神の手違いで転生先の人が生きていたので、2重人格になりました。

烏帽子 博

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第一章

訓練

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昼食後、トレーニングの効果は、早速現れた。
訓練場へと走ると、さっきまでとの違いを感じた。
足回りの筋肉が増えて
スピードがより出せるようになったみたいだ。

訓練場に着くと、ブルーベリーさんにチェリーさん他整列して出迎えてくれた。

「皆さん、こんな大袈裟にしないでよ。
普段通りでお願いします。
ぼくも体を鍛えたいんだ。
やり方とか色々教えて下さい。
よろしくお願いします。」

そう言うと、さっきブルーベリーさんを叱っていた人がササッと側にすり寄ってきて、小声で話し掛けてきた。

「殿下 殿下は、我々に命令するお立場ですので、そのようにへりくだられては、兵たちが戸惑います。鍛錬は、不肖私アングリがお手伝いさせていただきます」

「そう じゃあアングリさんよろしくおねがいします。
それで、何からしたらいいかなぁ」

「お体を拝見した所、全体的に筋肉が少ない感じですので、そのあたりからやって行きましょう」


その時頭の中てユウトの声がした

「ロベルト、少し代わってくれ。調べたい事がある」

「わかった。いいよ。」




「アングリ殿、こちらの兵士の中でスキルを持っている人を集めて下さい。そしてそのスキルを出来れば拝見したい。」

アングリは、何人かのスキル持ちを連れてきた。
その中で、ユウトが心ひかれたのは、『剣気』『操作』『瞬足』『探知』『鑑定』のスキル持ちたちだ。

『剣気』スキルの人はもちろん剣の腕もたつうえ、彼が闘志を膨らませると、その威圧感だけでぼくは気が遠くなって、アングリさんが支えてくれた。
それから彼が気を入れて剣を振ると、剣撃を飛ばすことも出来るんだ。

『操作』スキルの人は、自分で撃ち出したファイアーボールを後から好きな方向や軌道に動かせるんだ。

『瞬足』スキルは、一瞬で移動するスキルだ。距離的には5メートル位迄らしいが、攻守ともに便利なスキルだ

『探知』は周囲の人や魔物の位置の察知

『鑑定』は、品物の状態など価値がわかるそうだ、人や魔物の強さも分かるか聞いてみたが、そこまでの力は、無いと言っていた。

そこまで調べておいて、後はロベルトとキャラ交代した。

ロベルトの訓練が始まった。
へなちょこぶりは、無惨で、腕立て伏せも腕力不足で出来ないし、剣を振ればふらふらする。
だけど、自動回復で疲れ知らずで、ちょっとSっ気のあるアングリさんでも、時々止めに入った。

「殿下の筋力は残念ですが、持久力は人並み以上ですので、訓練を続けたらかなりお強くなられると思います。
素晴らしい才能です」

こうして、ロベルトの訓練初日は終わった。


王妃の処刑以後もう一つ変わった事がある。
それは王と兄弟、つまり家族一緒に食事をするようになった事だ。

「ロベルト、体調はどうだ?最近よく食べるようになったな」

「はい、父上。お陰様で元気になりました。
ご安心ください」

「チッ ロベルト!
お前なんかどうでもいいんだよ。
偉そうに父上と話をすんなよ」

「パンチよ 弟をなんでそう目の敵にお前はするんだ。
将来、お前やジョンのことを助けるのがロベルトだぞ。
これから上に立つ者として、兄弟さえ味方にできなくては思いやられるが、どうだ?」

「父上、私はこんな妾の子どもを兄弟と思った事はありません。
私は誇りをもって、この国を兄と共に守ります。
この者は、必要ありません。」

「ならば、もしわしが次の王にロベルトを指名したら、お前は、どうする?」

「お戯れを。こんな穢れた者を指名する訳無いでしょう。からかうのもいい加減にして下さい。父上」

「パンチよ、ロベルトを穢れたとは、どうゆうつもりだ。
確かにロベルトの母親はお前たちとは違う。
しかし、わしの血は間違いなくロベルトにも流れている。
それでも穢れてると申すか!」

パンチは黙って下を向いて唇を噛んでいる。

ロベルトは、この兄から言いようのない嫌悪を感じた。
父上がどう言おうと、逃げないと、いつか殺される気がした。
ロベルトは意を決して声を出した。

「父上 私は兄上と競うつもりはありません。
もしお許しいただけるのなら、来年成人しましたら、王宮を出て行きたいと思っております。
冒険者となり、民の声を聞き見聞を広げながら生きて行きたいと思っております。」

「アッハッハ ロベルトのくせに、冒険者!
そりゃいいや。
魔物に直ぐに食い殺されるのが落ちだな。
俺は、こいつに賛成です。
どこで野垂れ死にしようとも、王家とは関係無い、それでいいんだろ」

「はい、お兄様にご迷惑はお掛けしません。」


「全く、お前たちは。どうして仲良く出来ないんだ。
しかし、ロベルトの希望の王宮を出るのは認めよう。
但し、王家との縁を切ることは認めない。
よいな。二人共!」

「異存ありません。父上」

「ありがとうございます。父上。」


ユウトが話し掛けてきた
「良かったな、王宮から出られるみたいだな。
だけど、あのパンチ兄は、まだなんか仕掛けてくるかも知れないから気をつけろよ」


その日の夕食で、ロベルトは驚く程の食欲をみせた。
これまで食が細かったロベルトの変わりように、ジョーンズ王もパンチ兄も驚いていた。

「どうしたんだ、ロベルト。ヤケに食うじゃないか。この無駄飯食いが!」

「お許し下さい兄さん。王宮を出るまでに、少しでも体力を付けたいのです。」

「はぁ?無駄なことを。
まぁ腹でも壊すがいいさ。ははは」








その夜 城の者が皆寝静まった頃、ユウトはロベルトの体から抜け出した。

精神体だけの状態となり、東の兵舎に飛んだ。

昼間スキルを披露してもらった兵士を探す為だ。

まず初めに『探知』スキルを持つ人を発見した。

俺は運がいいな、彼を最初に見つけられるなんてな。

寝ている彼の体に入り込み、支配することに成功した。
早速『探知』を発動してみる。
ブルーベリーさんがどこで寝ているかをイメージすると、頭の中にマップが現れ、その中で赤い点が現れた。
続けて『鑑定』持ちの人をイメージすると、また赤い点が現れた。

『探知』持ちの人から抜け出してみると、頭の中のマップも無くなってしまった。

今夜はここまでにして、ロベルトの元に戻った。
ほんの少し俺が離れていただけなのに、ロベルトは熱を出して唸って、のたうち回っていた。
俺が抜け出ている間に、全身ひどい筋肉痛に襲われてるためだろう。
可哀想なことをしたな。でもこれもお前の為だ!我慢してくれよ。

肉体の支配権をユウトが持つと、直ぐに熱も下がり、筋肉痛も和らいだ。

それじゃあ、スキルだ
『探知』スキルが使えるか試してみる。
するとマップが頭の中に現れた。
よし!っと思ったが、マップはこの部屋より少し広い程度しか表示していない。
スキルホルダーの体でやったときは、かなり大きなマップが出て、ズームイン、アウトが出来た。
スキルも訓練で成長するか?
『探知』を持っていた人の記憶を辿る。
すると、思った通り彼は気づき努力していた。




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