14 / 69
第一章
光の剣聖
しおりを挟む
ジンは、母の魔力を頼りに走った。
お母さんいったいどこまで行っちゃったんだろう。
ここの所、念話の呼びかけにもちっとも出てくれない。
フウリンが居たから、これまで寂しくなかったけど、一人でこうして走ってると、寂しさでいっぱいになった。
一瞬母の魔力を強く感じた。
このタイミングを逃す訳には行かない。
ー お母さん、大事な話が有るんだ、聞いてよ ー
ー ジン! あ~ いやぁー だめぇー やめないで
ジン!ゴメンネ 又ね ー
伝えたいことが、全然聞いてもらえないで、念話は切れた。
やっぱり、会いに行くしかないか。
母が気づきやすい用にたまに、魔力をあげながら、昼も夜も走り続けた。
かなり近づいた時になって
ー ジン どうしたの?お母さんを追いかけちゃダメって、伝えたわよね ー
ー ぼく、結婚するんだ ー
ー お母さんはダメよ、親子だから ー
ー そうじゃなくて、フウリンって名前の女の子だよ、一緒に冒険者になって、パーティー組んでる子で、その子と結婚するんだ ー
ー お前本気?私はそんな真面目な男に育てた覚えは無いんだけどね。てっきり今頃は能力使ってハーレム作って浮かれてるかと思ってたのに ー
ー 会って話をしようよ ー
ー わかったわ、もう近くね、待ってる ー
久しぶりに会う母は、前と変わらずに綺麗だ。
「ジン、さっきは突然でよくわかってなかったんだけど、彼女の名前なんて言うんだっけ」
「フウリンだよ」
「出身はどこ?」
「ポッキーの町だって言ってた、彼女そこで世話になった人に今挨拶に行ってるんだ」
「あなた、その子とはもう深い関係なの」
「魔力は渡したりしたけど、まだ……」
「エッチはまだね」
「なんでそんなこと聞くの?」
「アタシがサキュバスだからよ」
「お母さんは、ぼくと離れてから何してたの?」
「何人か昔のボーイフレンドたちと会って廻って、先月位から、ここヤマト国の皇帝と付き合ってるのよ。
ところで、その子私に似てる?」
ぼくはフウリンを思い描いて、そのイメージを母に転送した。
「ヘェ~ 可愛い子ね。自然と私に似た感じの子があなたは好きになったわけ?」
「お母さんとは違うよ」
「私の事はちゃんと言った」
「光の剣聖ビアンカまでは言ってあるよ」
「それじゃあ、だめじゃない。その様子だと、父親のことも伝えてないでしょ」
「うん だって~言いにくい」
「全く! それじゃ、直ぐその子に私が会った方が良さそうね
ちょっと待ってて、彼にことわってくるから。一緒に会いに行くわよ」
ー フウリン 聞こえる?僕だよ ジンだ! ー
ー ジン! お母さんとは会えたの? ー
ー 君に会いに行くって ー
ー えっ いつ? ここに来るの? ー
ー 君が今いる場所でも、トッポの町でも、どこでもいいよ ー
ー それじゃあ、この町に来てくれる。私が動くよりその方が早いでしょ ー
私は、ジンのお母さんに会うことになった。
ポッキーの町でも上等な宿屋に部屋を取り、そこで待つことにした。
「はじめまして、フウリンと言います。よろしくお願いします」
ジンのお母さんは光の剣聖、勇者と共に魔王を倒した人のはず。なのにここにいるジンのお母さんは、余りに若く、しかも美しい。まだ二十代にしか見えなかった。
「ビアンカよ。フウリンさん。いきなりで悪いけど、あなたのご両親のお名前を聞かせてくれる。」
「父はヒデ、母はロザンナですが」
「やっぱり!」
「あなた達、結婚しないほうが、いいわ。」
「母さん、何を急に言いだすんだよ」
「だって、あなたたち兄妹よ」
「えっ」
「どうゆうこと」
「フウリンさん、あなたの魔力を少しでいいから、私に流し込んで」
私はジンのお母さんと手を繋いで魔力を送り込んだ。
「フウリン、ごめんなさい。間違い無いわ、あなたも私が産んだ子どもなのよ」
私はなにがなんだかわからなかった。
「でも、私にはちゃんとした両親が居ました」
「私は生涯あなたの親だなんて、名のるつもりはなかった。でも、事情が事情だけに、本当のことを言わなきゃいけないと思ったのよ」
お母さんいったいどこまで行っちゃったんだろう。
ここの所、念話の呼びかけにもちっとも出てくれない。
フウリンが居たから、これまで寂しくなかったけど、一人でこうして走ってると、寂しさでいっぱいになった。
一瞬母の魔力を強く感じた。
このタイミングを逃す訳には行かない。
ー お母さん、大事な話が有るんだ、聞いてよ ー
ー ジン! あ~ いやぁー だめぇー やめないで
ジン!ゴメンネ 又ね ー
伝えたいことが、全然聞いてもらえないで、念話は切れた。
やっぱり、会いに行くしかないか。
母が気づきやすい用にたまに、魔力をあげながら、昼も夜も走り続けた。
かなり近づいた時になって
ー ジン どうしたの?お母さんを追いかけちゃダメって、伝えたわよね ー
ー ぼく、結婚するんだ ー
ー お母さんはダメよ、親子だから ー
ー そうじゃなくて、フウリンって名前の女の子だよ、一緒に冒険者になって、パーティー組んでる子で、その子と結婚するんだ ー
ー お前本気?私はそんな真面目な男に育てた覚えは無いんだけどね。てっきり今頃は能力使ってハーレム作って浮かれてるかと思ってたのに ー
ー 会って話をしようよ ー
ー わかったわ、もう近くね、待ってる ー
久しぶりに会う母は、前と変わらずに綺麗だ。
「ジン、さっきは突然でよくわかってなかったんだけど、彼女の名前なんて言うんだっけ」
「フウリンだよ」
「出身はどこ?」
「ポッキーの町だって言ってた、彼女そこで世話になった人に今挨拶に行ってるんだ」
「あなた、その子とはもう深い関係なの」
「魔力は渡したりしたけど、まだ……」
「エッチはまだね」
「なんでそんなこと聞くの?」
「アタシがサキュバスだからよ」
「お母さんは、ぼくと離れてから何してたの?」
「何人か昔のボーイフレンドたちと会って廻って、先月位から、ここヤマト国の皇帝と付き合ってるのよ。
ところで、その子私に似てる?」
ぼくはフウリンを思い描いて、そのイメージを母に転送した。
「ヘェ~ 可愛い子ね。自然と私に似た感じの子があなたは好きになったわけ?」
「お母さんとは違うよ」
「私の事はちゃんと言った」
「光の剣聖ビアンカまでは言ってあるよ」
「それじゃあ、だめじゃない。その様子だと、父親のことも伝えてないでしょ」
「うん だって~言いにくい」
「全く! それじゃ、直ぐその子に私が会った方が良さそうね
ちょっと待ってて、彼にことわってくるから。一緒に会いに行くわよ」
ー フウリン 聞こえる?僕だよ ジンだ! ー
ー ジン! お母さんとは会えたの? ー
ー 君に会いに行くって ー
ー えっ いつ? ここに来るの? ー
ー 君が今いる場所でも、トッポの町でも、どこでもいいよ ー
ー それじゃあ、この町に来てくれる。私が動くよりその方が早いでしょ ー
私は、ジンのお母さんに会うことになった。
ポッキーの町でも上等な宿屋に部屋を取り、そこで待つことにした。
「はじめまして、フウリンと言います。よろしくお願いします」
ジンのお母さんは光の剣聖、勇者と共に魔王を倒した人のはず。なのにここにいるジンのお母さんは、余りに若く、しかも美しい。まだ二十代にしか見えなかった。
「ビアンカよ。フウリンさん。いきなりで悪いけど、あなたのご両親のお名前を聞かせてくれる。」
「父はヒデ、母はロザンナですが」
「やっぱり!」
「あなた達、結婚しないほうが、いいわ。」
「母さん、何を急に言いだすんだよ」
「だって、あなたたち兄妹よ」
「えっ」
「どうゆうこと」
「フウリンさん、あなたの魔力を少しでいいから、私に流し込んで」
私はジンのお母さんと手を繋いで魔力を送り込んだ。
「フウリン、ごめんなさい。間違い無いわ、あなたも私が産んだ子どもなのよ」
私はなにがなんだかわからなかった。
「でも、私にはちゃんとした両親が居ました」
「私は生涯あなたの親だなんて、名のるつもりはなかった。でも、事情が事情だけに、本当のことを言わなきゃいけないと思ったのよ」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる