら目で追ってるわよね」

「ウソだぁ~!そんなことしてないよ。」

「無意識でやってるわよ。私はわかるもん。」

〈何なの?この兄妹。まるでデート中に他の女に目が行ったとかで揉めてるみたいな〉レミーはそう思いながらその場を取り繕った。


「解体所に行きましょう」

レミーが先に歩き出すと二人の言い合いは収まって、プイッっとお互い横を向きながらも、後に付いてきた。

〈ルーシーは、いつも『あーだ こうだ』とアレスに言ってるけど、きっとブラコンなんだわ。私が結婚相手だって頭で理解しても、気持ちがざわめいてるのね。
それで私につきまとって………〉
レミーは、これまでのルーシーの行動に、腑に落ちる点が色々有ると思った。

解体所に着くと、目の前で魔物の解体が、行なわれていた。

「うっ 私ダメ」
ルーシーは、一言そう言って口を押さえながら逃げ出した。

「ここは頼むよレミー」
アレスはそう言ってルーシーの後を追って居なくなった。

〈何なのよあの二人。
結局私は蚊帳の外なのね。〉

血だらけの前掛けをした男が声をかけてきた。

「いらっしゃい。
持ち込む魔物の種別と数をその用紙に書いてくれ。
書き終わったら、俺に声かけてくれ。」

男は、そう言いながらも解体の手を休めずに忙しそうだ。
その動きは無駄がなく、魔物は綺麗にパーツごとにどんどん分けられて行ってた。

リストを書き終えて
「書きました」と手を挙げると、男は、手を止めてやって来た。

「おや?新人さんかな?見ない顔だな。」

「そうです。これから宜しくお願いします。」

「俺はジャックだ。宜しくな。
で、ゴブリンナイトにゴブリンジェネラルにワーウルフにオークか
こりゃひと手間だなぁ」

「あの~ 解体済みでの持ち込みでもいいですか?」

「ああ。その手間分高く引き取るぜ。
あんた解体スキル持ちかい?」

「えっ まぁ
そうです。」

「そりゃ助かる。
見ての通りよ。忙しくてな。
見たところあんたマジックバッグ持ちかい。」

「ええ、まぁ」

それじゃあ、ついて来てくれ。
ジャックは、そう言うと奥に歩いていく。
レミーは彼について行って、指定された場所に解体した魔物を出した。

「こりゃ凄い。
状態がいいなぁ。
解体も丁寧な仕事ぶりだ。
ワーウルフの毛皮には傷が一つも無いな。
どうやって仕留めたんだ?見事だ。
オーク肉は、直ぐ冷蔵室に入れないと。
この状態で持ち込んでくれるなら、何時でも大歓迎だよ。」

ジャックは、リストの紙をチラッと見て

「レミーさんだね。
覚えておくよ。
じゃ またな」


レミーは解体所を後にして、ギルドに戻ったが、二人の姿は既に無かった。

受付嬢がレミーを見つけて おいでおいで と手招きをするのでいってもみると

「レミーさんですよね。
ことずてが有ります。
『先に家に戻ってるから、心配しないでね。ルーシー』だそうです。」

「わかりました。ありがとう。」

とりあえず伝言を伝えてくれた受付嬢に礼を言ってギルドを後にした。
ギルドの脇の人気のない路地でドアをだして、『自由空間』を使いルーシーの部屋に飛んだ。
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