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31 招待状【another side】
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***
「おいリレット、くだらない言い訳はやめろ! 魔獣の大量発生の被害が相次いでいるとは何事だ!!」
ローレットの王宮の玉座の間に不当に座る、ヴィートン公爵の胴間声が響き渡る。
「無能なおまえのせいで、我が国の財政がどんどん奪われているんだぞ!」
なじられているのはミスティナの元婚約者、リレットだ。
(俺は悪くない! だいたい無能なのはあんただろう! 必要な対策費用をケチるくせに、若いだけが取り柄の娼婦たちに見栄を張って貢ぎやがって!)
彼はそう怒鳴り返しそうになりながらも、かろうじてこらえる。
「……恐れ多くも申し上げます。国内の僻地では、大量発生した魔獣に対処できておりません。このままだと被害は拡大して都市、さらに王都も危険ですが、修繕費すらままならない状態です。これ以上の防衛費を削ることは不可能でしょう」
「そんなのおまえが役立たずなだけだ! ふん、没落寸前の侯爵などこんなものか! 執務を任せるまでもなかった!」
(なにを言っているんだ? 王国が追い込まれているのは、おまえらが重要な費用を削って無駄な散財を止めないせいだ)
リレットは歯噛みした。
(今まではミスティナがいてくれたから、王国の財政がぎりぎりで回っていたんだ! それなのに重要な防衛費をさらに減らすなんて、頻発する魔獣に襲われたまま各地が荒廃するだけだ! このまま魔獣に壊滅させられれば、この王国は……)
ヴィートン公爵は玉座から立ち上がると、飽食で蓄えた身体を揺らしながら地団駄を踏んだ。
「もういい、執務はおまえのような無能ではない他の者に任せる! ドンスラ伯爵はどこだ!」
「一昨日から消息がつかめません」
「ちっ……スラガル子爵でいい!」
「昨夜から行方をくらませています」
「なんだとっ!」
(ヴィートン公爵に人望なんてない。もともとこいつに群がっていた奴らなんて、まともな仕事ができるわけがないような奴らばかりだ)
ヴィートン公爵に媚を売っていた貴族たちは、国力が衰えて甘い汁を吸えなくなったと見るや、次々と王宮から去っている。
(それにヴィートン夫人も、夫が金銭的な余裕を失いつつあることに気づいたようだ……)
近ごろのヴィートン公爵夫人は「体調を崩している」と理由をつけて、夫から遠ざかっている。
そして医者という名目の若い男たちを自身の個室に定期的に呼び、束の間のひとときを楽しんでは、多額の金銭を渡しているようだった。
(似た者同士の夫妻のせいで、この王国は弱っている。ミスティナさえ戻ってきてくれれば、俺の苦しみはすべて解決するはずなのに!)
「お取り込み中、失礼いたします」
見るとヴィートン公爵の上の娘、フレデリカに仕える侍女がやってきて、一礼する。
「ヴィートン公爵に火急の件でございます」
ヴィートン公爵は気に入らない様子で、侍女に怒鳴りつけた。
「うるさい、今ワシは忙しいんだ! どうせ大したことのない用事できたのだろう!」
「グレネイス帝国にいらっしゃるミスティナ様から、フレデリカ様宛てに伝書魔鳥でお手紙が届きました」
「なぜそれを早く言わない! さっさとここまで持ってこい!」
侍女はすました顔でそばに寄り、手紙を差し出す。
ヴィートン公爵は娘宛てと告げられた手紙を乱暴に取り、ためらいなく破った。
そして開封された便箋を取り出すと、血走った目を驚愕に見開く。
「……っなに!? ミスティナとグレネイス帝国の皇太子から、婚約パーティーの招待状だと!!」
ヴィートン公爵は腹立たしげに手紙を投げつけた。
リレットは驚いた様子で駆け寄り、床に落ちた手紙を拾い上げる。
その内容を確認して、愕然とした。
(そ、そんな……)
リレットの顔はみるみるうちに青ざめ、手の震えが止まらなくなる。
(まさか本当に、ミスティナが帝国の皇太子に見初められたということか……? 俺がミスティナを送り込むことを提案したから)
リレットの腹の底から、耐え難いほどの後悔が押し寄せてくる。
(ち、違う。俺のせいではない! ミスティナの立場が弱すぎたから、俺はヴィートン公爵に逆らうこともできなかった。悪いのはヴィートン公爵だ!)
リレットの自分勝手な思い込みに劣らず、ヴィートン公爵も傲慢な理屈を吐き捨てた。
「ミスティナのやつ、ボロボロのローレット王国を捨てて、豊かなグレネイス帝国に乗り換えるとは……!」
しかしなにかに気づいたのか、すぐ浅ましい笑い声を上げる。
「わっはっは! どうやらミスティナはハニートラップに成功したようだな! ちょうどいい、資金援助を頼むとするか……いや、待てよ。婚約相手はミスティナではなくワシのかわいい娘、クルーラと交換してやろう。ワシもつまらん王国にいるより、皇太子の義父となれば今まで以上に金も権力も融通が利きそうだしな!」
(クルーラとミスティナを交換? ……それだ!)
リレットはすでに、偽王女クルーラへの崇拝はなくなっていた。
(もし帝国へ行ったミスティナとクルーラを交換するのなら、ミスティナは王女としてローレット王国に戻ってくる! 彼女は帝国の皇太子に無理やり婚約させられて、俺のことを恋しく思っているはずだ。ミスティナは帝国へ向かってから、毎晩のように俺の夢に現れるようになったからな)
リレットはそれを己の後悔ではなく、ミスティナが好意を寄せているからだと、自分に都合よく解釈していた。
(俺たちは今までヴィートン公爵に虐げられ、つらい経験を乗り越えてきたんだ。ミスティナも恐ろしい皇太子より、俺との婚姻を選ぶに決まっている。そうすれば俺はこの王国の権力の頂点、王配になれる!)
リレットが身勝手に思い込むかたわらで、ヴィートン公爵は再び胴間声を響かせる。
「おい侍女、すぐにフレデリカに伝えて、帝国への出立の準備に取りかかれ!」
「承知しました」
侍女は一礼すると玉座の間を去る。
「……うまくいったわね」
そう呟く侍女は口元に安堵の笑みを浮かべると、フレデリカの部屋へと向かった。
「おいリレット、くだらない言い訳はやめろ! 魔獣の大量発生の被害が相次いでいるとは何事だ!!」
ローレットの王宮の玉座の間に不当に座る、ヴィートン公爵の胴間声が響き渡る。
「無能なおまえのせいで、我が国の財政がどんどん奪われているんだぞ!」
なじられているのはミスティナの元婚約者、リレットだ。
(俺は悪くない! だいたい無能なのはあんただろう! 必要な対策費用をケチるくせに、若いだけが取り柄の娼婦たちに見栄を張って貢ぎやがって!)
彼はそう怒鳴り返しそうになりながらも、かろうじてこらえる。
「……恐れ多くも申し上げます。国内の僻地では、大量発生した魔獣に対処できておりません。このままだと被害は拡大して都市、さらに王都も危険ですが、修繕費すらままならない状態です。これ以上の防衛費を削ることは不可能でしょう」
「そんなのおまえが役立たずなだけだ! ふん、没落寸前の侯爵などこんなものか! 執務を任せるまでもなかった!」
(なにを言っているんだ? 王国が追い込まれているのは、おまえらが重要な費用を削って無駄な散財を止めないせいだ)
リレットは歯噛みした。
(今まではミスティナがいてくれたから、王国の財政がぎりぎりで回っていたんだ! それなのに重要な防衛費をさらに減らすなんて、頻発する魔獣に襲われたまま各地が荒廃するだけだ! このまま魔獣に壊滅させられれば、この王国は……)
ヴィートン公爵は玉座から立ち上がると、飽食で蓄えた身体を揺らしながら地団駄を踏んだ。
「もういい、執務はおまえのような無能ではない他の者に任せる! ドンスラ伯爵はどこだ!」
「一昨日から消息がつかめません」
「ちっ……スラガル子爵でいい!」
「昨夜から行方をくらませています」
「なんだとっ!」
(ヴィートン公爵に人望なんてない。もともとこいつに群がっていた奴らなんて、まともな仕事ができるわけがないような奴らばかりだ)
ヴィートン公爵に媚を売っていた貴族たちは、国力が衰えて甘い汁を吸えなくなったと見るや、次々と王宮から去っている。
(それにヴィートン夫人も、夫が金銭的な余裕を失いつつあることに気づいたようだ……)
近ごろのヴィートン公爵夫人は「体調を崩している」と理由をつけて、夫から遠ざかっている。
そして医者という名目の若い男たちを自身の個室に定期的に呼び、束の間のひとときを楽しんでは、多額の金銭を渡しているようだった。
(似た者同士の夫妻のせいで、この王国は弱っている。ミスティナさえ戻ってきてくれれば、俺の苦しみはすべて解決するはずなのに!)
「お取り込み中、失礼いたします」
見るとヴィートン公爵の上の娘、フレデリカに仕える侍女がやってきて、一礼する。
「ヴィートン公爵に火急の件でございます」
ヴィートン公爵は気に入らない様子で、侍女に怒鳴りつけた。
「うるさい、今ワシは忙しいんだ! どうせ大したことのない用事できたのだろう!」
「グレネイス帝国にいらっしゃるミスティナ様から、フレデリカ様宛てに伝書魔鳥でお手紙が届きました」
「なぜそれを早く言わない! さっさとここまで持ってこい!」
侍女はすました顔でそばに寄り、手紙を差し出す。
ヴィートン公爵は娘宛てと告げられた手紙を乱暴に取り、ためらいなく破った。
そして開封された便箋を取り出すと、血走った目を驚愕に見開く。
「……っなに!? ミスティナとグレネイス帝国の皇太子から、婚約パーティーの招待状だと!!」
ヴィートン公爵は腹立たしげに手紙を投げつけた。
リレットは驚いた様子で駆け寄り、床に落ちた手紙を拾い上げる。
その内容を確認して、愕然とした。
(そ、そんな……)
リレットの顔はみるみるうちに青ざめ、手の震えが止まらなくなる。
(まさか本当に、ミスティナが帝国の皇太子に見初められたということか……? 俺がミスティナを送り込むことを提案したから)
リレットの腹の底から、耐え難いほどの後悔が押し寄せてくる。
(ち、違う。俺のせいではない! ミスティナの立場が弱すぎたから、俺はヴィートン公爵に逆らうこともできなかった。悪いのはヴィートン公爵だ!)
リレットの自分勝手な思い込みに劣らず、ヴィートン公爵も傲慢な理屈を吐き捨てた。
「ミスティナのやつ、ボロボロのローレット王国を捨てて、豊かなグレネイス帝国に乗り換えるとは……!」
しかしなにかに気づいたのか、すぐ浅ましい笑い声を上げる。
「わっはっは! どうやらミスティナはハニートラップに成功したようだな! ちょうどいい、資金援助を頼むとするか……いや、待てよ。婚約相手はミスティナではなくワシのかわいい娘、クルーラと交換してやろう。ワシもつまらん王国にいるより、皇太子の義父となれば今まで以上に金も権力も融通が利きそうだしな!」
(クルーラとミスティナを交換? ……それだ!)
リレットはすでに、偽王女クルーラへの崇拝はなくなっていた。
(もし帝国へ行ったミスティナとクルーラを交換するのなら、ミスティナは王女としてローレット王国に戻ってくる! 彼女は帝国の皇太子に無理やり婚約させられて、俺のことを恋しく思っているはずだ。ミスティナは帝国へ向かってから、毎晩のように俺の夢に現れるようになったからな)
リレットはそれを己の後悔ではなく、ミスティナが好意を寄せているからだと、自分に都合よく解釈していた。
(俺たちは今までヴィートン公爵に虐げられ、つらい経験を乗り越えてきたんだ。ミスティナも恐ろしい皇太子より、俺との婚姻を選ぶに決まっている。そうすれば俺はこの王国の権力の頂点、王配になれる!)
リレットが身勝手に思い込むかたわらで、ヴィートン公爵は再び胴間声を響かせる。
「おい侍女、すぐにフレデリカに伝えて、帝国への出立の準備に取りかかれ!」
「承知しました」
侍女は一礼すると玉座の間を去る。
「……うまくいったわね」
そう呟く侍女は口元に安堵の笑みを浮かべると、フレデリカの部屋へと向かった。
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