神の手違いで転生先の人が生きていたので、2重人格になりました。

烏帽子 博

文字の大きさ
上 下
3 / 36
第一章

幽体離脱

しおりを挟む
俺はロベルトの体から無事に抜け出すことに成功した。
だけど、実体の無い意識のみの状態は、なんか凄い疲れる。
ふわふわ浮いてるだけなのに恒に全力疾走してるみたいだ。

これは絶対ヤバイ、疲れ果てたら、死ぬな、きっと
早めにロベルトに戻んないと。

リリーの部屋に俺は来ていた。
いつもロベルトに甲斐甲斐しく尽くしてたリリーを何で王様が外したのか理解できなかったからだ。

リリーは、寝息をたてて寝ている。
そっと触れてみたら、俺はリリーの意識の中に入っていた。

リリーの記憶が、そして能力が俺の中に流れ込んできた。
俺の記憶や能力が取られてる気はしない。
そして、ふわふわと実体なく浮いていた時と違って、体力?いや精神力もどんどん回復した。

誰かに取り憑いていれば、精神力が回復して、なおかつそいつの記憶や能力がわかるのか。
こりゃあおもしれー。

だけど、それよりもリリーの記憶がヤバイよ。
ロベルトの体に俺が戻ればあいつも知ることになるよな。
戻らないってわけにはいかないしなぁ。
かといって、リリーの中に居られるのも、寝ている間だけだし。

精神体のクセに悩むなんてなぁと思いながらも、結局考えは一周回って、そのままロベルトと共有することにした。

「リリーが僕に毒を!」

「ロベルト リリーには事情が………」

「わかってるって、人質だよね」

リリーは、当初長男のジョンのお付きのメイドとして
働いていた。
ジョンは、リリーを気に入って直ぐにリリーはお手つきとなり、リリーは女の子を産んだ。

女の子は、将来のプリンセスだからと、生後間もなくリリーから離され、王妃の管理の元に置かれている。

ジョンが15歳となり、全寮制の騎士学院に入ると、リリーはロベルトの世話係に配置転換された。
そして、王妃から、病弱なロベルトの為に元気になる薬を渡され、毎日水さしに溶いて飲ませるように命じられた。
そう、その薬だと言われて渡されたのが毒だと薄々は感じていた。
しかし、命令に従わないと我が子に会わせてもらえない。
我が子もロベルト同様、城の中で軟禁状態にされている。
いづれ長男のジョンが正妻を娶り子どもができれば、用無しとして殺される気がしてならない。



「リリーを助けてあげられないかなぁ」

「お人好しだな。お前に毒だと知ってて飲ませていたんだぞ あのメイドは」

「わかってるよ。でもリリーはいつも辛そうだった。悲しそうな目をして僕を見てた。」

「しょうがないなぁ。じゃあ又ちょっと出かけて来るよ」

再び精神体のみとなったユウトは、王妃ケイトの部屋を訪れた。
王妃が寝ている所、入り込んで記憶を探るつもりだったが


「あっ ひっ ふっ
もっと もっとよ~」


王妃は王家お抱え医師とのエッチの最中だった。

全く俺はこんな所は見たくないのによ。
景子と学の事を思い出してしまった。
王様は知ってて、知らんふりをしてるのかなぁ。
辛くないのか、それとももう冷えきってる仲なのかな。

「ああ ハァ ハァ
そこ、そこよ~」

早く終わんないかなぁ。


「イク イク イグゥ~」


よし、今だ!
恍惚の表情の王妃ケイトを見て、俺は王妃の中に入り込んだ。
絶頂の快感が押し寄せて来た。
スゲー!女はこんなふうに感じるんだ!

ユウトは王妃の意識を封じ込んで、体を支配した。
そしてイタズラを思い付いた。

「えっ?ど どうされたんですか?
抜けないんですが………」

「なんか、ア・ソ・コがキュっとなったままなんです。」

「リラックスして下さい」

「どうしちゃたんですか?私」

「多分、膣痙攣です」

「膣痙攣?あなたのが小さくなれば抜けるのでは?」

「無理ですよ。根元をギュっと締め付けられてて、痛い位ですから
ちょっと待って下さい。
風呂に入ってリラックスできたら治るかも知れません」

「どうやって風呂まで行くのよ」

「私の首に手を回して掴まって下さい。
いいですか?」

「駅弁ですね」

「はぁ?何の事でしょう?」

やべー、そうだよここには、駅弁文化は無かったんだ!

「いきますよ。それっ!
う! ううう。」

王妃の体は一瞬持ち上がったが、直ぐにまたベットに重なったまま倒れ込んだ。

「重いわよ先生。どうされたんですか?」

「腰が。腰がぁ」

「グキってなったんですか?」

「ぎっくり腰ってやつです」

「私たちどうなるんですか?」

「人を呼びましょう」

「嫌よこんな繋がったままの姿を誰かに見られるなんて」

「このままだと、私のアソコが壊死します」

「この、私の中に居るのが?」

「根元を締め付けられてて、血流が止まってます」



この騒ぎは結局、城中の者が知ることとなり、もちろん王様の耳にも入った。
箝口令がひかれたが、時既に遅しで、噂は直ぐに王都中に広まった。

医者は直ぐに処刑され、王妃は幽閉された。

民衆はこの王家の不倫騒動におおいに盛り上がり、ついには、アダルト芝居小屋の演目にもかかるようになってしまった。

そして、王妃も又処刑される事が決まった。

ユウトは溜飲を下げる思いだった。

そして、ロベルトの嘆願によりリリーは、ジョンの側室としての立場を正式に手に入れ、その娘とも暮らせるようになった。

リリーは時折ロベルトの所に娘を伴って来て、たわいない話をするようになった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

処理中です...