魔法使いフウリン

烏帽子 博

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第二章

マリア

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「ヒューリ 私 フウリンよ。元気だった?」

「淋しかったぜ、君の肌が恋しかったよ」

「今日は一緒に食事したいと思って早めに来たんだけど、食事これからでしょ」

「ああ、これからだけど、何か作ってくれるのかい?」

「出来てる料理並べるだけで、ここでは作らないけど、それでもいいかしら」

「もちろんいいさ。一人での食事より何倍も旨いに決まってるよ」

「ねぇヒューリ、あなた私たちと一緒に冒険者やらない?」

「冒険者?あのダンジョンで魔物狩りしたりする?
俺は今の生活で満足してるからいいよ、今のままで」

「そう。無理には誘わないわ。それじゃあ、ここでの仕事が終わる迄のお付き合いね。私たち」

「いつ頃までかかるんだ、その仕事は」

「ユニコーン狩りをするのよ
いつまでかかるかわからないわ」

「それなら、まだまだ楽しめそうだ」

その時、ゲルの入口が開いた

「ヒューリ、食事持ってきたわ あっ!お客様だったの、ごめんなさい」

「えっ あーそう 私の方こそ邪魔者だったみたいね。ごめんなさい」

「まあちょっと待とうよ二人とも。
落ち着いて3人で食事しようよ?

義姉さん、こちらは冒険者のフウリンさん、この前の吹雪の時に泊めてあげた礼に来てくれたんだよ。

フウリンさん、彼女は俺の兄貴の嫁さんのマリア。男ヤモメの俺のことを時々食事とかの面倒をみてもらってるんだ」

「泊めてあげたんだ」
義姉は私をチラッと疑い深く見た

「食事とか ねぇ」
私も義姉を見返した。


「一緒に冒険者にならないかって彼を誘ったんですけど、あっさりと先程振られた所です。」


「あら、そうなの?
ヒューリ、あなた こんな所でくすぶっているより。可愛い女の子の誘いに乗った方がいいんじゃないの
私のことは気にしなくていいわよ」

「義姉さん、俺は今のままでいいんだ」

「フウリンさん、聞いて下さい。
この人の兄さんが、私の亭主だったんだけど、ワイバーンに殺されちゃったの。
それで、この人私のことを気にかけてくれてるの。
でも、私は、ヒューリに私のことなんかを気にせずに自由に生きて欲しいと思っているのよ」

「ヒューリと再婚されてはいかがですか?
女の感ですが、二人は出来てますよね」

「私はヒューリを縛り付けたくないの」

「フウリンさん、あなたもヒューリと寝たんでしょ。私の感も当たるのよ。
彼を広い世界に連れ出してあげてくれないかしら」


「それじゃあどう?二人とも冒険者にならない?それでパーティー組むのよ」

「フウリンさん。面白い人ね。私は戦いとかしたことのないわよ」

「私のパーティーには弟子のリタっていう女の子が居ます。彼女も最近迄戦いなんか知らない娘でしたが、今ではかなりの強さです。鍛錬すれば、ちゃんと強くなれますよ」

「へえー 私でも?」

「訓練は、キツイですよ」

「やってみようかな、男に頼らなくても生きて行けるのよね」

「ちょっと~二人とも!
俺のことをおいてけぼりにして、勝手に話進めてるけど」

「だってヒューリ、私がやるなら、あなたもやるわよね。私がやらなければ、あなたもやらないつもりなのよね。
つまり、私次第でしょ」

「うっ そうくるか義姉さん」

「ヒューリは、私とシェアする事になってもいい?」

「いいわよ、独り占めは無しで。
それでフウリンさん、あなたのことは、師匠って呼べばいいの」

「そこは仲間なので、フウリンと呼び捨てでお願いします」

「私たちの先輩のお弟子さんが、居るのよね」

「今夜は、一人で留守番させてます。ちょっと依頼心の強い甘えん坊ですが、戦闘力は保証します」

「それじゃあ決まりね。やりましょう冒険者!」

「マリア本当にいいのか?死ぬかも知れない危険な職業だぞ」

「私がやるって決めたの。一緒よねヒューリ」

「わかった、俺もやるよ、冒険者」

「それじゃあ、お祝いね。私お酒取ってくる」

マリアは楽しそうにゲルから出て行った。
マリアが酒を持ってきて、3人で宴会を始めた。
私は、サキュバスであることからユニコーン討伐までいろんな話を二人にした。





「そう。そうなら、今夜のヒューリはフウリンに預けるわ。
サキュバスも大変なのね。
私も後家になってからうずいてしまう時が有るけど、それが常になんて……辛いわね
ヒューリ! たっぷりフウリンにあげるのよ。
じゃ、またあした」

「マリア、悪いわね。私遠慮しないから、素直に好意は受け取るわ。おやすみ」

やはりヒューリは上手だった、マリアに鍛えられたんだろう。
マリアに感謝しなくちゃ。
私は、3度絶頂に登りつめ、その全てを吸収した。

魔力が満ちてゆく心地良さで、ヒューリの腕の中で眠りにつこうとしていると

バーン!バチバチバチ

大きな衝撃音で目が覚めた。

「みんな逃げろ~」

「キヤー」
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