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第二章

スキルの箱

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ジーナは一人でどんどん下の階層へと進んだ。
洞窟フロアは、魔物がいようがいまいが構わずに爆破しては土魔法で掘り進み
森林や平原は空を飛んで一気に進んだ。

20階層のボス部屋に入ると、そこはミラーハウスだった。
そして時折毒矢が降り注ぐ
前を見ても振り向いても、自分の姿が沢山反射して映し出されている。

「ねぇ ここのボスさん
私毒は効かないのよ。
出てきて戦いませんかぁ~」

「お前はもうここから出られない。鏡の中で精神的に追い詰めてやる。
ハハハハハ」

「あ~あ~あ~あ~」

パリンパリンパリンパリン

ジーナが甲高い大きな声を出すと、次次と鏡が割れて行く

「あ~あ~あ~あ~」

パリンパリンパリンパリン

「あ~あ~あ~あ~」

パリンパリンパリンパリン 

石弾も撃とうかなぁ
ズダダダダダ

「アハハハハ いくらでも壊すがいい。
いくらでも作れるからな。」

「壊す方が楽しいのに、バカね。それに作る方が魔力沢山いるでしょ
あなたに勝ち目は、ないわよ」

「あ~あ~あ~あ~」

パリンパリンパリンパリン

スダダダダ

「もう、飽きちゃった。
終わらせちゃおう」

ジーナは、自分の回りを結界で囲って

「メテオ」

あたり一面隕石が降りそそぎ全てのものを粉砕している。

宝箱がポップアップした。

「へっ?ボスキャラ顔も見れないのかぁ~」

『ねぇユウト このスキルの箱 私とあなたのどっちが開けたらいいのかなぁ』

『そうだね。ジーナはどうして一人でこの箱を取りに来たんだい?』

『もし 付与スキル が取れたら、いいと思ったの。
そしたらユウトの イベントリ とかをキャロライナにあげられるでしょう。』

『付与 以外のスキルが出たら、俺しか得しないよな、それでもいいかどうかだな』

『うん、それでちょっと悩んだのよ』

『ジーナが今持ってる色んなスキルは、俺が抜けたらなくなるからなぁ~
独自のスキルも欲しいのは当然だよ』

『う~~ん やっぱりユウトがやって』

『わかった 後で絶対グジグジ言わないって約束な』

『うん いいよ 約束する』

ジーナはユウトと入れ替わった。
ユウトが宝箱を開ける。
中にはノートが一冊入っていた。
表紙には、こう書かれていた。
『一つだけ、望みのスキルを差し上げます。
このノートに欲しいスキルと名前を書きなさい』

ノートをあけて見ると、色んな人の筆跡が残されていた。

ジョン 透し
メアリー 千里眼
パパス 全獣語
マイケル 隷属化
ラケシス 誘惑
マイケル 絶倫
アッコ 変身
ルフィ ゴム人間
ヒュウマ 大リーグボール
ウサギ おしおき棒


ユウト スキル付与


ユウトが欲しいスキルを書き込みノートを閉じると、ノートは光の粒になって、ユウトに降り注いで消えた。

『ジーナ、やったな。ビンゴだよ 付与スキル が手に入った』

ユウトはそう言うとすぐにジーナと入れ替わった。

ジーナは、みんなの待つ15階層へと急いだ。
と言っても、転移と階段を繰り返しただけだが………

「みんなおまたせ~
さぁ帰りましょうか。」

「ジーナ、どこに行ってきたの?
もしかして20階層?」

「そうよ、後でキャロライナとテイルにお土産あげるわ」

「え~~~ いいなぁ~
男子にもお土産下さい?」

ルークがひれ伏すポーズをしている。

「仕方ないわね。
あげるから。
その代わり私のスキルは他言無用よ。」

「もちろんです。ジーナ様 なぁ ユリウス カイト」

「おいおいルーク お前が1番口が軽いだろうが」

「ぼくがジーナの秘密を人にバラすことは決してないと誓うよ。そしてこの二人もだ。」
ルークとカイトの二人がユリウスの脇にはべった。

「わかったわ。みんなにお土産あげるから。」

ジーナは土魔法でドーム状の小屋を作って、一人づつ中に来るように指示して、中に入った。

最初にキャロライナがやって来た。

「キャロライナ、あなたの欲しがってたスキルをあげるわ」

「え~~~ 宝石とかじゃないんだ」

「そっちの方がよかった?」

「そんなわけないわよ。それで?」

「あなたには『イベントリ』を渡すわ。
目をつぶって」









「さあ、これでいいはずよ」


「どうやって使うの?」

「収納したいものを意識するだけよ
取り出すときも一緒よ
色々と詰め込んだらリストを出して選ぶこともできるわ。
ちょっと見てて」

ジーナが胸に手を当てると、ジーナが裸になった。
そして、再び胸に手を当てると、服を着たジーナになった。

「これでキャロライナも躊躇なく『炎の剣士』になれるでしょう」

「ジーナ!凄い
ありがとう
本当にありがとう
こんなこと夢みたいよ」

キャロライナはジーナに抱きついて喜んだ。

テイルには『探知』を付与した。

「こんな凄いスキル、私がもらっていいの?」

「テイルだからこそよ。これからは魔物の位置とかキャロライナに教えてあげてね。」

「えっウソ ジーナ居なくなったりしないわよね」

「ああごめんなさい
そう聞こえたかな。
居なくなったりしないわ」

「よかった。安心したわ」

そして、ユリウスには『鑑定』カイトに『探知』ルークに『瞬足』を付与した。

男子は、喜んではしゃいでいる。

ルークがふざけて『瞬足』を使って、キャロライナのスカートをめくった。

キャロライナは、ルークの着てた服を『イベントリ』で取り上げ裸にした。

「キャロライナ、ごめんなさ~~い、ぼくが悪かった。スキルもらって嬉しくて、つい………
許して下さい。」

「将来の王妃になんたるおこない。斬首に処す」

「ひぇーー お願いです助けて下さい。
キャロライナ可愛いからついからかいたくなって
ごめんなさい」

「フフフ 私が可愛い?
その言葉に免じて許してやろう。
二度とやらぬと誓うか!」

「はい、誓います。誓います。美しいキャロライナ様」

「美しいキャロライナとな、もう一度」

「美しいキャロライナ様」

「許す。全部許す。」


こうして多少のドタバタはあったが、彼らはダンジョンから外に出た。


そして、驚きのニュースが彼らを待ち受けていた
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