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第四章
留学生
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今日は、初めての授業だ
マヌエラとリンの案内で、私とリタは職員室に着いた。
「また後でね~」と二人とは別れ、教師からガイダンスをうける。
「さて、ソロソロ行きましょうか」
担当教師のサルヴァ先生がそう言うと、始業ベルが鳴った。
サルヴァ先生の後について教室に入ると、そこは五十人位のクラスだろうか、ガヤガヤしている。
私たちを見て一瞬静かになり、またガヤガヤしている。
そこには、マヌエラやリンそれにアホ四天王の男子もいた。
「本日よりこの魔術師クラスに二人の女子が隣国からの留学生として参加する。
フウリン、リタ 自己紹介を」
サルヴァ先生に促されて教壇に立った。
「フウリンです。冒険者ランクはSSでレベルは1230。魔法属性は風ですよろしく」
「リタです。冒険者ランクはSでレベルは600、魔法属性は水です。よろしくおねがいします」
あいつらヤバいぞ
先生より強いじゃないか
そんな声がアチコチから聞こえて来る。
アホ四天王の一人フィリップが立ち上がった
「そんなに強いなら、アカデミーで学ぶ必要無いだろう。
自慢しにきたのかよ、それともスパイか?自分の国に帰れよ」
「そうだ そうだ 帰れ!帰れ!」
仲間のアホが勢いづいた。
サルヴァ先生が、教室の中央に進み出た。
そしてアホ四天王に視線を送りながら話し始めた。
「確かに、この二人は、戦いになったら、私を含めてこの中の誰よりも強いでしょう。
それなのになぜこのアカデミーの門をくぐったのだと思いますか?」
「この国の戦力を調査するスパイで、戦争を仕掛ける為だよ、きっと」
マルボロが私たちを睨みながら言った。
「そうかしら、マルボロ、君がレベル1230で、SSランクだったら、戦争を仕掛ける相手国のアカデミーに入る?
簡単に叩き潰せる相手を、入念に調べるの?」
「でも、何か魂胆があって……」
「魂胆?騙すって意味かしら?
あなたは、どんな魂胆でこのアカデミーに入ったの?」
「ぼくは、ここで勉強して、近衛魔法師団に入りたいと思ってます。」
「それじゃあ、フウリンさん、あなたはどうかしら?」
「我が国にはこうした魔法を学べるアカデミーは、有りません。共に学び、仲間と呼べる人を作りたいです。
戦闘以外にも、色々と魔法は有ると思います。
まだまだ私は、未熟です。もっと広い知識を身に着けたいと思います。
そしてここで学んだことを活かし、人々の役にたてれば嬉しいです。
そして、我が国とこの国の平和への架け橋となれれば幸いです。」
「リタさんは?」
「私は、フウリンがこのアカデミーに入るって聞いて、面白そうと思ったんです。
友だちたくさん作りたいなぁ~って思います。
あと、ボーイフレンドも欲しいかも……」
「男子たちには、この二人を追い返したい人が居るみたいだけど、そんな事をしたら、国と国が険悪な関係になると思わない?
彼女たちの気持に応えて、仲良く勉強する方が、二国間にとってもいいことじゃないかしら?」
「私は、フウリンとルームメイトになれて嬉しいです。
空を飛ぶ魔法を教えてもらう約束をしました。」
マヌエラ、援護射撃ありがとう。
「私も、リタとルームメイトになれて嬉しいです。
彼女は念話とか色々と教えてくれるって言ってくれました」
リンも続いて発言した。
「そう、マヌエラもリンもいい友達が出来たわね。
でも、あなたたちだけ教わったら、またヤキモチ焼く人がいるかもね。それじゃあ困るでしょ。
今日は、フウリンさんに皆で飛び方を教わるのはどうかしら?
賛成の人~」
アホ四天王以外は皆即座に手を挙げた。
それを見て、シブシブ、彼らも手を挙げた。
「全員賛成ね。このクラス全員が二人を歓迎ね。」
マヌエラとリンが駆け寄ってきた。すると、堰を切ったように他の女子もやって来て、手を繋いだり、自己紹介をしたりした。
ひと通りの騒ぎが収まった頃
「それじゃあ、ここからはフウリンさんが先生ね、私も、学生の一人よ。」
サルヴァ先生も、生徒の席についた。
「初日から先生役は、おこがましいと思いますが、つとめさせていただきます。
わかりにくかったら、どんどん質問して下さい。
よろしくおねがいします。」
「まず、皆さんペンをお持ちでしょう。
それを浮かばせてみましょう」
「それが出来れば苦労しないよ!」
アホ四天王のケントが声をあげた。
するとマヌエラが
「こうよ」とペンを浮かせて飛び回らせてみせた
「おまえ、どうやって!」
「あんたにおまえ呼ばわりされたくないわ!アホケン!」
「うっ! マヌエラ、ごめん。教えて下さい」
「最初から、そう言えばいいのよ。 わかったぁ!」
「で、どうやるんだよ」
「どうしようかなぁ~やっぱり教えない!」
「なんだよ!もったいぶっておいて、そりゃあないよ」
マヌエラとケントは、意外と仲が良いのかも。
マヌエラ以外にもペンを浮かせてる者もいるが、大体は風魔法で浮かせてる。
「注目して下さい。風魔法で浮かせるのは駄目ですよ。
まずは、どうやっているのかから。
攻撃を防ぐのに結界を作りますよね。
この結界でペンを包みます。
それから、その結界をペンごと動かすことで、ペンを動かすんです。
追加ヒントです。
マヌエラに教えたときは、彼女の得意な土魔法から始めました。
自分が魔法で作り出した小石を的にぶつける要領で、浮かせたい物を小石だと思うようにイメージしてもらいました。」
「あっ 出来たわ!」
サルヴァ先生がすぐにペンを動かして浮かせた。
しばらくすると、次々と成功する者が増えてアチコチから
「ヤッター」とか「ヨシ」
とかの声が聞こえた。
「この先の飛ぶ為の練習は、少しずつ浮かす物を重くしていって、最終的には自分の周りに結界を張って飛ぶんです。
ここで、必ず注意して欲しいことがあります。」
「飛んでる最中に魔力切れをおこしたらどうなると思いますか。
そうです、結界も無い状態で墜落します。
落雷、突風、鳥との事故、何らかの攻撃を受けた場合も考えてください。
飛ぶことは、常に墜落の危険と隣合わせだと思って下さい。
そして飛ぶ時は、二人以上のパーティーで飛んで下さい。」
「キャー」
マヌエラが悲鳴をあげてしゃがみ込んだ。
ペンが、マヌエラのスカートの中から飛び出してきた。
「ケント!許さないから~」
「へへへ マヌエラは赤パンツ~」
ここから二人の鬼ごっこが始まり、アチコチでスカートめくりが始まった。
ー リタ 浮かんで、セクシーポーズして ー
リタはふわりと浮かび上がり、ヨガのようでいて、セクシーなポーズを次々として見せた。
リタの肢体に注目が集まり、教室は一部を除き静かになった。
マヌエラがケントに馬乗りになって、グーパンチを浴びせている。
ケントは結界を張って対抗し、ダメージは見た目と違い無いようだ。
ー リタ、ありがとう、もういいわ ー
リタが降り立つのと入れ替わりに、私は、マヌエラとケントの二人を結界で包んで浮かび上がらせた。
マヌエラはその状況に気づくと、殴るのをやめて、手で顔を覆った。
私は、二人をゆっくりと降ろした。
「ケントの バカァ~~」
マヌエラは教室から飛び出して行った。
ケントは起き上がって後頭を気恥ずかしそうに掻いている。
「サッサと追わんかぁ~」
サルヴァ先生の蹴りがケントの尻に決まった。
マヌエラとリンの案内で、私とリタは職員室に着いた。
「また後でね~」と二人とは別れ、教師からガイダンスをうける。
「さて、ソロソロ行きましょうか」
担当教師のサルヴァ先生がそう言うと、始業ベルが鳴った。
サルヴァ先生の後について教室に入ると、そこは五十人位のクラスだろうか、ガヤガヤしている。
私たちを見て一瞬静かになり、またガヤガヤしている。
そこには、マヌエラやリンそれにアホ四天王の男子もいた。
「本日よりこの魔術師クラスに二人の女子が隣国からの留学生として参加する。
フウリン、リタ 自己紹介を」
サルヴァ先生に促されて教壇に立った。
「フウリンです。冒険者ランクはSSでレベルは1230。魔法属性は風ですよろしく」
「リタです。冒険者ランクはSでレベルは600、魔法属性は水です。よろしくおねがいします」
あいつらヤバいぞ
先生より強いじゃないか
そんな声がアチコチから聞こえて来る。
アホ四天王の一人フィリップが立ち上がった
「そんなに強いなら、アカデミーで学ぶ必要無いだろう。
自慢しにきたのかよ、それともスパイか?自分の国に帰れよ」
「そうだ そうだ 帰れ!帰れ!」
仲間のアホが勢いづいた。
サルヴァ先生が、教室の中央に進み出た。
そしてアホ四天王に視線を送りながら話し始めた。
「確かに、この二人は、戦いになったら、私を含めてこの中の誰よりも強いでしょう。
それなのになぜこのアカデミーの門をくぐったのだと思いますか?」
「この国の戦力を調査するスパイで、戦争を仕掛ける為だよ、きっと」
マルボロが私たちを睨みながら言った。
「そうかしら、マルボロ、君がレベル1230で、SSランクだったら、戦争を仕掛ける相手国のアカデミーに入る?
簡単に叩き潰せる相手を、入念に調べるの?」
「でも、何か魂胆があって……」
「魂胆?騙すって意味かしら?
あなたは、どんな魂胆でこのアカデミーに入ったの?」
「ぼくは、ここで勉強して、近衛魔法師団に入りたいと思ってます。」
「それじゃあ、フウリンさん、あなたはどうかしら?」
「我が国にはこうした魔法を学べるアカデミーは、有りません。共に学び、仲間と呼べる人を作りたいです。
戦闘以外にも、色々と魔法は有ると思います。
まだまだ私は、未熟です。もっと広い知識を身に着けたいと思います。
そしてここで学んだことを活かし、人々の役にたてれば嬉しいです。
そして、我が国とこの国の平和への架け橋となれれば幸いです。」
「リタさんは?」
「私は、フウリンがこのアカデミーに入るって聞いて、面白そうと思ったんです。
友だちたくさん作りたいなぁ~って思います。
あと、ボーイフレンドも欲しいかも……」
「男子たちには、この二人を追い返したい人が居るみたいだけど、そんな事をしたら、国と国が険悪な関係になると思わない?
彼女たちの気持に応えて、仲良く勉強する方が、二国間にとってもいいことじゃないかしら?」
「私は、フウリンとルームメイトになれて嬉しいです。
空を飛ぶ魔法を教えてもらう約束をしました。」
マヌエラ、援護射撃ありがとう。
「私も、リタとルームメイトになれて嬉しいです。
彼女は念話とか色々と教えてくれるって言ってくれました」
リンも続いて発言した。
「そう、マヌエラもリンもいい友達が出来たわね。
でも、あなたたちだけ教わったら、またヤキモチ焼く人がいるかもね。それじゃあ困るでしょ。
今日は、フウリンさんに皆で飛び方を教わるのはどうかしら?
賛成の人~」
アホ四天王以外は皆即座に手を挙げた。
それを見て、シブシブ、彼らも手を挙げた。
「全員賛成ね。このクラス全員が二人を歓迎ね。」
マヌエラとリンが駆け寄ってきた。すると、堰を切ったように他の女子もやって来て、手を繋いだり、自己紹介をしたりした。
ひと通りの騒ぎが収まった頃
「それじゃあ、ここからはフウリンさんが先生ね、私も、学生の一人よ。」
サルヴァ先生も、生徒の席についた。
「初日から先生役は、おこがましいと思いますが、つとめさせていただきます。
わかりにくかったら、どんどん質問して下さい。
よろしくおねがいします。」
「まず、皆さんペンをお持ちでしょう。
それを浮かばせてみましょう」
「それが出来れば苦労しないよ!」
アホ四天王のケントが声をあげた。
するとマヌエラが
「こうよ」とペンを浮かせて飛び回らせてみせた
「おまえ、どうやって!」
「あんたにおまえ呼ばわりされたくないわ!アホケン!」
「うっ! マヌエラ、ごめん。教えて下さい」
「最初から、そう言えばいいのよ。 わかったぁ!」
「で、どうやるんだよ」
「どうしようかなぁ~やっぱり教えない!」
「なんだよ!もったいぶっておいて、そりゃあないよ」
マヌエラとケントは、意外と仲が良いのかも。
マヌエラ以外にもペンを浮かせてる者もいるが、大体は風魔法で浮かせてる。
「注目して下さい。風魔法で浮かせるのは駄目ですよ。
まずは、どうやっているのかから。
攻撃を防ぐのに結界を作りますよね。
この結界でペンを包みます。
それから、その結界をペンごと動かすことで、ペンを動かすんです。
追加ヒントです。
マヌエラに教えたときは、彼女の得意な土魔法から始めました。
自分が魔法で作り出した小石を的にぶつける要領で、浮かせたい物を小石だと思うようにイメージしてもらいました。」
「あっ 出来たわ!」
サルヴァ先生がすぐにペンを動かして浮かせた。
しばらくすると、次々と成功する者が増えてアチコチから
「ヤッター」とか「ヨシ」
とかの声が聞こえた。
「この先の飛ぶ為の練習は、少しずつ浮かす物を重くしていって、最終的には自分の周りに結界を張って飛ぶんです。
ここで、必ず注意して欲しいことがあります。」
「飛んでる最中に魔力切れをおこしたらどうなると思いますか。
そうです、結界も無い状態で墜落します。
落雷、突風、鳥との事故、何らかの攻撃を受けた場合も考えてください。
飛ぶことは、常に墜落の危険と隣合わせだと思って下さい。
そして飛ぶ時は、二人以上のパーティーで飛んで下さい。」
「キャー」
マヌエラが悲鳴をあげてしゃがみ込んだ。
ペンが、マヌエラのスカートの中から飛び出してきた。
「ケント!許さないから~」
「へへへ マヌエラは赤パンツ~」
ここから二人の鬼ごっこが始まり、アチコチでスカートめくりが始まった。
ー リタ 浮かんで、セクシーポーズして ー
リタはふわりと浮かび上がり、ヨガのようでいて、セクシーなポーズを次々として見せた。
リタの肢体に注目が集まり、教室は一部を除き静かになった。
マヌエラがケントに馬乗りになって、グーパンチを浴びせている。
ケントは結界を張って対抗し、ダメージは見た目と違い無いようだ。
ー リタ、ありがとう、もういいわ ー
リタが降り立つのと入れ替わりに、私は、マヌエラとケントの二人を結界で包んで浮かび上がらせた。
マヌエラはその状況に気づくと、殴るのをやめて、手で顔を覆った。
私は、二人をゆっくりと降ろした。
「ケントの バカァ~~」
マヌエラは教室から飛び出して行った。
ケントは起き上がって後頭を気恥ずかしそうに掻いている。
「サッサと追わんかぁ~」
サルヴァ先生の蹴りがケントの尻に決まった。
応援ありがとうございます!
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