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第1章
やな奴ら
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「いいかぁー 足は肩幅より少し広めでつま先は外向きだ。」
「はい師匠」
「教えてくれてるじゃん。
ありがとう 師匠」
「ハハハ これは独り言だ
そして、軽く膝を曲げて中腰の姿勢だ。
違う。へっぴり腰になるな。
独り言だぞ。体幹を意識するんだ。
この基本姿勢からなら予備動作無しで前後左右に動ける。攻守共に大切なんだ。」
最初の1週間は、この基本姿勢だけだった。
初めの頃は立ってるだけなのに疲れた。
毎日やってる内にだんだんと楽になってきた。
「師匠 こんな立ってるだけで、強くなれるんですか」
「独り言だ。それだけで強くなれる訳無い。あたりまえだ。」
「じゃあ なんでこんなことばっかり やらすんですか」
「独り言だ。お前達の周りに直径1メートル位の円を描け。そして、そこから出るな。
俺はこれからストーンバレットをお前らにお見舞いする。全弾避けてみろ。」
次の瞬間ぼくはみぞおちに衝撃を受けてうずくまった。浅くしか息が吸えなくて苦しい。
朝食前で良かった。吐いたのは胃液だけだ
横ではララがぼくと同じように倒れていた。
「独り言だ。明日からは、訓練の最後にこれをやるからな。頑張って避けるんだな。
因みに今のは、お前らの弱弱な守備力も考えて石じゃなくて土だ。スピードも落としてるぞ。腹筋も鍛えろよ」
そうこうして、1年が経った。
クリスとララは10歳となった。
タケル師匠の放つ土のバレットもたまには避けたり払い落としたりできるようになった。
この日も泥だらけで朝の訓練を終えて二人は孤児院に戻ってきた所だった。
運悪くラズリーがゲイルとボズを従えてやって来た。
ラズリーは、クリスの2歳歳上の悪ガキで、ゲイルとボズも同じ歳だ。
もうじき今年の祝福の儀式の日が来る。
そしたら、ラズリーたちは孤児院から追い出される。
ことあるごとにクリスをいじめてくるラズリーたちが居なくなる日をクリスは心待ちにしていた。
「おいクリス、朝っぱらからララとおままごとか。
泥のパンでも食ってたんだろ。あードブ臭え」
クリスより頭一つ背の高いラズリーが、クリスの襟足を掴んで投げ飛ばした。
クリスは空中で1回転してスタッと綺麗に着地した。
「えっ てめぇ
クリスのくせに なにカッコつけてんだ」
ラズリーが掴みかかってきたが、クリスにはその動きがゆっくりに見える。
ラズリーが空振りしてたたらを踏んだ。
「てめぇ 避けてんじゃねぇ。
おい ゲイル ボズ コイツを抑えつけろ
ぶん殴ってやる」
動き出したゲイルの足をララがはらって、転ばせた。
「余計だったかな」
「いや 助かったよ」
殴りかかってきたボズのパンチもゆっくりに見えた。クリスはパンチを空振りしたボズの肩を少し押してやると、ボズもすっ転んだ。
「許さねぇぞ」
ラズリーが凄んでる所にメリージェーン院長がやって来た。
「あなたたち、何をしているの。
ラズリー歳下の子をいじめちゃあだめよ。
こんな泥だらけにして」
「シスター そうじゃないんです。
ラズリー兄さんたちが、ぼくとララに『受け身』のとり方を教えてくれてたんです。
だよね ララ」
「う うん そうよ
ラズリー ゲイル ボズ
ありがとう」
「あら そうなの ずいぶん大きな声が聞こえたけど」
「ま まぁそうだな。今日はこんな所にしといてやるよ。」
そう言ってラズリーたちはこっちをひと睨みしてから食堂の方に行った。
「あなたたちは、その泥だらけの服を着替えてからいらっしゃいな」
「「はーい」」
ララはぼくの方に向き直って、舌を出してふざけた顔をした。
(これテヘペロってやつか)
シスターを見送るとララがそばでこそっと
「ねぇ、あいつらの動き遅く思えなかった。」
「そうだね。全然当たる気がしなかった」
「でしょ でしょ 私たちもしかして強くなってるのかも」
「タケル師匠の訓練のお陰だね」
この日から僕たちは、より一層真面目に訓練をやるようになった。
そして2年目に入ると模擬戦がメニューに入った。
ララとの対戦成績は、五分五分だった。
ララはぼくよりちょっとスピードがある。
パワーはぼくの方が上だ。(男だもん当然だよね)
師匠手作りの木のショートソードを使っての模擬戦だ。
カンカンと打ち合う音があたりに響く。
鍔迫り合いから押し勝って、離れた瞬間に剣から片手を離してパンチを繰り出した。
もにゅんといった感触が手に伝わってきた。
「ララ ズリーな、胸にプロテクター付けてるだろ」
「バカクリス これは自前よ」
ララは、一気にギアをあげて
「クリスのバカバカ」
と叫びながら、凄い手数で打ち込んできた。
ぼくは防戦一方に追い込まれた。
(やばい やられる)
そう感じた瞬間にララの攻撃が止んだ。
ぼくはその隙にララの剣を弾き飛ばした。
「そこまで。独り言だ。」
「独り言だが、ララは決めきるだけの体力が足りない。クリスは、相手を怖がり過ぎだ。何発か、もっと早いタイミングで弾き飛ばせるのがあったぞ。魔物や盗賊相手にそれじゃあ死ぬぞ」
「わかりました 師匠 うグッ」
ララの膝蹴りがぼくの股間に入った。
「これでオアイコにしてあげるわ。」
うずくまってるぼくをフンスと仁王立ちでララは見下ろしている。
「そこまで って師匠が言ったのに~」
ぼくは涙目で訴えたが、師匠も知らんぷりしていた。
☆☆☆☆☆☆
クリスとララは、祝福の儀式を終えて院長のメリージェーンの引率で冒険者ギルドにやって来た。
ギルドに入るなり会いたくない奴と目があった。
「よう クリスとララじゃねえか。
ここは、泥んこ遊びをするところじゃねえぞ。」
ラズリーが居た。
「おや あなたはラズリーですね。
真面目に働いていますか」
「あ シスター 俺はEランクになったぜ
孤児院の時からの仲間のゲイルとボズでパーティを組んでるんだぜ。
今じゃゴブリンなんか魔法一発で倒せるぜ」
「そうですか、それは何よりです。くれぐれも命を大事にですよ。
後輩のこの子たちのことも宜しく頼みますよ」
「ああ 可愛がってやるよ。心配するなって」
クリスとララの登録の書類 身元保証人の欄に署名すると
「もう あなたたちに私からしてあげられる事は有りません。地に足をつけて生きて下さい。命を大事にですよ。」
そう言い残してメリージェーン院長は去っていった。
初めて冒険者になる者はFランクからスタートする。当然クリスたちもそうだ。
ぼくたちに対応してくれてるの美人の受付嬢の胸には「マイン」と名札が下がっている。
「新人さんには、当ギルド併設の宿舎に一ヶ月間無料で宿泊できます。
それ以降は、一泊3000Gとなります。
弱者救済の意味での施設ですので、なるべく早く稼げる冒険者となって退居して下さい。
宿泊できるのは最長でも1年間となってます。
次にクエストについてです。
通常クエストは、掲示板に張り出されています。そこから自分のランクに有ったクエストを選ぶことになりますが、新人さんは一ヶ月間は指定クエストしか受けられません。
新人用指定クエストは、『ゴミの収集』又は『どぶさらい』の2つです。」
明らかにララが嫌そうな顔をしている。
クリスはコソッとララに耳打ちした
「大丈夫だよララ。ぼくのスキルはマジックポーチだよ」
ララの顔色がパァっと明るくなった。
「『ゴミの収集』は1ユニット3000Gです。3ユニットもやれば安宿に泊まって多少の蓄えが出来ますよ。
『どふさらい』は1区画7000Gです。
2日で3区画を目標とするといいと思います。」
「『どぶさらい』にします。」
「えっ『ゴミの収集』の方が比較的楽ですよ
『どぶさらい』で本当にいいんですか」
「ええ、二人共『どぶさらい』で受けたいと思います。」
「わかりました。受理します。
この書類を持って、町の環境課に行ってください。この書類を見せたら、あとはそちらの指示に従って下さい。」
書類を貰って受付を離れると早速ラズリーが絡んできた。
「おう 泥だんごのクリスが、今度はどぶさらいのクリスか アハハハ」
ララがラズリーの前に進み出た。
「ラズリー兄さん。あなた達だって『どぶさらい』や『ごみの収集』を2年前にやったんでしょ。
『どぶさらい』だって立派な仕事よ。」
「ようようララちゃん
ずいぶん偉そうになったじゃん。
少し躾をしてやらなきゃいけないようだな
だよな ゲイル ボズ」
「「ですね~」」
ゲイルとボズがラズリーの両脇に来た。
クリスがララのそばに行こうと動くと
ララが片手を上げて、それを制した。
「ララっ」
クリスが、ララを心配して抗議するように言うと
「雑魚にクリスの手を煩わせるわけにはいかないわ」
ララはラズリーたちに対して腰を落として半身に構えてクイックイッっと手招きした。
「クリス お前女に守られて恥ずかしくないのかよ」
ララの隙の無い構えにラズリーは気圧されたようだ。
ララは構えを解いて
「因みにクリスは、私より強いわよ」
「うるせぇ女だ。黙らせてやる。」
ラズリーはララに殴りかかった。
ララは半身の構えを解いたが、中腰の自然体でいた。
ラズリーのパンチは当然空振りとなった上、ララの足払いで、ラズリーは派手にひっくり返った。
ゲイルとボズが掴み掛かる。
ララは逆にその手を掴んでひっぱりこむ。
体制が崩れた二人の首筋にララが手刀を落とすと、二人共崩れ落ちてうつ伏せに倒れた。
「ラズリー兄ちゃん 何ボケっとしてるのよ
この2人アンタの仲間でしょ
片付けてよね」
ララは仁王立ちでフンスってしている。
「はい師匠」
「教えてくれてるじゃん。
ありがとう 師匠」
「ハハハ これは独り言だ
そして、軽く膝を曲げて中腰の姿勢だ。
違う。へっぴり腰になるな。
独り言だぞ。体幹を意識するんだ。
この基本姿勢からなら予備動作無しで前後左右に動ける。攻守共に大切なんだ。」
最初の1週間は、この基本姿勢だけだった。
初めの頃は立ってるだけなのに疲れた。
毎日やってる内にだんだんと楽になってきた。
「師匠 こんな立ってるだけで、強くなれるんですか」
「独り言だ。それだけで強くなれる訳無い。あたりまえだ。」
「じゃあ なんでこんなことばっかり やらすんですか」
「独り言だ。お前達の周りに直径1メートル位の円を描け。そして、そこから出るな。
俺はこれからストーンバレットをお前らにお見舞いする。全弾避けてみろ。」
次の瞬間ぼくはみぞおちに衝撃を受けてうずくまった。浅くしか息が吸えなくて苦しい。
朝食前で良かった。吐いたのは胃液だけだ
横ではララがぼくと同じように倒れていた。
「独り言だ。明日からは、訓練の最後にこれをやるからな。頑張って避けるんだな。
因みに今のは、お前らの弱弱な守備力も考えて石じゃなくて土だ。スピードも落としてるぞ。腹筋も鍛えろよ」
そうこうして、1年が経った。
クリスとララは10歳となった。
タケル師匠の放つ土のバレットもたまには避けたり払い落としたりできるようになった。
この日も泥だらけで朝の訓練を終えて二人は孤児院に戻ってきた所だった。
運悪くラズリーがゲイルとボズを従えてやって来た。
ラズリーは、クリスの2歳歳上の悪ガキで、ゲイルとボズも同じ歳だ。
もうじき今年の祝福の儀式の日が来る。
そしたら、ラズリーたちは孤児院から追い出される。
ことあるごとにクリスをいじめてくるラズリーたちが居なくなる日をクリスは心待ちにしていた。
「おいクリス、朝っぱらからララとおままごとか。
泥のパンでも食ってたんだろ。あードブ臭え」
クリスより頭一つ背の高いラズリーが、クリスの襟足を掴んで投げ飛ばした。
クリスは空中で1回転してスタッと綺麗に着地した。
「えっ てめぇ
クリスのくせに なにカッコつけてんだ」
ラズリーが掴みかかってきたが、クリスにはその動きがゆっくりに見える。
ラズリーが空振りしてたたらを踏んだ。
「てめぇ 避けてんじゃねぇ。
おい ゲイル ボズ コイツを抑えつけろ
ぶん殴ってやる」
動き出したゲイルの足をララがはらって、転ばせた。
「余計だったかな」
「いや 助かったよ」
殴りかかってきたボズのパンチもゆっくりに見えた。クリスはパンチを空振りしたボズの肩を少し押してやると、ボズもすっ転んだ。
「許さねぇぞ」
ラズリーが凄んでる所にメリージェーン院長がやって来た。
「あなたたち、何をしているの。
ラズリー歳下の子をいじめちゃあだめよ。
こんな泥だらけにして」
「シスター そうじゃないんです。
ラズリー兄さんたちが、ぼくとララに『受け身』のとり方を教えてくれてたんです。
だよね ララ」
「う うん そうよ
ラズリー ゲイル ボズ
ありがとう」
「あら そうなの ずいぶん大きな声が聞こえたけど」
「ま まぁそうだな。今日はこんな所にしといてやるよ。」
そう言ってラズリーたちはこっちをひと睨みしてから食堂の方に行った。
「あなたたちは、その泥だらけの服を着替えてからいらっしゃいな」
「「はーい」」
ララはぼくの方に向き直って、舌を出してふざけた顔をした。
(これテヘペロってやつか)
シスターを見送るとララがそばでこそっと
「ねぇ、あいつらの動き遅く思えなかった。」
「そうだね。全然当たる気がしなかった」
「でしょ でしょ 私たちもしかして強くなってるのかも」
「タケル師匠の訓練のお陰だね」
この日から僕たちは、より一層真面目に訓練をやるようになった。
そして2年目に入ると模擬戦がメニューに入った。
ララとの対戦成績は、五分五分だった。
ララはぼくよりちょっとスピードがある。
パワーはぼくの方が上だ。(男だもん当然だよね)
師匠手作りの木のショートソードを使っての模擬戦だ。
カンカンと打ち合う音があたりに響く。
鍔迫り合いから押し勝って、離れた瞬間に剣から片手を離してパンチを繰り出した。
もにゅんといった感触が手に伝わってきた。
「ララ ズリーな、胸にプロテクター付けてるだろ」
「バカクリス これは自前よ」
ララは、一気にギアをあげて
「クリスのバカバカ」
と叫びながら、凄い手数で打ち込んできた。
ぼくは防戦一方に追い込まれた。
(やばい やられる)
そう感じた瞬間にララの攻撃が止んだ。
ぼくはその隙にララの剣を弾き飛ばした。
「そこまで。独り言だ。」
「独り言だが、ララは決めきるだけの体力が足りない。クリスは、相手を怖がり過ぎだ。何発か、もっと早いタイミングで弾き飛ばせるのがあったぞ。魔物や盗賊相手にそれじゃあ死ぬぞ」
「わかりました 師匠 うグッ」
ララの膝蹴りがぼくの股間に入った。
「これでオアイコにしてあげるわ。」
うずくまってるぼくをフンスと仁王立ちでララは見下ろしている。
「そこまで って師匠が言ったのに~」
ぼくは涙目で訴えたが、師匠も知らんぷりしていた。
☆☆☆☆☆☆
クリスとララは、祝福の儀式を終えて院長のメリージェーンの引率で冒険者ギルドにやって来た。
ギルドに入るなり会いたくない奴と目があった。
「よう クリスとララじゃねえか。
ここは、泥んこ遊びをするところじゃねえぞ。」
ラズリーが居た。
「おや あなたはラズリーですね。
真面目に働いていますか」
「あ シスター 俺はEランクになったぜ
孤児院の時からの仲間のゲイルとボズでパーティを組んでるんだぜ。
今じゃゴブリンなんか魔法一発で倒せるぜ」
「そうですか、それは何よりです。くれぐれも命を大事にですよ。
後輩のこの子たちのことも宜しく頼みますよ」
「ああ 可愛がってやるよ。心配するなって」
クリスとララの登録の書類 身元保証人の欄に署名すると
「もう あなたたちに私からしてあげられる事は有りません。地に足をつけて生きて下さい。命を大事にですよ。」
そう言い残してメリージェーン院長は去っていった。
初めて冒険者になる者はFランクからスタートする。当然クリスたちもそうだ。
ぼくたちに対応してくれてるの美人の受付嬢の胸には「マイン」と名札が下がっている。
「新人さんには、当ギルド併設の宿舎に一ヶ月間無料で宿泊できます。
それ以降は、一泊3000Gとなります。
弱者救済の意味での施設ですので、なるべく早く稼げる冒険者となって退居して下さい。
宿泊できるのは最長でも1年間となってます。
次にクエストについてです。
通常クエストは、掲示板に張り出されています。そこから自分のランクに有ったクエストを選ぶことになりますが、新人さんは一ヶ月間は指定クエストしか受けられません。
新人用指定クエストは、『ゴミの収集』又は『どぶさらい』の2つです。」
明らかにララが嫌そうな顔をしている。
クリスはコソッとララに耳打ちした
「大丈夫だよララ。ぼくのスキルはマジックポーチだよ」
ララの顔色がパァっと明るくなった。
「『ゴミの収集』は1ユニット3000Gです。3ユニットもやれば安宿に泊まって多少の蓄えが出来ますよ。
『どふさらい』は1区画7000Gです。
2日で3区画を目標とするといいと思います。」
「『どぶさらい』にします。」
「えっ『ゴミの収集』の方が比較的楽ですよ
『どぶさらい』で本当にいいんですか」
「ええ、二人共『どぶさらい』で受けたいと思います。」
「わかりました。受理します。
この書類を持って、町の環境課に行ってください。この書類を見せたら、あとはそちらの指示に従って下さい。」
書類を貰って受付を離れると早速ラズリーが絡んできた。
「おう 泥だんごのクリスが、今度はどぶさらいのクリスか アハハハ」
ララがラズリーの前に進み出た。
「ラズリー兄さん。あなた達だって『どぶさらい』や『ごみの収集』を2年前にやったんでしょ。
『どぶさらい』だって立派な仕事よ。」
「ようようララちゃん
ずいぶん偉そうになったじゃん。
少し躾をしてやらなきゃいけないようだな
だよな ゲイル ボズ」
「「ですね~」」
ゲイルとボズがラズリーの両脇に来た。
クリスがララのそばに行こうと動くと
ララが片手を上げて、それを制した。
「ララっ」
クリスが、ララを心配して抗議するように言うと
「雑魚にクリスの手を煩わせるわけにはいかないわ」
ララはラズリーたちに対して腰を落として半身に構えてクイックイッっと手招きした。
「クリス お前女に守られて恥ずかしくないのかよ」
ララの隙の無い構えにラズリーは気圧されたようだ。
ララは構えを解いて
「因みにクリスは、私より強いわよ」
「うるせぇ女だ。黙らせてやる。」
ラズリーはララに殴りかかった。
ララは半身の構えを解いたが、中腰の自然体でいた。
ラズリーのパンチは当然空振りとなった上、ララの足払いで、ラズリーは派手にひっくり返った。
ゲイルとボズが掴み掛かる。
ララは逆にその手を掴んでひっぱりこむ。
体制が崩れた二人の首筋にララが手刀を落とすと、二人共崩れ落ちてうつ伏せに倒れた。
「ラズリー兄ちゃん 何ボケっとしてるのよ
この2人アンタの仲間でしょ
片付けてよね」
ララは仁王立ちでフンスってしている。
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