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43 身勝手な恋慕
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ミスティナは階上の部屋に向かうと、広いバルコニーから庭園の噴水を見下ろしていた。
庭園を挟んで向かいには、招待客が食事やダンスを楽しんでいる建物がある。
背後で扉の開閉音が鳴り、ミスティナは振り返った。
(……来たようね)
バルコニーと室内の境界は開け放たれているため、部屋に侵入した者の姿が見える。
やってきたヴィートン公爵の娘、クルーラは後ろ手で扉の内鍵をかけて平然と密室にしてから、バルコニーに足を踏み入れた。
「ミスティナ、全然お便りをくれないから心配していたのよ。だから様子を見に来てあげたの」
クルーラの片手には魔導杖が握られている。
先ほどヴィートン公爵を捕らえたとき、クルーラが透明になる魔術の込められた魔導杖を使用してそばにいたことは、「視」ていた。
ミスティナはヴィートン公爵にこのバルコニーにいる話をしたが、実際はクルーラに聞かせるためだった。
「それでね、そろそろレイナルト様を返してもらいたいの」
「なんのこと?」
「だってレイナルト様に密書で呼ばれたのはあなたじゃない。本当の王女である私だったのよ」
クルーラは全く疑いのない顔で、つらつらと話し続ける。
「それなのにお父様とリレットが余計なことをして、ミスティナをレイナルト様の元へ向かわせるなんて……浮気性の男って、なにをやらせてもダメね。そのせいでミスティナは勘違いをして、私の邪魔をするんだから」
ミスティナはなにも言わない。
クルーラは笑みを絶やさなかったが、瞳が不吉に底光りする。
「あなた、純粋な惚れ薬でレイナルト様をたぶらかしているんでしょう?」
「クルーラはいつも、自分の想像だけで話すのね」
「想像じゃないわ。今度こそ私が手に入れるはずだったのに……」
ミスティナの瞳に、怒りとも悲しみともつかない感情が揺らいだ。
「安心して、あの粗悪品の惚れ薬は捨てておいたから。もう二度と、アランのような犠牲者を出すつもりも、あなたを野放しにするつもりもないわ」
「私はただ、アランを素敵な人だと思っただけよ。フレデリカお姉様を一途に想いを寄せていることなら、誰が見てもわかったし」
「……わ、わかるのね」
「だから私、お父様にアランと婚約したいって頼んだわ」
「フレデリカとアランの気持ちを知っているのに?」
「知っているからよ。フレデリカはお姉様なんだから、妹に大切な恋人をゆずってあげるべきでしょう? それにアランなら、私を永遠に愛してくれるはずだったのよ」
しかしまがい物の惚れ薬では、アランの心を奪うこともできない。
彼は毒素の蓄積で体を蝕み、慢性的な魔病を起こすだけだった。
「他の男たちなら仕方がないと思っていたわ。でもアランまで私から逃げるなんて……ひどい人」
「ひどいのはあなたよ。アランが病んでいたのに、部屋に閉じ込められたまま、侍医を呼ぶことを禁止したんでしょう? 自分が毒を盛ったとバレないように」
「だって私はどんなことをしても、なにをしても、ずっとずっと愛し続けてくれる人がほしいんだもの」
クルーラは夢見がちな少女のように、頬を染めて笑っている。
(それで惚れ薬を飲ませて、次はレイの心を掌握しようとしているのね)
ミスティナは怒りをこえて、哀れみすら感じた。
(惚れ薬は相手の心を蝕むだけなのに)
「あのね、クルーラ。あなたがなにかをほしがっているその気持ちは、きっと恋でも愛でもないわ。ただの中毒よ」
「相手の心が手に入るのなら同じでしょう?」
「……あなたの考えは、ヴィートン公爵夫妻が王国を搾取するのと同じ発想だわ」
「あんな浮気者たちと一緒にしないで!」
叫んだクルーラからは笑みが消え、そこには剥き出しの憎悪が揺らいでいる。
「私は完全な、不変の愛を求めているだけよ!」
クルーラはいつも両親にちやほやされ、彼らの自慢のおもちゃのように甘やかされていた。
しかしそれでは満たされなかったのだろう。
(クルーラは両親からの愛情に満足していないのね。だから彼ら以外の愛がほしくてたまらないんだわ。それで自分以外の人を、都合のいい道具のように扱おうとしている)
そしてクルーラは両親を憎みつつも、彼らに与えられような愛しか知らなかった。
だから彼らのようなやり方――レイナルトを蝕む薬を使ってでも、彼を支配しようと躍起になっている。
「でも、心はそんなに簡単じゃないわ。純粋な惚れ薬を使えば、その人の心が壊れてしまうもの。互いに不幸になるだけ」
「やってみなければわからないわ」
「わかるのよ」
ミスティナは断言する。
彼女の前世を知らないクルーラは、薄い笑みを口元に浮かべた。
「やっぱりレイナルト様に純粋な惚れ薬を使ったのね。持っているのね」
クルーラはバルコニーにいるミスティナへと、ゆっくり近づいていく。
「そうだわ。レイナルト様に惚れ薬を飲ませたあなたを殺せば、彼にかかっている効果は切れるのかしら? 試す価値はありそうね」
クルーラは持っていた魔導杖をくるりとひるがえした。
その物騒な先端をミスティナへと向ける。
スイッチひとつで、相手を焼き尽くす安易で手軽な攻撃魔術が詰められていることは、『視』ればわかった。
「その前にミスティナ、チャンスをあげるわ。あなたがレイナルト様に使った純粋な惚れ薬を渡しなさい」
――そうすれば命だけは助けてもいいわ、と、うそぶく。
ミスティナはようやく微笑んだ。
彼女はこれから起こることに恐れを見せず、静かに告げる。
「チャンスはね、価値のあるものにだけ賭けるのよ」
そしてバルコニーに背を預け、迷いなく答えた。
「レイの心は渡さないわ」
強烈な破壊音が響き渡る。
クルーラの魔導杖の先端から、威力だけが重視された火柱が吐き出された。
ごうごうと燃え盛る灼熱の魔術が、ミスティナへと襲いかかる。
その直前、紅蓮の炎は彼女の目の前で弾けて消えた。
(えっ!?)
クルーラの悲鳴が上がる。
見ると彼女は魔導杖を握ったまま、身体を空へと投げ出していた。
バルコニーから落ちたクルーラの姿が見えなくなると、階下の庭園で大きな水しぶきの音が上がる。
「なんだ!?」
「誰かが噴水に飛び込んだぞ!」
(そんな、まさか……)
ミスティナはとっさに、自分を『視』る。
そこには堅牢な魔術防壁が、彼女を守るように覆っていた。
(クルーラは自分で放った魔導杖の火炎が魔術防壁に弾かれた衝撃で、バルコニーから落ちたということ?)
人が集まってきたのか、庭園が騒がしくなる。
ミスティナは予想外の事態に一気に力が抜け、床に座り込んだ。
(ここまで完璧な魔術を扱える人物なんて、ただひとりだけ……)
見るとクルーラが鍵をかけていた部屋の扉は、先ほどの破壊音に似つかわしい無惨さで大破していた。
そこから当然のように、レイナルトが入ってくる。
ミスティナは階上の部屋に向かうと、広いバルコニーから庭園の噴水を見下ろしていた。
庭園を挟んで向かいには、招待客が食事やダンスを楽しんでいる建物がある。
背後で扉の開閉音が鳴り、ミスティナは振り返った。
(……来たようね)
バルコニーと室内の境界は開け放たれているため、部屋に侵入した者の姿が見える。
やってきたヴィートン公爵の娘、クルーラは後ろ手で扉の内鍵をかけて平然と密室にしてから、バルコニーに足を踏み入れた。
「ミスティナ、全然お便りをくれないから心配していたのよ。だから様子を見に来てあげたの」
クルーラの片手には魔導杖が握られている。
先ほどヴィートン公爵を捕らえたとき、クルーラが透明になる魔術の込められた魔導杖を使用してそばにいたことは、「視」ていた。
ミスティナはヴィートン公爵にこのバルコニーにいる話をしたが、実際はクルーラに聞かせるためだった。
「それでね、そろそろレイナルト様を返してもらいたいの」
「なんのこと?」
「だってレイナルト様に密書で呼ばれたのはあなたじゃない。本当の王女である私だったのよ」
クルーラは全く疑いのない顔で、つらつらと話し続ける。
「それなのにお父様とリレットが余計なことをして、ミスティナをレイナルト様の元へ向かわせるなんて……浮気性の男って、なにをやらせてもダメね。そのせいでミスティナは勘違いをして、私の邪魔をするんだから」
ミスティナはなにも言わない。
クルーラは笑みを絶やさなかったが、瞳が不吉に底光りする。
「あなた、純粋な惚れ薬でレイナルト様をたぶらかしているんでしょう?」
「クルーラはいつも、自分の想像だけで話すのね」
「想像じゃないわ。今度こそ私が手に入れるはずだったのに……」
ミスティナの瞳に、怒りとも悲しみともつかない感情が揺らいだ。
「安心して、あの粗悪品の惚れ薬は捨てておいたから。もう二度と、アランのような犠牲者を出すつもりも、あなたを野放しにするつもりもないわ」
「私はただ、アランを素敵な人だと思っただけよ。フレデリカお姉様を一途に想いを寄せていることなら、誰が見てもわかったし」
「……わ、わかるのね」
「だから私、お父様にアランと婚約したいって頼んだわ」
「フレデリカとアランの気持ちを知っているのに?」
「知っているからよ。フレデリカはお姉様なんだから、妹に大切な恋人をゆずってあげるべきでしょう? それにアランなら、私を永遠に愛してくれるはずだったのよ」
しかしまがい物の惚れ薬では、アランの心を奪うこともできない。
彼は毒素の蓄積で体を蝕み、慢性的な魔病を起こすだけだった。
「他の男たちなら仕方がないと思っていたわ。でもアランまで私から逃げるなんて……ひどい人」
「ひどいのはあなたよ。アランが病んでいたのに、部屋に閉じ込められたまま、侍医を呼ぶことを禁止したんでしょう? 自分が毒を盛ったとバレないように」
「だって私はどんなことをしても、なにをしても、ずっとずっと愛し続けてくれる人がほしいんだもの」
クルーラは夢見がちな少女のように、頬を染めて笑っている。
(それで惚れ薬を飲ませて、次はレイの心を掌握しようとしているのね)
ミスティナは怒りをこえて、哀れみすら感じた。
(惚れ薬は相手の心を蝕むだけなのに)
「あのね、クルーラ。あなたがなにかをほしがっているその気持ちは、きっと恋でも愛でもないわ。ただの中毒よ」
「相手の心が手に入るのなら同じでしょう?」
「……あなたの考えは、ヴィートン公爵夫妻が王国を搾取するのと同じ発想だわ」
「あんな浮気者たちと一緒にしないで!」
叫んだクルーラからは笑みが消え、そこには剥き出しの憎悪が揺らいでいる。
「私は完全な、不変の愛を求めているだけよ!」
クルーラはいつも両親にちやほやされ、彼らの自慢のおもちゃのように甘やかされていた。
しかしそれでは満たされなかったのだろう。
(クルーラは両親からの愛情に満足していないのね。だから彼ら以外の愛がほしくてたまらないんだわ。それで自分以外の人を、都合のいい道具のように扱おうとしている)
そしてクルーラは両親を憎みつつも、彼らに与えられような愛しか知らなかった。
だから彼らのようなやり方――レイナルトを蝕む薬を使ってでも、彼を支配しようと躍起になっている。
「でも、心はそんなに簡単じゃないわ。純粋な惚れ薬を使えば、その人の心が壊れてしまうもの。互いに不幸になるだけ」
「やってみなければわからないわ」
「わかるのよ」
ミスティナは断言する。
彼女の前世を知らないクルーラは、薄い笑みを口元に浮かべた。
「やっぱりレイナルト様に純粋な惚れ薬を使ったのね。持っているのね」
クルーラはバルコニーにいるミスティナへと、ゆっくり近づいていく。
「そうだわ。レイナルト様に惚れ薬を飲ませたあなたを殺せば、彼にかかっている効果は切れるのかしら? 試す価値はありそうね」
クルーラは持っていた魔導杖をくるりとひるがえした。
その物騒な先端をミスティナへと向ける。
スイッチひとつで、相手を焼き尽くす安易で手軽な攻撃魔術が詰められていることは、『視』ればわかった。
「その前にミスティナ、チャンスをあげるわ。あなたがレイナルト様に使った純粋な惚れ薬を渡しなさい」
――そうすれば命だけは助けてもいいわ、と、うそぶく。
ミスティナはようやく微笑んだ。
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「チャンスはね、価値のあるものにだけ賭けるのよ」
そしてバルコニーに背を預け、迷いなく答えた。
「レイの心は渡さないわ」
強烈な破壊音が響き渡る。
クルーラの魔導杖の先端から、威力だけが重視された火柱が吐き出された。
ごうごうと燃え盛る灼熱の魔術が、ミスティナへと襲いかかる。
その直前、紅蓮の炎は彼女の目の前で弾けて消えた。
(えっ!?)
クルーラの悲鳴が上がる。
見ると彼女は魔導杖を握ったまま、身体を空へと投げ出していた。
バルコニーから落ちたクルーラの姿が見えなくなると、階下の庭園で大きな水しぶきの音が上がる。
「なんだ!?」
「誰かが噴水に飛び込んだぞ!」
(そんな、まさか……)
ミスティナはとっさに、自分を『視』る。
そこには堅牢な魔術防壁が、彼女を守るように覆っていた。
(クルーラは自分で放った魔導杖の火炎が魔術防壁に弾かれた衝撃で、バルコニーから落ちたということ?)
人が集まってきたのか、庭園が騒がしくなる。
ミスティナは予想外の事態に一気に力が抜け、床に座り込んだ。
(ここまで完璧な魔術を扱える人物なんて、ただひとりだけ……)
見るとクルーラが鍵をかけていた部屋の扉は、先ほどの破壊音に似つかわしい無惨さで大破していた。
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