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第1章

キングミノタウロスの眼帯

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クリスとララ少しだけ長く感じられる位の時間をかけて唇を重ねた。

まだうぶな、唇を触れ合うだけのキスだったが二人にはそれで充分だった。

ミノタウロスたちは、魔石だけではなくドロップ品も落としていった。
当然だが「上ミノ2頭分と特上ミノ1頭分」だった。
ボス部屋の宝箱からは、「キングミノタウロスの眼帯が出てきた」

お約束の出口への魔法陣が表れたので、それに乗って、2人はダンジョンの外に出た。

瞬間移動で宿に移動して、手を繋いだままダダダっと階段を駆け下りる。

「ルーシーさん僕たち婚約しました」

ララが左手を顔の前に持ってきて指輪を見せる

「あら、そうなの。おめでとう。」

「冒険者ギルドでこれからパーティーするんで来て下さいね」

「ありがとう、呼ばれるわ」

クリスがララをお姫様抱っこすると、二人はパッっとルーシーの前から消えた。

「ワォ」


☆☆☆☆☆☆


「うわっ またお前らか、余り俺を驚かすなよ」
冒険者ギルドのギルドマスター室にクリスとララは瞬間移動した。

クリスは、優しくララを下ろす。

(マインさんマインさん。ギルドマスター室迄起こしください)

ララは婚約指輪をガルドに見せる。

「ぼくたち婚約したんです。」

「そうらしいな」

「素っ気ないですね~」
「祝ってくれてもいいじゃない」

「マインは呼んだのか」

「ええ呼びましたよ。ほらもう来ます」

「クリスさん ララさん お帰りなさい。
あっ指輪 素敵 婚約したんですね。
おめでとうございます。」

「「ありがとうございます」」

「で、他にも有るんだろ」

「ダンジョン『魔の森』のボスをクリアしました。」

「ほう ずいぶん早いことやったなあ」

「それで宝箱の中身がこれなんですよ」

クリスはキングミノタウロスの眼帯を取り出して見せた

「おっ これは凄いな。宝物でも滅多に出ないレアアイテムだぞ、1億いや2億以上の値が付く物だ」

「どうやって使うんですか。どんな効果があるんですか」

「おいおいクリス、やたらとグイグイくるなぁー
どんな効果があるかは、俺も知らねえ。
俺の聞いた話しでは、効果はその時々ランダムらしい。魔力が何倍にも増えたとか、召喚を覚えたとか、透視を覚えたやつもいる。
呪われるとかの悪い効果は、今の所聞いてない。
使い方は、眼帯なんだから、分かるだろ」

「だけどこれ頭が全部入りそうな大きさですよ」

「自動調整が付いてるんじゃねぇか、知らんけど」

「ねぇクリス、二人で頭くっつけてこれ巻いてみない」

「ちょっと待てお前ら。
そんな使い方聞いたことないぞ。
なにか有ったらどうするんだ。」

「何もなかったらつまらないですよ。」
「そうよ、私たちが初めて二人でこれを使った人になればいいのよ」

「マスター 思った程の効果は出ないかも知れませんが、二人に任せたらどうでしょう。」

「まあ、お前らが手に入れたアイテムだからな。好きにやって見ろ」

クリスとララは横並びになり、クリスが少し膝を曲げて、目の高さをララに合わせた。
ふたりの頭を包むようにマインが後ろで紐を縛った。
キングミノタウロスの眼帯が光る。
少しして光が消えるとクリスの左目ララの右目の瞳が赤色に変わった。

プチプチプチプチ

ララのブラウスのボタンが突然弾け飛んだ。

「ララさん胸」

「キャー」
マインの指摘で気づいたララが悲鳴をあげ手で胸を隠した。

ララの胸は、突然マインに負けない大きさに膨らんでいた。

「クリスさん ララさんに羽織るもの出してあげて」

クリスは、何を出していいか分からず着るものを色々と出した。

マインがその中から男物のたっぷりしたシャツを引っ張り出してララに着せた。

「ララさん、願い通りになったわね」
マインがララに耳打ちした。

「ふたりは、目の色とララの胸以外変わったことはないか」

「ぼくは、魔力視か使えるようになりました。
今までの探知が平面だったのが立体で見れます」

「私も魔力視と魔力自体が増えた感じがします」

「ララだけ色々能力が増えたようだがクリスは、それだけか」

(クリス、それ以上はあっても言わない方がいいと思うわ)

「その他はナイショです。ただ言えるのは、ぼくらはもしかすると人類最強になったかも知れません」

「ハハハハ、そりゃあいいぞ。ナイショで問題ない。実力はSSSランクってことだな。信じるぜ。俺も言ってみたかったよ。俺って最強ってな。
今日から二人ともAランクに昇格だ。一介のギルド長にできるのはここまでだ。
Hahaha」

「マスター ソロソロいいですよ」
マインがガルドに目配せした。

「ん そうか もう時間稼ぎは要らないようだ
ボス攻略して、こんなに早く帰って来るとは思わなくてな。
お前らの婚約披露パーティーの始まりだ」

ロビーにクリスとララが行くと盛大な拍手と声援で迎えられた。

「パチパチパチパチ」
「ヒューヒュー」
「おめでとう」

ギルド長のガルドが前に進み出た

「みんな聞いてくれ。クリスとララの婚約パーティーを始める前に知らせだ。
こいつら、たった二人でダンジョン『魔の森』のボスを倒しやがった。
それでお宝を開けたら、ララがこんなに色っぽいねぇちゃんになりやがった。
クリスにララを取られたくない奴は、今直ぐ出てきてララに告白しろ。」

ラズリー
ボズ
ゲイリー
そしてガルド迄も、ララの前に並んで跪いた。

「孤児院の頃から好きでした。その頃からクリスと仲がいいのが悔しくて、クリスをいじめてました。ごめんなさい。ララ幸せにします。
ぼくと結婚してください」
ラズリーが花束を差し出した。

「ぼぼくは、ラズリーより先にララが好きだったんだ。
ぼくと結婚して下さい。」
少しオドオドしながらボズが花束を差し出した。

「お前は、俺の膝を治し体の不調も治して俺を蘇らせてくれた。
俺はこの恩を一生かけてお前に返したい。
俺と結婚してくれ。」
ゲイリーが花束を差し出した。

「ララお前は、特別な冒険者だ。美しく強く優しい。俺はギルド長としても男としてもお前を離したくない。俺と結婚してくれ」
ガルドが花束を差し出した。

ララは少し前に進み出て
「皆さんどの方の告白も素敵でした。
でもダメ~
ララはクリスのお嫁さんになります。」
ララは誇らしげにクリスに貰った指輪をひけらかした。

ガルドが立ち上がった

「あと二つ知らせがあるぞ
1つ目
今からクリスとララはAランク冒険者だ。
だが俺の見立てではこいつらの実力はSSSだ。
頼るなら、俺よりこいつらだ ハハハハ
2つ目
今日のパーティーは、全部この二人持ちだ
野郎共飲み尽くせ、食い尽くせ
以上」

「わー」「オー」

宴会が始まった。
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