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冒険者試験
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「ルーシーが冒険者に!?」
「そうよ!何か問題でも有るかしら?
そうそう、メリッサも一緒がいいわ。
アレスにホセがついているんだから、私はメリッサについてきてもらうわ。」
レミーは、おずおずとルーシーに尋ねた
「それって確定事項ですか?」
「そうよ。」
「お二人は、戦えるんですか?」
「あなた程の特別強力なスキルじゃ無いけど、私は『大盾』スキル持ちよ、メリッサは『探索者』スキルを持ってるわ。」
「そうですか。
ハハハ、素晴らしいスキルですね。」
外堀を埋められ、もう逃げられないとレミーは悟った。
翌日、5人で冒険者ギルドに行き、三人の登録を申請した。
「失礼ながら、体型を見たところ、筋力・体力が余り無さそうですが、大丈夫ですか?
ご存知とは思いますが、冒険者になるには、資格試験が有りますよ。
試験内容については、ご存知ですか?」
「いいえ。教えて下さい。」
「40km走です。規定は、2時間30分以内です。
規定時間以内でゴールすれば2次試験無しで即時合格です。
但し、魔法及びスキル、魔道具の類は使用禁止となってます。
禁止行為が発見された場合は即時失格。
再受験不可となり、冒険者には一生成れなくなります。
規定時間をオーバーした場合5分毎にマイナス1ポイントが付きます。マイナス10ポイントで即失格です。つまり3時間20分超えたら、即失格ですね。
失格になった場合。1年後迄再受験は出来ません。
ここ迄は理解しましたか?」
「はい。大丈夫です。」
「では、2次試験についてご説明します。
1次試験をマイナス9ポイント以内で通過した人が2次試験へと進みます。
2次試験は、単純に魔物狩です。2次試験では、魔法もスキルも魔道具も使用可能です。
魔物のポイント表はこちらです。
一日以内に、自分のマイナスポイント以上の魔物を狩って来れれば、合格です。
ちなみに、受験生用のギルドカードを持っていってもらうので、他の人の獲物を譲り受けても、ポイントにはなりません。あくまでもご自分で、魔物を倒さないとポイントになりません。
以上が受験内容です。」
「説明ありがとう。
それで試験日はいつですか?」
「毎月1日に開催されるわ。」
「それともう一つ。なんで長距離走が優秀だと合格なんですか。
戦闘力の方が冒険者としては必要な能力だと思うけど」
「根性かな?体力かな?
40km走ってみれば、分かるんじゃない?
試験に使われるルートは、壁に貼ってある地図にのってるから、走ってみたら?
魔法にもスキルにも頼らずに時間内に走りきるのは、結構大変よ」
◇
レミーたち三人は、早速午後から走ってみることにした。
「ルーシー、メリッサ
まず、5キロを25分以内を目標にしましょうよ。」
「レミー なんでそのタイムなの?」
「そのスプリットタイムが維持できれば、その8倍で40km 200分以内 つまり3時間20分以内でギリギリセーフよ」
「レミー 私は一次合格目指すわよ、あんたほど戦いには自信無いから」
「ルーシー そしたら5キロを18分位で走らないといけないわよ。
殆どダッシュよ、それを2時間半は無理よ、女子マラソンのトップアスリートのタイムよ………。
ん?でもなんでかしら?
そんなに厳しいタイム設定。
アレス!ホセ!
あなた達そのタイムクリアしたんでしょ!
どうやったの?」
「裏ワザだよ。
魔法とスキルと魔道具は、禁止されてるよね。
だけど、それ以外は禁止されて無いから」
アレスがそう言うと、メリッサが
「馬ですか?」
「メリッサ鋭い。馬は魔物でもないからルールを破ったことにならないんだ。」
「はぁ~!何よそれ!
やっぱズルじゃん」
「そんな事無いよ。ルールに従ってる範囲なんだから。
ギルドでも認めてるし。」
「マジなの?
必死に対策考えたのに。」
◇
そして試験当日。
周囲の目を気にすることなく、私たちは、馬車で乗り付けた。
メリッサは馭者席に、私とルーシーは屋根の無いスピードタイプの馬車の客席に座った。
「ちゃんと走ってチャレンジする人も何人もいるのに、なんか申し訳ないわ。」
「レミー そんなこと気にすること無いわよ。
世の中 持つ者と持たざる者 この格差は仕方ないのよ。
持つ者は、その富を維持するために努力し、持たざる者は、持つ者になるべく努力するのよ。
みんなが同じだったら、誰も努力しなくなるわ。」
なんか、貴族様に都合のいい言葉だけど、一理有るとレミーは思った。
「努力だけじゃ埋められない格差が有るのは、不条理じゃ有りませんか?」
「運と実力、生まれ持った才能もあるわね。
あなたの父親だって、最後は哀れだったけど、平民から男爵にまでのし上がったんでしょ。
そこは評価すべきなのよ。
上を見て嘆いている人には、何も訪れないわ。
そして、安穏と自分の立場にあぐらをかいている人は、いつか足場を外される事も有るのよ。」
レミーたちは、こうして馬車で話をしながら、規定時間をクリアし、2次試験免除で、冒険者となった。
「そうよ!何か問題でも有るかしら?
そうそう、メリッサも一緒がいいわ。
アレスにホセがついているんだから、私はメリッサについてきてもらうわ。」
レミーは、おずおずとルーシーに尋ねた
「それって確定事項ですか?」
「そうよ。」
「お二人は、戦えるんですか?」
「あなた程の特別強力なスキルじゃ無いけど、私は『大盾』スキル持ちよ、メリッサは『探索者』スキルを持ってるわ。」
「そうですか。
ハハハ、素晴らしいスキルですね。」
外堀を埋められ、もう逃げられないとレミーは悟った。
翌日、5人で冒険者ギルドに行き、三人の登録を申請した。
「失礼ながら、体型を見たところ、筋力・体力が余り無さそうですが、大丈夫ですか?
ご存知とは思いますが、冒険者になるには、資格試験が有りますよ。
試験内容については、ご存知ですか?」
「いいえ。教えて下さい。」
「40km走です。規定は、2時間30分以内です。
規定時間以内でゴールすれば2次試験無しで即時合格です。
但し、魔法及びスキル、魔道具の類は使用禁止となってます。
禁止行為が発見された場合は即時失格。
再受験不可となり、冒険者には一生成れなくなります。
規定時間をオーバーした場合5分毎にマイナス1ポイントが付きます。マイナス10ポイントで即失格です。つまり3時間20分超えたら、即失格ですね。
失格になった場合。1年後迄再受験は出来ません。
ここ迄は理解しましたか?」
「はい。大丈夫です。」
「では、2次試験についてご説明します。
1次試験をマイナス9ポイント以内で通過した人が2次試験へと進みます。
2次試験は、単純に魔物狩です。2次試験では、魔法もスキルも魔道具も使用可能です。
魔物のポイント表はこちらです。
一日以内に、自分のマイナスポイント以上の魔物を狩って来れれば、合格です。
ちなみに、受験生用のギルドカードを持っていってもらうので、他の人の獲物を譲り受けても、ポイントにはなりません。あくまでもご自分で、魔物を倒さないとポイントになりません。
以上が受験内容です。」
「説明ありがとう。
それで試験日はいつですか?」
「毎月1日に開催されるわ。」
「それともう一つ。なんで長距離走が優秀だと合格なんですか。
戦闘力の方が冒険者としては必要な能力だと思うけど」
「根性かな?体力かな?
40km走ってみれば、分かるんじゃない?
試験に使われるルートは、壁に貼ってある地図にのってるから、走ってみたら?
魔法にもスキルにも頼らずに時間内に走りきるのは、結構大変よ」
◇
レミーたち三人は、早速午後から走ってみることにした。
「ルーシー、メリッサ
まず、5キロを25分以内を目標にしましょうよ。」
「レミー なんでそのタイムなの?」
「そのスプリットタイムが維持できれば、その8倍で40km 200分以内 つまり3時間20分以内でギリギリセーフよ」
「レミー 私は一次合格目指すわよ、あんたほど戦いには自信無いから」
「ルーシー そしたら5キロを18分位で走らないといけないわよ。
殆どダッシュよ、それを2時間半は無理よ、女子マラソンのトップアスリートのタイムよ………。
ん?でもなんでかしら?
そんなに厳しいタイム設定。
アレス!ホセ!
あなた達そのタイムクリアしたんでしょ!
どうやったの?」
「裏ワザだよ。
魔法とスキルと魔道具は、禁止されてるよね。
だけど、それ以外は禁止されて無いから」
アレスがそう言うと、メリッサが
「馬ですか?」
「メリッサ鋭い。馬は魔物でもないからルールを破ったことにならないんだ。」
「はぁ~!何よそれ!
やっぱズルじゃん」
「そんな事無いよ。ルールに従ってる範囲なんだから。
ギルドでも認めてるし。」
「マジなの?
必死に対策考えたのに。」
◇
そして試験当日。
周囲の目を気にすることなく、私たちは、馬車で乗り付けた。
メリッサは馭者席に、私とルーシーは屋根の無いスピードタイプの馬車の客席に座った。
「ちゃんと走ってチャレンジする人も何人もいるのに、なんか申し訳ないわ。」
「レミー そんなこと気にすること無いわよ。
世の中 持つ者と持たざる者 この格差は仕方ないのよ。
持つ者は、その富を維持するために努力し、持たざる者は、持つ者になるべく努力するのよ。
みんなが同じだったら、誰も努力しなくなるわ。」
なんか、貴族様に都合のいい言葉だけど、一理有るとレミーは思った。
「努力だけじゃ埋められない格差が有るのは、不条理じゃ有りませんか?」
「運と実力、生まれ持った才能もあるわね。
あなたの父親だって、最後は哀れだったけど、平民から男爵にまでのし上がったんでしょ。
そこは評価すべきなのよ。
上を見て嘆いている人には、何も訪れないわ。
そして、安穏と自分の立場にあぐらをかいている人は、いつか足場を外される事も有るのよ。」
レミーたちは、こうして馬車で話をしながら、規定時間をクリアし、2次試験免除で、冒険者となった。
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