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第四章
魔力と魔力
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「やっとだな、モスキート よくやった。お前の死は無駄にしないよ」
「旦那様、いちいち蚊如きに礼などもったいないです。
それで、この姫をどうされるおつもりですか」
「クロウ、お前は、冷たい奴だなぁ。このモスキートのお陰で、フウリン姫が手に入ったのだぞ。
さて、姫は客用の寝室に運んでおけ、それと姫が泊まる予定だった宿には、こちらにお泊めすると伝えておくのだ」
うっ 頭が痛い。
ここは、どこだろう?
たしか昨日、ドラクロワ伯爵の屋敷に来て、ワインを飲んで、帰ろうとした時 蚊に刺されて、蚊を潰した所で倒れたんだわ。
ここは、伯爵の屋敷ね。
魔力で頭痛を取り去った。
部屋は豪奢な造りだ、天蓋付ベッドから抜け出して、二重のカーテンを開けると、明るい日差しが飛び込んできた。
窓を開け放ち、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
その時、自分の中から何かが語りかけてきた。
ー お目覚めかな、フウリン姫
昨夜は連れ回して済まない。ー
ー ドラクロワ伯爵、何故あなたの声が頭の中で?ー
念話のことを知らないふりをしておいた方が、いいと思った。
倒れて寝ている間に何かされた様子はないみたいだけど、何故繋がりが?
自分自身を魔力チェックすると、これまで感じた事の無い魔力が体の中に流ている。
これね これが昨日蚊に刺された時に入ったのね。
偶然蚊を媒介して繋がったのか故意か。
念話を使ってきた点を考えると故意の可能性が高いわね。
その時、ドアがノックされ、メイドさんが入って来た。
「朝食のご用意が出来ております。旦那様がお待ちです。身支度が出来ましたらご案内致します。」
着替えながら、伯爵の魔力を取り込もうとすると、一瞬抵抗にあった。
「おとなしくなさい!もう逃さない。支配者は私よ。」
魔力を増幅して力づくで吸収した。
やっぱりね。
取り込んだ魔力から伯爵の記憶の断片を見た。
蚊は、伯爵が使役していて、伯爵の血液を私に密かに注入したのね。
執事のクロウも曲者のようね。
血液=魔力 を注入する事で、私を支配する意図がありありね。
つまり、ドラクロワ伯爵は吸血鬼でビンゴね。
「では、まいりましょう」
メイドさんに促されて、部屋を出た。
「お待たせいたしました」
「フウリン姫、おかげんはいかがですか?」
「昨夜は倒れてしまってご迷惑をおかけしました。
もう大丈夫です。一晩ゆっくり休んで、今は体調万全です。
それより先程頭の中にドラクロワ伯爵の声が聞こえました。
とても不思議なんですけど?」
「顔色も良さそうだ。よかった。
頭の中に声が聞こえたのは、念話って言って、私と姫の意識が繋がって、会話が出来るようになるんだよ」
「どうして意識が繋がったのかしら?」
「不思議に思うだろうが、私の屋敷に泊まるとそうなる人がよくいるんだ。姫も、もしかしてと思って、朝話しかけてみたんだ。
驚かせてすまなかったな」
ー 伯爵、聞こえます?ー
試しに私から念話を送ってみる
ー 聞こえますよ。ハッキリと ー
ー こうすると、他の人には聞かれずに、話ができますね ー
ー そうですな。二人で内緒話するにはいいですね ー
ー 私が昨夜倒れてから、今朝起きるまでに、私の身になにがあったか教えてください ー
ー あなたが倒れたので、執事のクロウに客室に運ばせて、メイドに寝間着に着替えさせて寝かすように命じたのだが。
何か? ー
ー ダンスでも私を取り合うようにして、わざわざお屋敷に連れ込んで、お酒を飲んで、たくさんお喋りもしたのに、私には女としての魅力は感じませんでしたか ー
ー いやいや、これは失礼した。寝ている女性に手を出すのは、紳士として恥ずべきと思って ー
ー あら、かなり強引に連れて来られた気がしましたが、最後に弱気になるのですね ー
ー ほう、そう言われては、プレイボーイの名折れですね。食事の後私の部屋に来ませんか?ー
ー お誘いありがとうございます。でも、お断りしますわ。
私は簡単じゃないの、ごめんなさい ー
ー 私をからかうつもりか。そうはいかないよ ー
食事が終わり、紅茶を飲んでいると、私の中で、伯爵の魔力が私を支配してくる。
私は、相手に併せて様子を見ることにした。
勝手に体が動く、席を立ち、伯爵が差出す手に私の手が重なる。
ー 面白いですわね。勝手に体が動きます ー
ー もう君は、私の物だ!ー
ー やっと私を抱く気になりましたか ー
ー いや、魔力を流し込んでわかった。君の血は…
「旦那様、いちいち蚊如きに礼などもったいないです。
それで、この姫をどうされるおつもりですか」
「クロウ、お前は、冷たい奴だなぁ。このモスキートのお陰で、フウリン姫が手に入ったのだぞ。
さて、姫は客用の寝室に運んでおけ、それと姫が泊まる予定だった宿には、こちらにお泊めすると伝えておくのだ」
うっ 頭が痛い。
ここは、どこだろう?
たしか昨日、ドラクロワ伯爵の屋敷に来て、ワインを飲んで、帰ろうとした時 蚊に刺されて、蚊を潰した所で倒れたんだわ。
ここは、伯爵の屋敷ね。
魔力で頭痛を取り去った。
部屋は豪奢な造りだ、天蓋付ベッドから抜け出して、二重のカーテンを開けると、明るい日差しが飛び込んできた。
窓を開け放ち、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
その時、自分の中から何かが語りかけてきた。
ー お目覚めかな、フウリン姫
昨夜は連れ回して済まない。ー
ー ドラクロワ伯爵、何故あなたの声が頭の中で?ー
念話のことを知らないふりをしておいた方が、いいと思った。
倒れて寝ている間に何かされた様子はないみたいだけど、何故繋がりが?
自分自身を魔力チェックすると、これまで感じた事の無い魔力が体の中に流ている。
これね これが昨日蚊に刺された時に入ったのね。
偶然蚊を媒介して繋がったのか故意か。
念話を使ってきた点を考えると故意の可能性が高いわね。
その時、ドアがノックされ、メイドさんが入って来た。
「朝食のご用意が出来ております。旦那様がお待ちです。身支度が出来ましたらご案内致します。」
着替えながら、伯爵の魔力を取り込もうとすると、一瞬抵抗にあった。
「おとなしくなさい!もう逃さない。支配者は私よ。」
魔力を増幅して力づくで吸収した。
やっぱりね。
取り込んだ魔力から伯爵の記憶の断片を見た。
蚊は、伯爵が使役していて、伯爵の血液を私に密かに注入したのね。
執事のクロウも曲者のようね。
血液=魔力 を注入する事で、私を支配する意図がありありね。
つまり、ドラクロワ伯爵は吸血鬼でビンゴね。
「では、まいりましょう」
メイドさんに促されて、部屋を出た。
「お待たせいたしました」
「フウリン姫、おかげんはいかがですか?」
「昨夜は倒れてしまってご迷惑をおかけしました。
もう大丈夫です。一晩ゆっくり休んで、今は体調万全です。
それより先程頭の中にドラクロワ伯爵の声が聞こえました。
とても不思議なんですけど?」
「顔色も良さそうだ。よかった。
頭の中に声が聞こえたのは、念話って言って、私と姫の意識が繋がって、会話が出来るようになるんだよ」
「どうして意識が繋がったのかしら?」
「不思議に思うだろうが、私の屋敷に泊まるとそうなる人がよくいるんだ。姫も、もしかしてと思って、朝話しかけてみたんだ。
驚かせてすまなかったな」
ー 伯爵、聞こえます?ー
試しに私から念話を送ってみる
ー 聞こえますよ。ハッキリと ー
ー こうすると、他の人には聞かれずに、話ができますね ー
ー そうですな。二人で内緒話するにはいいですね ー
ー 私が昨夜倒れてから、今朝起きるまでに、私の身になにがあったか教えてください ー
ー あなたが倒れたので、執事のクロウに客室に運ばせて、メイドに寝間着に着替えさせて寝かすように命じたのだが。
何か? ー
ー ダンスでも私を取り合うようにして、わざわざお屋敷に連れ込んで、お酒を飲んで、たくさんお喋りもしたのに、私には女としての魅力は感じませんでしたか ー
ー いやいや、これは失礼した。寝ている女性に手を出すのは、紳士として恥ずべきと思って ー
ー あら、かなり強引に連れて来られた気がしましたが、最後に弱気になるのですね ー
ー ほう、そう言われては、プレイボーイの名折れですね。食事の後私の部屋に来ませんか?ー
ー お誘いありがとうございます。でも、お断りしますわ。
私は簡単じゃないの、ごめんなさい ー
ー 私をからかうつもりか。そうはいかないよ ー
食事が終わり、紅茶を飲んでいると、私の中で、伯爵の魔力が私を支配してくる。
私は、相手に併せて様子を見ることにした。
勝手に体が動く、席を立ち、伯爵が差出す手に私の手が重なる。
ー 面白いですわね。勝手に体が動きます ー
ー もう君は、私の物だ!ー
ー やっと私を抱く気になりましたか ー
ー いや、魔力を流し込んでわかった。君の血は…
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