魔法使いフウリン

烏帽子 博

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第二章

リタの成長

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次の日からは、練習メニューに剣舞が加わった。
受けの型、攻めの型 基本だけで、それぞれ48パターンある
一つ一つの型は簡単そうに見えても、実際は決まりが多く複雑だ。
体幹、目線、力の配分に始まり、頭のてっぺんから、つま先まで、チェックが入る。

「はい、それじゃあ、今覚えた型で、受けて見て
基本の形から、上段からの受けの型ね」

ビアンカはそう言うと、打ち込んできた。
ー 実践で使う為に覚えさせてるんだからね、人前で踊って見せる為じゃないからね ー

ビアンカが少しギアを上げると、受けの型が崩れてしまう。
その度に念話で指摘される。

ー ビアンカ、念話で話されると型に集中出来ないから、言葉で話してくれない ー

ー 型は集中しないと出来ないようじゃあ駄目なのよ、呼吸をするように、無意識で使えるようになってこそ、実践で使えるのよ。ー

こうして、昼間は剣舞と魔力での物体コントロール、夜はビアンカの見学で半年が過ぎた。






「フウリンはさあ 毎夜アタシがシてるところ見学してるけど、ヤりたくならないの?」

「なりますよ」

「じゃあすればいいじゃん」

「いいんですか?」

「あなたが変に操を立ててるのかと思ってたから、刺激してたのよ。私は見られて燃えるタイプじゃないから、あなたがいてもいなくても大丈夫よ」

「そうだったんですか?色んな体位やプレイの勉強かと」

「それで、勉強になったの?」

「はい、イメージトレーニングは、バッチリと」

「それじゃあ、今夜から実践ね。でもいい よく聞いて、気持ちよくなるためじゃないから、精を、逃さず取り込むのが目的だからね。
後で私に増えた魔力の一部を送り込んでね
私が、やってるように、全ての感覚付で」

「わかりました。そのようにやります。」

「剣舞の方だけど…
悪いけど、あなたよりリタの方が筋がいいわね」

「やっぱり、そうですか」

「リタ フウリンと稽古しなさい」

「フウリン 身体強化はもちろん無しでね」


「それじゃあ、始め!」

リタが、ビビってるのが伝わってくる。
そりゃそうだ。私が、何人もの男たちを倒すところを、見てるんだから。

でも今は、魔力を使わないでの稽古だ。

リタからは仕掛けてこない

私は、一つフェイントをかけてから、打ち込んだ。
リタは、それを難なく受け流した。
私が少し体勢を崩すと、見透かしたようにリタの、剣が振り下ろされてきた。
私は、転がるように逃げて、距離をとった。

アブなかった。
素人だと思って舐めちゃいけないわね。

一息つく間もなく、リタは弧を描くように剣をつきだしてくる。

一つ受けると、流れるように次が来る、そしてまた続け様に剣が迫ってくる

私は、防戦一方に追い込まれた。

私もリタの剣を、はじくのではなく、受け流してみた。
リタは、一瞬 ハッとした顔をしたが、そのまま軌道を変えて、剣を繰り出してきた。

私は、剣先に勢いを逃がすのではなく、剣の根本で受けるように剣を、滑らせた。
そして、その流れのままに、膝蹴りをリタのみぞおちに決めた。

「勝負あり」

「リタ!ゴメンネ」私はリタに回復魔法をかけた。

「剣技では、リタのほうが上ね、だけど実践経験の差が勝負を決めたわね。
リタ 疲れてる所悪いけど、続けて私と勝負するのよ。
フウリンは、よく見て勉強しなさい。」

二人の勝負は、剣舞のように見えた、華麗に舞いながら、剣が繰り出される。

途中からビアンカがペースを上げた、リタはついていくのが大変そうだ
やがて、自然と勝負がついた。

「ビアンカ様、私感動しました。ありがとうございました。」

「リタ 上達したわね、この調子でがんばって。
さて、そろそろ町で、男が待ってる頃ね。フウリン、あなたそっちも解禁よ」

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