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薬草採取

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「全く、何で俺やホセまで薬草採取に付き合わなきゃなんないんだよ。」

「アレス わかってる?そのぼやき、減点2よ。」

「なんだよ!減点って」

「折角彼女とパーティになったのに、別行動したいって言ったのよ。
彼女からしたら『あ~この人は、私を守ってやろうって思わないんだなぁ~。
一緒に居たくないんだなぁ~。』って思うわよ。
そんな人にトキメクと思う?」

「レミー、違うんだ!
俺たちCランクなのに今更薬草採取は、役不足だなぁって感じただけだよ。
君のそばに居たいとぼくは、本当に思ってるから。」

「アレス、わかってるわ。ルーシーがちょっとからかっただけよ。」

「えっ そうなのかルーシー」

「ほらほら、彼女の為に張り切って薬草沢山集めるのよ。」

「ちっ わかってるよ」

「あ 『ちっ』って言った!」

「ルーシー 頼むよ、いちいち細かくチェックしないでくれよ。」

「アレス、普通女の子は
、私と同じように感じてても、何も言わないの。心の中の採点表に記録するだけよ。
『この人はダメ』ってね。
『彼ってステキ』って思われるような男にならないと、マジで捨てられるわよ。」

「薬草取りに行ってきま~~す」

アレスは、そそくさと走って行った。



アレスとホセが去ってしばらくしてから

「ルーシー様、2時の方向からゴブリンと思われる5体がこちらに来ます。」

「わかった。メリッサ何匹やれる?」

「二匹か三匹なら」

「わかった、それじゃあ 危なくならない限りレミーは手を出さないで、あとは私が倒すから。」

藪の中からゴブリンが姿をあらわす。
途端にメリッサの弓が弾ける。
先頭のゴブリンが倒れる。
続くゴブリンが、それに気づいて、スピードをあげてこちらに向ってくる。
メリッサの弓が二匹目を倒す。

ルーシーは盾を構えると一直線にゴブリンに向って行く。
ルーシーが構える盾は青白く輝きを放っている。

後から来たゴブリン三匹が盾に当たって次々と弾き飛ばされる。
ふらふらになっているゴブリンにルーシーは短槍で止めをさした。

「レミー 片づけ頼んで良いかしら?」

「いいわよ。」

『収納』を使い、左耳だけ回収して、死体は埋めた。

「手際が良いわね。」

「ありがとう。ルーシーは盾とか槍を何処から出したの?」

「ああ、マジックバッグよ、あなたの『収納』とは比べ物にならないけど、これでも荷馬車一台分位は入るわ。」

「ああ そうなんですね」

「お話中すみません。
ワーウルフに囲まれてます。
10頭程の集団です。」



「ゴブリン共との戦闘で呼び寄せちゃったかな?

レミー、今回は私の背中を預けて良いかしら?

メリッサは遊撃隊で各個撃破。囲まれそうになったら戻って。」

ルーシーが言い終えると直ぐにメリッサが飛び出して行った。

メリッサの剣術は見事で、体高3メートル位のワーウルフに怖じ気づきもせずに挑みかかる。
メリッサに飛び付こうとするワーウルフの横をすり抜けながら前足を横薙に斬りつけ、一回転して着地し、即反転してワーウルフの首に深々と剣を突き刺した。
メリッサをかみ殺そうとしていたワーウルフは、目に光がなくなり、崩れ落ちた。

「凄い」

「そうね、メリッサは、私のボディガードでもあるのよ。優秀に決まってるじゃん。」

「体術とか教わろうかなぁ」

「レミーは、体動かさなくてもいいんじゃないの?スキルだけで最強だもん。」

こうして話してる間にも、レミーに襲いかかるワーウルフは、『収納』され消えてゆき、ルーシーの所に来た個体は、為すすべもなく弾き返されている。

そして、そこへメリッサが攻撃に加わり、ワーウルフは、どんどん数をへらしいった。
残り二匹となった所で、ワーウルフが退散しようと背を向けたので、レミーは、即『収納』した。

「にしても、大したスキルよねあなたの『収納』スキルは。
相手と戦う必要も無いんだから、凄いわよ。
弱点なんて無いんじゃない?」

「そんなことないわ
見てない所から不意をつかれたりしたら、攻撃を受けてしまうから。」

「そこまで完璧を求めたら贅沢過ぎよ。」





「こっちから、人が二人。 あっ アレス殿下とホセです。
その後ろからオークが三匹」

メリッサが指差した方から、アレスとホセが戻って来た。
というより逃げ込んで来た。

「助けてくれ~~オークだ!」

「美味しいのに」

「えっ?」

「あっ 転んだ!」

転んだアレスに襲いかかるオークを『収納』した。
そして残りの二匹も。

アレスは、目の前のオークが突然消えて、ホッとしたようだ。
そのまま地面にへたり込んだ。

レミーは30メートル位離れた所のアレスも一旦『収納』して、目の前に
出した。

「大丈夫アレス。
すぐ『治癒』するわね。」

レミーは、アレスの手当を始める。

「アレス 格好悪いわね」

「あらっ?俺何でここに?」

「アレス殿下、動かないで下さい。」

「レミーが『収納』スキルで手元に連れてきたのよ。
全くね。
美女のピンチに颯爽と現われて、美女を救う王子様役は、アレスには無理ね。」

その時レミーの頭の中に、久しぶりに女神セリーヌの声が響いた。

〈『超時空』スキルがレベルアップしたわ。『自由空間』が開放されたのよ。
あなたやあなたの指定した物や人は、その中にはいれるの、そして、そこはあなたが自由に作り上げることができる空間よ。
『自由空間』の中では、現実世界の百倍で時が流れてるの。
そこで100日過ごしても、現実では1日しか進んでいないってわけ。
それから、『自由空間』から出入りする時は、ドアをイメージしてね。
尚出る時は、過去に行ったことのある好きな場所に出られるわよ。
それじゃあ、またね〉
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