上 下
8 / 57

朝イチの決闘

しおりを挟む
意外と人間こんな時でも寝れるもんだな。
昨日は、色んなことが有りすぎて、やはり疲れが出たのか。

日の出前 少しあたりが明るくなると小鳥が鳴き出して、目が覚めた

テントから顔を出すと、見張りもいなかった。
あたりは朝もやに包まれて、まだ少し肌寒い。
逃げ時なんだけど、逃げるなら、ミーナと夜のうちだったなぁ

テントの中でもう一度、戦いのシミュレーションを頭に描いた。
ライが常識はずれの強さだとすれば、ギャラリーの前で、本気を出さなくても簡単に勝てる所を見せようとするだろう。
その余裕と油断につけこむしか、勝目はない

「時間だ、出てこい」
虎の用な男に呼び出され、広場に連れ出された。

広場では、その回りを囲むように、獸人が集まっていた。

囲みを抜けると、真ん中には、腕組みをしているライの姿があった。
取り囲んでる中には、ライの三人の奥さんや、ミーナもいた。
ライは、若干目の下にクマが有るようだか、間違いなく、強者の風格がある。
ビビってる風をよそおいながら、東側に回り込んだ。

俺をテントに呼びに来た虎男が口をきった
「これより村長のライとここにいる人族ロイの決闘を行う。
どちらかが死ぬか、戦闘不能、若しくは、降参することにより、勝負を決する。
両者異議無ければ、これにて、始める」

真っ先にライが
「始めの合図のとたんに、降参とかされたらつまらんから、死ぬか、戦闘不能だけで良いだろう」

虎男
「それでよいか人族ロイ」

「力の差は明らかです。降参も出来ないなら、ハンデをいただきたい。」

ライ
「ハンデか 何でもいいぞ 今のお前では、弱すぎてつまらんからな 少しは俺を楽しませろよ」

「では遠慮なく、申します。
今私の着ておりますパジャマは魔法のパジャマです。これを用いて戦う事をお許し下さい。
それと、腰の回りを覆うものと、こん棒を装備させて下さい。」

「たったそれだけか? それで俺に勝てるとは思えんがな。剣とか槍とかでもいいぞ」

「パジャマを道具として使うと、私は素っ裸になってしまいます。回りにはご婦人方もいらっしゃるので、それでは失礼かと。
また私は、剣も槍も装備出来ません。

ライさんは、私との戦闘をどのくらいの時間で終らせるおつもりですか。
もしその時間を越えたら、降参も有りにしてもらえませんか」

「アハハハ 逃げきれると思うのか、一瞬だ 一瞬で俺の勝ちだ。
まぁそうだな、俺は優しい男だ。
もし3分経ってお前がまだここで立っていられたら。降参も条件にいれてやろう」

腰簑とこん棒が用意され、いよいよ決闘が始まる。ライの強さは、そのかもし出す威圧感だけでも、金縛りにあいそうだ。
とにかく、相手は絶対的自信を持ってるから、俺相手に油断があるはずだ、つけこむなら、そこしかないだろう。

広場の真ん中でやや離れて対峙した
虎男が「始め」の言葉とともに合図の手を上げた

ライが腰を沈める
俺はライの目の前にパジャマを出す
ライは中腰のままそれを振り払う
俺はライの動きに合わせ次次パジャマをライの目の前に出す
俺の姿はライからはこれで見えない。

始めの数枚は手で振り払っていたが、やがて暖簾を潜るようにして、ぐんぐんこちらに迫って来た。

これで準備は、完了だ
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

サフォネリアの咲く頃

水星直己
ファンタジー
物語の舞台は、大陸ができたばかりの古の時代。 人と人ではないものたちが存在する世界。 若い旅の剣士が出逢ったのは、赤い髪と瞳を持つ『天使』。 それは天使にあるまじき災いの色だった…。 ※ 一般的なファンタジーの世界に独自要素を追加した世界観です。PG-12推奨。若干R-15も? ※pixivにも同時掲載中。作品に関するイラストもそちらで投稿しています。  https://www.pixiv.net/users/50469933

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

闇ガチャ、異世界を席巻する

白井木蓮
ファンタジー
異世界に転移してしまった……どうせなら今までとは違う人生を送ってみようと思う。 寿司が好きだから寿司職人にでもなってみようか。 いや、せっかく剣と魔法の世界に来たんだ。 リアルガチャ屋でもやってみるか。 ガチャの商品は武器、防具、そして…………。  ※小説家になろうでも投稿しております。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

モニターに応募したら、系外惑星に来てしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。

津嶋朋靖(つしまともやす)
SF
近未来、物体の原子レベルまでの三次元構造を読みとるスキャナーが開発された。 とある企業で、そのスキャナーを使って人間の三次元データを集めるプロジェクトがスタートする。 主人公、北村海斗は、高額の報酬につられてデータを取るモニターに応募した。 スキャナーの中に入れられた海斗は、いつの間にか眠ってしまう。 そして、目が覚めた時、彼は見知らぬ世界にいたのだ。 いったい、寝ている間に何が起きたのか? 彼の前に現れたメイド姿のアンドロイドから、驚愕の事実を聞かされる。 ここは、二百年後の太陽系外の地球類似惑星。 そして、海斗は海斗であって海斗ではない。 二百年前にスキャナーで読み取られたデータを元に、三次元プリンターで作られたコピー人間だったのだ。 この惑星で生きていかざるを得なくなった海斗は、次第にこの惑星での争いに巻き込まれていく。 (この作品は小説家になろうとマグネットにも投稿してます)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生貴族の魔石魔法~魔法のスキルが無いので家を追い出されました

月城 夕実
ファンタジー
僕はトワ・ウィンザー15歳の異世界転生者だ。貴族に生まれたけど、魔力無しの為家を出ることになった。家を出た僕は呪いを解呪出来ないか探すことにした。解呪出来れば魔法が使えるようになるからだ。町でウェンディを助け、共に行動をしていく。ひょんなことから魔石を手に入れて魔法が使えるようになったのだが・・。

処理中です...