魔法使いフウリン

烏帽子 博

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第二章

ヒューリの逆襲

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私は、探知スキルで近くに町や村が無いか探してみた。
すると西の方角に、集落を発見した。

「リタ とにかく、3日以内には一旦戻るからね。一人でも頑張るのよ。」

「やっぱ 寂しいですぅ~」

「そう言わないの!あなた強いんだから」
きりがないので、そう言い残して、飛びたった。

結界を纏って、体温調節しながらも、超スピードで移動したので、集落には直ぐに着いた。

集落はゲルで出来ている、移動生活をしているひとたちのようだ。
その日は、猛吹雪で外には誰も居ない。皆ゲルの中に、籠もって居るようだ。
探知で探ってみると集落の端のゲルは、男性が一人でいるようなので、そこを訪ねることにした。

ドア部分をノックして声を掛けた「すみません、助けて下さい」
結界と体温調節をオフにして、体に雪が積もり、まつ毛も凍った状態にした。

ドアが一瞬開き、男の人と目が合った途端に

「雪女!」

男は驚いた顔をして、即座にドアを閉めた。

「違うわ。お願い。助けて!」
私は、ドアの前に倒れ込んだ。

まあ、魅惑を使えば簡単に落とせるけど、スキル無しで惚れさせたい為に演出している。

諦めた方がいいかなぁと思い始めた頃、ドアが開いた。
「本当に雪女じゃないのか?」

「中に、入れて!寒くて死んじゃう。」

「入れ!」

私は、転がり込むように中に入った。
「わぶぶぶぶ」凍えて、まともに喋れない。

彼のゲルでは、真ん中で焚き火が熾きている。
「火のそばに寄ってろ。今、湯を用意するから」

「ご親切にありがとう。生き返ります。私は、フウリンと言う名前で、魔法が多少使えます。」

「ここへは、何しに来た?」

「氷のユリを探しに仲間と来ました。でも私もう嫌になって、逃げ出してきちゃったんです。それから、少し時間が経って冷静になって仲間の所に戻ろうと思い直したんですけど、今度は吹雪で、それでここをたまたま見つけて、こうしてきたんです」

フフ 我ながらよくまあ口からでまかせを

「そうか、あんたの仲間は今頃心配してるかもな」

「そうですね、たぶん心配してくれてると思います。
天気が回復したら、探しに行きます。一人で心細く思っているでしょうから
それまでの間ここに居てもいいですか?」

「男の独り住まいの家だぞ。女がそこに」

「身体の中から、暖めてくれたら、私は、嬉しいけど。
それで喜んでくれるなら。」

彼は、お湯の入ったコップを私の手から取り上げて、私を抱き上げた。

「いいんだな」

私は、目をつぶってうなずいた。

男臭い簡素なベッドで、私は、2度絶頂を迎えた。
全てを魔力に取り込み、久しぶりに充足感を得られた。

「あー 良かった。
そういえば、あなたの名前聞いてなかったわね。教えてくれる。」

「ヒューリだよ。お前フウリンだっけ?」

「そうよ、覚えててくれたんだ。嬉しい。」

「お前の話、いくつか嘘が混じってるだろ。
本当のことを言えよ」

「女の嘘は、アクセサリーよ。それを暴くのは野暮ってもんよ。」

「よし、じゃあ自分から白状したくなるようにさせてやるよ。」

「拷問する気?」

「いやいや、その逆」

「えっ また?」

「好きだろ」

今まで体験したことのないテクニックで、どんどん身体が、熱くトロケていった。
私が3度目の絶頂を迎えようとした時に、彼の動きが止まった。

「で?本当のこと教えろよ。」

「今ここでやめる気?この中途半端で!」

「嘘つきに生殺しの刑だよ」

「あなたは平気なの、ここで止められるの?」

「もちろん、もう十分満足したし」

「ひどい手口ね。これも拷問よ。わかりました。私の負けを認めるわ。
全部本当のこと言うから、お願い!最後まで逝かせて!」


「よしそれじゃあ、お望み通りにしますよ」


私は、大満足の3回目を迎えた

「明日本当のこと話すから、このまま休ませて」

私はヒューリの腕の中で、余韻に浸りながら眠りについた。
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