魔法使いフウリン

烏帽子 博

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第一章

人さらい

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窓から外を見ると、馬に乗った男が5人と馬車が1台だ。

私は部屋の真中のテーブルにもたれかかって、ドアが開くのを待った。

ドアが開くなり、入って来た男が
「なんだお前は?ここで何してる?」

「なんだはないでしょ、ひとのことさらって来といて。
私はさらわれて、ここに連れてこられたのよ。
これで答えになってる?」

「お前をここに連れてきた男たちはどうした」

「男だった人は、皆さん縛られてるわよ」

「どちらがショーンさんかしら」

「お嬢ちゃん、随分なめた……」

話の途中で悪いが、ショーン以外は、みんな寝てもらった。

「なんて女だ、みんなやっちまって」
ショーンは、手のひらを私に向けて、ブツブツ呪文を言ってる

「待ってあげてるんだけど!
まだァ それ!」

「喰らえ 魔炎弾」

私は素手で打ち返した

「あばばばば 熱い」

「何してるのよ、自分の撃った魔法で、何時までも焼かれてないでよ。全く、ザコね」

「お許しを」
「もう遅い! フウリン ビンタ!」

「リタ マリ ジュリ こっち来てこいつら、そっちの男たちと同じ処理して。」

三人の娘は、もう慣れた手つきで、男たちを処理して行く。

「おい、なにが知りたい、欲しい物があるとか、何とか言えよ、問答無用で切り取るのかよ」

「嫌がる女を無理やり汚した男とその仲間は、無理やりああされるのよ。
で、あなたは、誰とつるんでこんなことしてるのよ。」

「商人のケントさんだよ」

「他には」

「それだけだよ。頼むよ切り落とさないでくれよ」

「それじゃあ、両目を見えなくするか、両手を無くすかに変えてあげましょうか?
そんなもん無くたっていいんじゃない。どうせろくな使い方しないんだし」

「頼むよ~」ショーンは情けなく小声で言った

「女子たち 私この人連れて、警備隊まで行ってくるから、待ってて」

「ハーイ フウリンさん」

ショーンを掴んで空に舞い上がった

「あわわわわ 助けてくれ~」

「直ぐ着くから、暴れないの、落としちゃうでしょ」

警備隊の詰所に空から降りてくと、門番の人が驚いた顔して見てる。

「すみません、誘拐犯捕まえたので、連れてきました。こいつの仲間もあと十人位捕まえて、有りますから、こちらで面倒見てください」

「少々お待ちを、上の者に聞いてきます。」


「誘拐犯一味が、誘拐した娘に一網打尽か こりゃ愉快だ
私はここの警備隊長のベンだ
アンタは」

「私はフウリンです。それでこの男の話だと、商人のケントさんが依頼人だそうです。
私は以前、ケントさんの所でメイドとして働いてました。
今回薬を飲まされて眠らされて、この人たちの仲間にさらわれたんです。
目が覚めてから、他にさらわれてきた女の子と協力して、この男たちを捕まえたんです。」

「フウリンさん、ありがとう。コイツは以前から手配書きが回ってる奴だ。
コイツを牢に放り込んで来るからちょっと待っててくれ」
警備隊長のベンはそう言うと、ショーンを引っ張って行った。

隊長なら部下にショーンを牢に連れてくよう命令するはずじゃないかしら?
ちょっと不自然に思ったので、魔力で聴覚を研ぎ澄ました。

「おいショーン、お前としたことが、どうしたんだ?」

「あのフウリンとか言う娘、とんでもない化物ですよ。俺の魔炎弾を簡単に、打ち返すし、仲間の5人は1秒で倒されたんです。その上ここまで、俺を掴んで空を飛んできたんですよ」

「俺とあの娘と、どっちが強いと思う?」

「残念ですが娘の方だと思います。すきをつけば、勝てるかも知れませんけど」

「そうか、今日までご苦労」

「ギャっ」


「おい お前、ショーンが逃げようとしたから、切り捨てた、片付けてこい!」

「フウリンさんだっけ。すまんそう言うわけで、証人が居なくなってしまった。ケントさんは捕まえられんかもな」

「ここの警備隊にマトモな人は居ないんですか?

おいショーン、お前としたことがどうしたんだ
俺とあの娘とどっちが強いと思う
そうか今日まで、ご苦労

そんな声が聞こえたんですけど!」

「隊長! もう止めましょう
ぼくは、もうあなたの部下ではいたくない!この人の言う通り、ケントはこの町のガンですよ。」

おやっ? マトモな人居るじゃない!

ベン隊長は、今発言した部下に斬りかかった。
が、一瞬早く私は隊長の両手を切り落した。

「兵隊さん、他にも斬っておいた方がいい悪人居るかしら?」

「いいえ。みな嫌でも従ってたと思います。」

「あらぁ~ また左右の手間違えてくっつけちゃった。でも、これでいいわね。
テヘペロ」

「で、兵隊さん ここで、隊長さんの次に偉いのは、誰かしら?」

「若輩ですが、私、ソーハが副長です。」

「兵隊さんが副長さんだったんだ
ソーハさん、よろしくお願いします。フウリンです。」

「私は、これからはどうすれば?」

「正義を行使すればいいわ。
アジトの悪人とケント商人の確保、元隊長ベンの処罰、ケントの息のかかった悪人の調査と確保。販売及び仕入ルートの調査。3人の娘の保護。今回以前にさらわれた娘たちの、調査と救出とか、もろもろ
がんばってね」

「あのー フウリンさんは、これからは?」

「私はトッポの町に戻りたいんだけど、3日位なら、この町に居てもいいわよ。」
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