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第3章
ベッキオ
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「ベッキオさん
あなたは、どこまで知っているのかしら」
「そうですね。
スカラベ会長がトンズラー一家に依頼した暗殺対象のあなたがここに居ると言うこと。
トンズラー一家と一緒に死亡したはずのキャロが生きてここに居ること。
そして、スカラベ会長に依頼を出した人物を探りにあなたがたはここにきた。
ここまでは、間違いないでしょうね。
ここからは推測ですが、スカラベ会長は、既に亡くなっているのではと思います。」
「さすがこの商会のナンバー2ね。ほとんどお見通しってことね。話が早くていいわ。
ドラゴ男爵とのつながりの契約書が有るでしょ。
出してくれる。」
「畏まりました。少しお待ち下さい」
ベッキオは、二人の屈強な男を残して部屋を出て行った。
『襲って来るのかな』
『それは無いと思うわ』
『キャロは、あの人なんか恐い』
少しして、ベッキオは書類を手に戻ってきた。
「ベッキオさん、あなた、やけに素直に私たちに協力するけど、何か企んでるのかしら」
「いえいえ、滅相も有りません。
皆様のお陰で、私は当商会のトップになれるでしょう。
良からぬ依頼を持ち込むドラゴ男爵ともこれで手を切れるでしょう。
何より先程クレア様は、特別なスキルをお持ちなのに、私に命令ではなくて、『契約書を出してくれる』と依頼して下さいました。
今後は、スカラベ、改めベッキオ商会は、お三方のお力になれるよう従業員一同尽力いたします。」
「クレア、行こう。ドラゴ男爵の所へ。サマンドール辺境伯にまで繋がるかどうかわからないけど」
三人がドラゴ男爵邸に着くとそこは物々しい雰囲気だった。
守備隊が出入りを封鎖している。
「キャロ 分裂して、小鳥になって中の様子をうかがってきてくれ」
キャロが飛び出して10分
『ブルース、クレア
ドラゴ男爵が自殺した って騒いでるわよ』
『あ~~ 先を越されたわ』
『キャロ、できる範囲でいいから、本当に自殺かどうかだけ調べてみて』
『了解 ブルース』
「クレア、キャロ、ここはキャロの分身に任せて、もう一度スカラベ商会に行こう。
そして、クレアの『高飛車』で確認しないと」
「そうね、ドラゴの死に、ベッキオの関わりがあるかどうかよね。
それとも他の何かがあるのかも知れないわね。」
「キャロ 今度こそ僕らが狙われるかも知れない。周りの人を常に警戒してくれ」
「了解 ブルース」
「おや お早いお帰りで」
「ベッキオさん、今度は、命令として質問します。
嘘偽りを言ったら、気絶する程の頭痛を与えます」
「それは恐ろしいですね。
嘘は、商人の商売道具ですが、今は本当のことだけ話しましょう」
「あなたは、先程書類を取りに行った際 誰かと私たちの件で連絡を取る 又は誰かに何らかの指示を与えましたか。」
「いいえ」
「そうですか。
では、あなたは、誰かに見張られてると思いますか。」
「そうですね。
スカラベを見張っていた人物が、見張る対象を私に変えたかも知れませんね。
私自身としては、特に見張られてるとは、感じてませんが」
「ドラゴ男爵が死んだそうです。
自殺他殺どちらだと思いますか」
「えっ そうなんですか。
亡くなられましたか。
口封じですね。
自殺だとしても、誰かをかばう為もしくは、口封じの為に強要されたのかも知れませんね。
限りなく他殺に近い自殺と思います。」
「あなたにも、そうした魔の手が今後及ぶと思いますか」
「クレア様暗殺事件関連では、無いと、思います。
私の知ることは、既に洗いざらい話してますから。
しかしながら、私も商人ですので、いつか、どこかでだれかの恨みを買っているかも知れません」
「ドラゴ男爵を自殺させた、もしくは殺したのは、誰だと思いますか?」
「う~ん難しい質問ですね。
ドラゴ男爵が何故クレア様殺害をを狙ったのかから考えないといけませんね。
あの時点では、クレア様の婚約者は、リチャード様でしたよね。
クレア様のご聡明さを思うと、ローズウォール男爵家が力をつけると誰もが想像するでしょう。
それをよく思わないのは。」
「思わないのは」
「一番はドラゴ男爵自身です。
サマンドール領内でローズウォール男爵とはライバル関係ですから。
それから、当然サマンドール伯爵これは説明不要ですね。
最後にアイラ・モーリス伯爵令嬢」
「お姉様が、そんな あり得ません」
「クレア 感情的にならずに、彼の考えを聞こうよ。
ベッキオさん続けて」
「はい。クレア様が強力な武力を手に入れます。そうなるとサマンドール辺境伯の力をバックにモーリス伯爵家を手に入れることもできるかも知れません。
そうした力を持たせたくないと考える人は、アイラ様でしょうか。」
「そんなこと、お姉様に限ってあり得ません」
「そうですね。どのかたも全て私の想像でしか有りません。
分かりませんとお答えするのが正解でした。ハハハ」
ここでブルースが口を開いた
「これは命令ではなくて、あくまで僕が気になって聞くんですが、あなたはスカラベさんに次ぐナンバー2にどうやってなれたんでしょうか。
恩義が有るだろうスカラベさんが亡くなったことにたいして悲しそうに見えない点も気になります。」
「私は、戦争孤児です。
スカラベに『鑑定』スキルを見込まれて、引き取られ、彼の付き人として商売の勉強をしました。
彼の後を継ぐのは自分だと思い彼の期待に応え、結果を出して会長代行になるまで至りました。
確かにスカラベに恩義は有ります。しかしあの人のダーティーな部分をずっと否定的に思っていました。
彼は私を道具として扱い、私もまた彼を出世の道具として考えていました。
『皆様のお陰で、商会のトップになれます』と私は言いましたよね。これは本心です。」
あなたは、どこまで知っているのかしら」
「そうですね。
スカラベ会長がトンズラー一家に依頼した暗殺対象のあなたがここに居ると言うこと。
トンズラー一家と一緒に死亡したはずのキャロが生きてここに居ること。
そして、スカラベ会長に依頼を出した人物を探りにあなたがたはここにきた。
ここまでは、間違いないでしょうね。
ここからは推測ですが、スカラベ会長は、既に亡くなっているのではと思います。」
「さすがこの商会のナンバー2ね。ほとんどお見通しってことね。話が早くていいわ。
ドラゴ男爵とのつながりの契約書が有るでしょ。
出してくれる。」
「畏まりました。少しお待ち下さい」
ベッキオは、二人の屈強な男を残して部屋を出て行った。
『襲って来るのかな』
『それは無いと思うわ』
『キャロは、あの人なんか恐い』
少しして、ベッキオは書類を手に戻ってきた。
「ベッキオさん、あなた、やけに素直に私たちに協力するけど、何か企んでるのかしら」
「いえいえ、滅相も有りません。
皆様のお陰で、私は当商会のトップになれるでしょう。
良からぬ依頼を持ち込むドラゴ男爵ともこれで手を切れるでしょう。
何より先程クレア様は、特別なスキルをお持ちなのに、私に命令ではなくて、『契約書を出してくれる』と依頼して下さいました。
今後は、スカラベ、改めベッキオ商会は、お三方のお力になれるよう従業員一同尽力いたします。」
「クレア、行こう。ドラゴ男爵の所へ。サマンドール辺境伯にまで繋がるかどうかわからないけど」
三人がドラゴ男爵邸に着くとそこは物々しい雰囲気だった。
守備隊が出入りを封鎖している。
「キャロ 分裂して、小鳥になって中の様子をうかがってきてくれ」
キャロが飛び出して10分
『ブルース、クレア
ドラゴ男爵が自殺した って騒いでるわよ』
『あ~~ 先を越されたわ』
『キャロ、できる範囲でいいから、本当に自殺かどうかだけ調べてみて』
『了解 ブルース』
「クレア、キャロ、ここはキャロの分身に任せて、もう一度スカラベ商会に行こう。
そして、クレアの『高飛車』で確認しないと」
「そうね、ドラゴの死に、ベッキオの関わりがあるかどうかよね。
それとも他の何かがあるのかも知れないわね。」
「キャロ 今度こそ僕らが狙われるかも知れない。周りの人を常に警戒してくれ」
「了解 ブルース」
「おや お早いお帰りで」
「ベッキオさん、今度は、命令として質問します。
嘘偽りを言ったら、気絶する程の頭痛を与えます」
「それは恐ろしいですね。
嘘は、商人の商売道具ですが、今は本当のことだけ話しましょう」
「あなたは、先程書類を取りに行った際 誰かと私たちの件で連絡を取る 又は誰かに何らかの指示を与えましたか。」
「いいえ」
「そうですか。
では、あなたは、誰かに見張られてると思いますか。」
「そうですね。
スカラベを見張っていた人物が、見張る対象を私に変えたかも知れませんね。
私自身としては、特に見張られてるとは、感じてませんが」
「ドラゴ男爵が死んだそうです。
自殺他殺どちらだと思いますか」
「えっ そうなんですか。
亡くなられましたか。
口封じですね。
自殺だとしても、誰かをかばう為もしくは、口封じの為に強要されたのかも知れませんね。
限りなく他殺に近い自殺と思います。」
「あなたにも、そうした魔の手が今後及ぶと思いますか」
「クレア様暗殺事件関連では、無いと、思います。
私の知ることは、既に洗いざらい話してますから。
しかしながら、私も商人ですので、いつか、どこかでだれかの恨みを買っているかも知れません」
「ドラゴ男爵を自殺させた、もしくは殺したのは、誰だと思いますか?」
「う~ん難しい質問ですね。
ドラゴ男爵が何故クレア様殺害をを狙ったのかから考えないといけませんね。
あの時点では、クレア様の婚約者は、リチャード様でしたよね。
クレア様のご聡明さを思うと、ローズウォール男爵家が力をつけると誰もが想像するでしょう。
それをよく思わないのは。」
「思わないのは」
「一番はドラゴ男爵自身です。
サマンドール領内でローズウォール男爵とはライバル関係ですから。
それから、当然サマンドール伯爵これは説明不要ですね。
最後にアイラ・モーリス伯爵令嬢」
「お姉様が、そんな あり得ません」
「クレア 感情的にならずに、彼の考えを聞こうよ。
ベッキオさん続けて」
「はい。クレア様が強力な武力を手に入れます。そうなるとサマンドール辺境伯の力をバックにモーリス伯爵家を手に入れることもできるかも知れません。
そうした力を持たせたくないと考える人は、アイラ様でしょうか。」
「そんなこと、お姉様に限ってあり得ません」
「そうですね。どのかたも全て私の想像でしか有りません。
分かりませんとお答えするのが正解でした。ハハハ」
ここでブルースが口を開いた
「これは命令ではなくて、あくまで僕が気になって聞くんですが、あなたはスカラベさんに次ぐナンバー2にどうやってなれたんでしょうか。
恩義が有るだろうスカラベさんが亡くなったことにたいして悲しそうに見えない点も気になります。」
「私は、戦争孤児です。
スカラベに『鑑定』スキルを見込まれて、引き取られ、彼の付き人として商売の勉強をしました。
彼の後を継ぐのは自分だと思い彼の期待に応え、結果を出して会長代行になるまで至りました。
確かにスカラベに恩義は有ります。しかしあの人のダーティーな部分をずっと否定的に思っていました。
彼は私を道具として扱い、私もまた彼を出世の道具として考えていました。
『皆様のお陰で、商会のトップになれます』と私は言いましたよね。これは本心です。」
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