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第一章
再会
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結婚式は1ヶ月後に挙げることにした。
一週間以内に戻る約束をして、それぞれ旅にでた。
私は風魔法で飛び上がった。
ここの所駆けだしてばかりだったので、空を飛ぶのが新鮮な気がした。
飛ぶのは気持ちいい
夕方には、懐かしい場所に着いた。
理由はともかく、逃げ出したんだから、最初はお詫びね。
玄関に出てきたメイドさんは、私の顔を見てびっくりしている
「そのせつは、大変お世話になりました。
ご無沙汰してすみません。
旦那さんとロジャーさんにお会いしたいんですが」
「今更何しにきたのよ。あなたが居なくなって大変だったんだから。」
そりゃそうだろう。売り飛ばす予定の娘が逃げだしちゃったんだから。
「申し訳有りません。ご迷惑おかけしました。
取り次いではいただけませんか?お願いします。」
メイドさんは、ブツブツ何か言いながら、私を応接間に通してくれた。
しばらくして、ケントさんが、来た。
「フウリンか?心配してたんだぞ、元気そうでよかった。」
何か拍子抜けした。
ロジャーがバタバタと走って来た。
私の顔を見るなり。手を広げてハグしようとした。
私はそれを拒絶するように、頭を下げた。
「ご無沙汰してました。こちらの皆さんの御恩は忘れていません。本当にありがとうございました。後ろ足で砂を掛けるように逃げ出してすみませんでした。どうかお許しください。」
「それで、急に戻って来て、何かあったのかな」
「はい 私、結婚することになりました。相手は同じ冒険者でジンという人です。お世話になった方々にちゃんとご報告しなければと、ご挨拶に来ました」
「そうなんだ。おめでとう。実はぼくも婚約したんだ。メアリーって娘で隣町の商人の家の娘なんだ。
でも政略結婚じゃ無いからね。彼女とっても可愛いんだよ」
「あら、ごちそうさま。幸せそうでよかった。」
「今日は家に泊まって行くだろ。ね、いいよね父さん」
「もちろんだ、あれからどうしてたかとか、旦那さんになる人との馴れそめも聞かないとな」
話をした感じでは、ケントさんは、悪い人には思えない。私を奴隷に売ろうとしてたとは、ロジャーの思い違いじゃなかったのか?
私は、両親が埋葬されてる教会に行くと言って外出した。
教会で祈りを捧げたあと、両親の墓に花を置き、結婚の報告をした。
ー ジンは、とってもいい人よ、私は幸せになるから ー
届かないとわかってる念話を両親に送った。
ケント邸に戻る前に昔住んでた場所に向かった。
そこには、私達が住んでた家より、もっと大きな家があった。
その家の近くに行き、中の様子をうかがった。
聴覚に魔力を集めてみたら、男たちの会話が聞こえてきた。
「それにしても、あのオッサン 俺たち以上のワルだよなぁ」
「いったい何の話ですか?」
「ああ、お前は最近仲間になったばかりだから知らねぇか。
ここはよお 街からちょっとばかし離れてるから、さらってきた娘を隠すのにちょうどいい場所だろ。
それで、火事に見せかけて、ここに住んでたヤツを殺して、ここを手に入れたんだよ。」
「ヘェ~、ひどいことするんですね」
「その上、この家の生き残った娘を奴隷に売ろうとしたんたぜ」
「そりゃ、本物のワルですね」
「ところが、何故かその娘が、逃げちゃったんだよ。」
「なんで逃げたんですか」
「そこはよくわからないんだよ。 でさ その娘が結婚の報告とかで自分から戻ってきたんだとよ」
「ヘェ~ そりゃバカですね
売り飛ばされるのに、戻ってきたんですか」
「それで今夜は、その娘を捕まえて来るのが、今夜の仕事だ。今のうちにちょっと寝とけ」
ロジャーの話は本当だった。
信じたくないけど、ケントさんは、本当に私を奴隷に売るつもりだったんだ。
その上、火事も事故じゃなくて、両親は殺されたんだ。
首謀者は、ケントさんだ。
私は、何事もなかったふりをしてお屋敷に戻った。
夕食の時には、話を適当に繕いながら、試しにロジャーに念話を送ってみた。
ー ロジャーわかる?私のこと。できれば声をださないで、返事をしてー
ー フウリン、なに?凄いね。どんな魔法?頭の中にフウリンの声がするよ ー
ー 私はあなたのお父さんの悪事を、知ってるの。
これからそれをあばいてゆく所よ
あなたにとっては辛いかも知れないけど、私 やるから ー
ー フウリン 僕なら大丈夫だよ、父の悪い噂はそれとなく聞いているよ、ヤバそうな奴らとも付き合いが有ることも知ってる
それで、どうするつもりなの ー
ー あなたは、味方でいてくれてたら、それだけでいいから、巻き込むつもりは無いから、何も知らないふりをしててね ー
一週間以内に戻る約束をして、それぞれ旅にでた。
私は風魔法で飛び上がった。
ここの所駆けだしてばかりだったので、空を飛ぶのが新鮮な気がした。
飛ぶのは気持ちいい
夕方には、懐かしい場所に着いた。
理由はともかく、逃げ出したんだから、最初はお詫びね。
玄関に出てきたメイドさんは、私の顔を見てびっくりしている
「そのせつは、大変お世話になりました。
ご無沙汰してすみません。
旦那さんとロジャーさんにお会いしたいんですが」
「今更何しにきたのよ。あなたが居なくなって大変だったんだから。」
そりゃそうだろう。売り飛ばす予定の娘が逃げだしちゃったんだから。
「申し訳有りません。ご迷惑おかけしました。
取り次いではいただけませんか?お願いします。」
メイドさんは、ブツブツ何か言いながら、私を応接間に通してくれた。
しばらくして、ケントさんが、来た。
「フウリンか?心配してたんだぞ、元気そうでよかった。」
何か拍子抜けした。
ロジャーがバタバタと走って来た。
私の顔を見るなり。手を広げてハグしようとした。
私はそれを拒絶するように、頭を下げた。
「ご無沙汰してました。こちらの皆さんの御恩は忘れていません。本当にありがとうございました。後ろ足で砂を掛けるように逃げ出してすみませんでした。どうかお許しください。」
「それで、急に戻って来て、何かあったのかな」
「はい 私、結婚することになりました。相手は同じ冒険者でジンという人です。お世話になった方々にちゃんとご報告しなければと、ご挨拶に来ました」
「そうなんだ。おめでとう。実はぼくも婚約したんだ。メアリーって娘で隣町の商人の家の娘なんだ。
でも政略結婚じゃ無いからね。彼女とっても可愛いんだよ」
「あら、ごちそうさま。幸せそうでよかった。」
「今日は家に泊まって行くだろ。ね、いいよね父さん」
「もちろんだ、あれからどうしてたかとか、旦那さんになる人との馴れそめも聞かないとな」
話をした感じでは、ケントさんは、悪い人には思えない。私を奴隷に売ろうとしてたとは、ロジャーの思い違いじゃなかったのか?
私は、両親が埋葬されてる教会に行くと言って外出した。
教会で祈りを捧げたあと、両親の墓に花を置き、結婚の報告をした。
ー ジンは、とってもいい人よ、私は幸せになるから ー
届かないとわかってる念話を両親に送った。
ケント邸に戻る前に昔住んでた場所に向かった。
そこには、私達が住んでた家より、もっと大きな家があった。
その家の近くに行き、中の様子をうかがった。
聴覚に魔力を集めてみたら、男たちの会話が聞こえてきた。
「それにしても、あのオッサン 俺たち以上のワルだよなぁ」
「いったい何の話ですか?」
「ああ、お前は最近仲間になったばかりだから知らねぇか。
ここはよお 街からちょっとばかし離れてるから、さらってきた娘を隠すのにちょうどいい場所だろ。
それで、火事に見せかけて、ここに住んでたヤツを殺して、ここを手に入れたんだよ。」
「ヘェ~、ひどいことするんですね」
「その上、この家の生き残った娘を奴隷に売ろうとしたんたぜ」
「そりゃ、本物のワルですね」
「ところが、何故かその娘が、逃げちゃったんだよ。」
「なんで逃げたんですか」
「そこはよくわからないんだよ。 でさ その娘が結婚の報告とかで自分から戻ってきたんだとよ」
「ヘェ~ そりゃバカですね
売り飛ばされるのに、戻ってきたんですか」
「それで今夜は、その娘を捕まえて来るのが、今夜の仕事だ。今のうちにちょっと寝とけ」
ロジャーの話は本当だった。
信じたくないけど、ケントさんは、本当に私を奴隷に売るつもりだったんだ。
その上、火事も事故じゃなくて、両親は殺されたんだ。
首謀者は、ケントさんだ。
私は、何事もなかったふりをしてお屋敷に戻った。
夕食の時には、話を適当に繕いながら、試しにロジャーに念話を送ってみた。
ー ロジャーわかる?私のこと。できれば声をださないで、返事をしてー
ー フウリン、なに?凄いね。どんな魔法?頭の中にフウリンの声がするよ ー
ー 私はあなたのお父さんの悪事を、知ってるの。
これからそれをあばいてゆく所よ
あなたにとっては辛いかも知れないけど、私 やるから ー
ー フウリン 僕なら大丈夫だよ、父の悪い噂はそれとなく聞いているよ、ヤバそうな奴らとも付き合いが有ることも知ってる
それで、どうするつもりなの ー
ー あなたは、味方でいてくれてたら、それだけでいいから、巻き込むつもりは無いから、何も知らないふりをしててね ー
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