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ムー大陸

主役は誰よ!

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まったく!
前世なら、ヨシヒコはまだ小6だよ、私は高2
なんであいつは、そんなこと、しちゃってるのよ。

前世と都合56年、守り通したつもりはない
どうして、隣の部屋からの音に悩まされなきゃいけないのよ。

宿屋の娘に宿泊代と食事もただにすると懇願されて、3泊したが、寝不足がつらいので、船旅についた。

「あんた、誰とでもいいの?」

「モニカとは、旅が終わるまでしないって誓ったからなぁ
宿屋の娘は、いい娘だったよ」

「計算まこちゃんって知ってる?」

「モニカのこと?」

「バカ!」

ヨシヒコは、ウヒヒって感じの細い目をして返した。


「あんたら、乗るんなら早くしてくれ。明るい内に向こうに着かなきゃならないからな」

私たちが船に乗り込むと、すぐに船は出港した。
二人の風魔法使いが帆をはらませている。

港を出て4日後
突然船が襲われた

「クラーケンが出たぞ!」

私は水竜を作って、対峙させた。
このまま引き下がると思ったが、船を底から破壊してきた。

「もう駄目だ、沈没するぞ!」
クルーが次々海に飛び込む。

中には泳ぎが苦手なのか、マストにしがみついている者もいる。

ヨシヒコは海に落ちた人を次々と救命ボートに運んでる。

私は急ぎ救命ボートをもう1隻作った。

「ヨシヒコ、そっちはお願い」

ヨシヒコは、若い娘をお姫様抱っこして運んでいるところだった。

オイオ~イ わたしゃ化け物の相手だよ。要領がいいよね~

私はクラーケンを追って海に入った。
水属性魔法使いなめるなよ!
海底近くにヤツはいた。

「コンパウンド」

私はクラーケンの体の中に大量の空気を作り出した。

クラーケンは体がパンパン
で身動きすらできずに、自然と浮き上がっていった。

海上では、ヨシヒコが娘といい雰囲気だ。
私はそんなこと構わずに。

「ヨシヒコ!じゃまして悪いけど、仕事して!あんたの好きな 魔力の塊 持って来たから」

そこにいた全員がクラーケンを見て驚いたようだ。

「ちょっとごめんね」
ヨシヒコは娘の手を振りほどいて、クラーケンへと向かい、クラーケンの膨れ上がった胴に触れて魔力を吸収しだした。

その時、クラーケンの触手から何かが打ち出され、ヨシヒコを貫いた。

ヨシヒコは、微笑みを娘の方に向けたまま海に落ちていった。

「キャー ヨシヒコ様ぁ~」と娘は叫んでいる

ヨシヒコは、クラーケンの毒針に刺されていた。
針は貫通して残っていないようだ。
私は即座に「アナライズ」で状態を確認して、「コンパウンド」で修復してやり、回復魔法をかけてやった。

「娘にかまけて、油断するからよ!
ちゃんと最後迄仕事しなさい!もう」

私はクラーケンの触手どうしを結んで、動けないようにした。

ヨシヒコが海上に表れると、拍手が起きた。
例の娘は胸の前で手を組んで祈るようにして、こちらを見ている。

ヨシヒコが魔力を吸い尽くす少し前に、私は十本の牙を回収してバッグに入れた。
クラーケンの体は、陶器のようになり、それから無数の細かいひびが入り、「核」を残して砕け散った。
私が「核」を壊しに行こうとした時には、既にヨシヒコが剣を抜き「核」を破壊した。

救命ボートから、拍手喝采が起きた。

ヨシヒコが、救命ボートに降り立つと、娘がヨシヒコの胸に飛び込んだ。
二人がキスをして、再び拍手喝采が起きた。

私は?こんなに頑張った私は?
私が救命ボートに降りると、鬚面の小太りのおじさんか「あんたもよく頑張ったよ」とねぎらいの言葉をくれた。

「私にも、イケメンの王子様、下さい。」
つい心の声が出てしまった。

おじさんは、驚いた顔をして、私を見ていた。
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