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61 証拠と罰
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「ミュナはシャーロット王女と同じ、緑色の瞳をしています」
わたくしはこの塔に立てこもって調合を続け、オスカーの愛を得ようとした。
得たはずだった。
その信じがたい結末を、リシェラは迷わず断言した。
「それはオスカー様がシャーロット王女と再会した証拠です」
「っ、そんなわけないでしょう! わたくしはオスカーに媚薬を飲ませた! それで娘が生まれたのです!」
でも不可解なことに、オスカーに媚薬を飲ませるたび、わたくしは意識を失うのだ。
あの薬にはそんな効果などないのに。
そして緑の瞳の娘が生まれてぞっとした。
「マイア王女は知っていますか? 祈りが天まで届き、亡くなった方との再会が叶った話を」
「……」
わたくしは数え切れない罪を重ね、血を吐く思いで調合を続けたのだ。
すべては愛を手に入れるため。
それなのに死んだシャーロットにまた奪われたなんて、認められるわけがなかった。
だけどオスカーは違う。
わたくしが育児を放棄したので、オスカーは慣れない赤子の世話をしていた。
そしてわたくしのいないところで、楽しそうにシャーロットの思い出話を聞かせていた。
とてもやさしい声で、ミュナと呼びながら。
その名は古代ティラジア語で愛を意味する言葉だ。
シャーロットとオスカーとの婚約が正式に決まった日、ふたりが嬉しそうに話していたのをこっそり覗き見て知った。
ふたりは子どもが好きで、楽しそうに将来のことを語っていた。
シャーロットは息子ならミーラン、娘ならミュナという名前をつけたいと笑っていた。
オスカーはシャーロットの好きな「オモチ」や「モナカ」もいいんじゃないか、なんておどけていたけれど。
彼は結局、シャーロットの願いを叶えてしまう。
リシェラの視線を頭上に感じる。
わたくしは猫の耳から伝わる感情を隠すため、収穫祭でもらったカボチャをくり抜いて作られた大きな器をかぶった。
……重い。
やはり猫の特徴は呪わしい。
美しさにこだわるわたくしが、こんなふざけた格好をするしかないのだから。
「やはりミュナは、オスカー様とシャーロット王女の娘なんですね」
「……そんなどうでもいいことを暴いて、なにが楽しいの?」
「私はミュナの母について、本当のことを知りたかっただけです。でも……マイア王女がミュナを誘拐しようとした理由が、どうしてもわかりません」
リシェラはあらゆることを見抜いていたのに、わたくしの孤独を理解できないようだ。
どうせ家族に恵まれ才能を認められ、愛に満たされて育ったのだろう。
そう、この女はシャーロットと同罪だ。
「見ればわかるでしょう? わたくしの問題はこの姿だけです」
シャーロットが愛されても、わたくしは愛されない。
その理由なんて、獣の特徴があるかないかだけ。
「わたくしは美しくなるため、変化薬を完成させなければいけません。だからわたくしと同じ、醜い姿をした幼女を使って薬の実験をしたいのです」
獣の特徴を隠す青い染料は、ケルゲオの花に魔石などを混ぜて作る。
改良するにはもっと魔石が必要だ。
しかしそれは魔獣が死んだ後に残った魔力の塊のため、とても希少なものでもある。
ライハントに暗示をかけてリシェラの力を知ったわたくしは、彼女を捕まえることにした。
リシェラの力を利用して動物を乱獲すれば、たくさんの調合材料が取れる。
その中に魔獣がいれば魔石も手に入る。
「マイア王女……まさか」
しばらく呆然としていたリシェラは、わたくしの言葉が信じられないとでもいうように声を震わせる。
「ミュナを誘拐させて買い取ろうとしたのは、未完成の変化薬を飲ませようと……」
「ええ。喜ばしい話でしょう。美しくなれるのですから」
「……ケルゲオの花が毒だと、マイア王女も知っているはずです」
「もちろん命を落とす可能性はあります。でもそれがどうしたというのです。あの幼女も醜い状態で生きているより、人の姿を手に入れたほうが幸せでしょう」
わたくしはいつも懐に忍ばせている香水瓶を手に取ると、自分の身体へ思う存分に吹きかけた。
リシェラはあからさまにギョッとしている。
でもわたくしはケルゲオの根で作られたその匂いに包まれると、死期の近づいた猫のように心が安らぐのだ。
未完成の変化薬を試すにつれ、嗅覚が変化するほど身体が毒されているのだろう。
「リシェラ、わたくしは変化薬を完成させる必要があります。そこを避けなさい」
「嫌です。マイア王女を逃がしたりしません」
「ふふっ、強がっているのはわかっていますよ? わたくしはケルゲオの根の濃密な匂いをまとったのですから。あなたはわたくしを取り押さえるどころか、近づくことすらできないでしょう」
「いいえ。ミュナは渡しません」
リシェラの瞳に、見たことのないような激情が揺らいでいる。
「マイア王女、私は本当に怒っています。ミュナを実験道具のように扱うなんて許しません!」
凛とした声と表情に、胸の底からモヤモヤとしたものが膨れ上がっていく。
あんなに醜い娘を、なぜそこまで愛そうとするのだ。
「リシェラにわたくしの痛みなんてわかるわけがないのです! わたくしと違ってすべてを持っている、愛されるために生まれてきたようなあなたには!」
わたくしは激情のまま、リシェラの頬めがけて手のひらを振り下ろす。
手首に鈍痛が叩き込まれた。
リシェラは着ていたローブの中から杖を取り出し、鋭い一撃でわたくしの手を払いのける。
「っ!!」
わたくしは起こったことが信じられないまま、よろめいて壁に身を寄せた。
「なっ、なぜケルゲオの根の匂いをまとったわたくしに、意識を失わず近づけたの……!?」
「嗅覚の魔法は時間経過で解けるんです」
リシェラは軽々と身をひるがえすと、杖の先端をわたくしに突きつけた。
「な、なにを……」
「私、許さないと言いましたよね」
迷いのない言葉に、わたくしは震えた。
リシェラがなにをするつもりかがわからず、余計に恐ろしい。
どうにか油断させて逃げる隙を作らなければ。
「ま、待ってリシェラ。あなたならわかってくれますよね? どうかわたくしの話を聞いて……」
「嘘は聞き飽きました」
突きつけられた杖から鮮烈な光が発射される。
わたくしは真っ白なまばゆさにさらされながら、リシェラの声を聞いた気がした。
「これは花火ではないので、お腹もゴロゴロしません。ただこれから、マイア王女はどうがんばっても、変化薬を作れなくなりました」
閃光から解放されると、わたくしは床に膝をつく。
痛むのは、先ほど平手打ちを払われた手首だけ。
ではあの光の意味は?
リシェラはわたくしに、いったいなにを……。
いや、リシェラは私を驚かせただけかもしれない。
そう思ったとき、よく響く凛とした声が室内に響いた。
「リシェラ!」
間違いない、セレイブ様の声だ。
わたくしは閃光で一時的に視力を奪われている。
それでも音や気配で開け放たれた大窓から、彼が室内に飛び込んできたことはわかった。
でもここは塔の最上階だ。
セレイブ様はどうやって単身で乗り込んだのだろう。
そんな疑問を持ちつつも、わたくしは彼に対して強い違和感を覚えた。
違う、セレイブ様だけではない。
先ほどから……わたくしがあの光を受けてから。
この部屋は、なにかおかしい。
塔に侵入したセレイブ様の気配が、わたくしの前に立ちはだかった。
わたくしはこの塔に立てこもって調合を続け、オスカーの愛を得ようとした。
得たはずだった。
その信じがたい結末を、リシェラは迷わず断言した。
「それはオスカー様がシャーロット王女と再会した証拠です」
「っ、そんなわけないでしょう! わたくしはオスカーに媚薬を飲ませた! それで娘が生まれたのです!」
でも不可解なことに、オスカーに媚薬を飲ませるたび、わたくしは意識を失うのだ。
あの薬にはそんな効果などないのに。
そして緑の瞳の娘が生まれてぞっとした。
「マイア王女は知っていますか? 祈りが天まで届き、亡くなった方との再会が叶った話を」
「……」
わたくしは数え切れない罪を重ね、血を吐く思いで調合を続けたのだ。
すべては愛を手に入れるため。
それなのに死んだシャーロットにまた奪われたなんて、認められるわけがなかった。
だけどオスカーは違う。
わたくしが育児を放棄したので、オスカーは慣れない赤子の世話をしていた。
そしてわたくしのいないところで、楽しそうにシャーロットの思い出話を聞かせていた。
とてもやさしい声で、ミュナと呼びながら。
その名は古代ティラジア語で愛を意味する言葉だ。
シャーロットとオスカーとの婚約が正式に決まった日、ふたりが嬉しそうに話していたのをこっそり覗き見て知った。
ふたりは子どもが好きで、楽しそうに将来のことを語っていた。
シャーロットは息子ならミーラン、娘ならミュナという名前をつけたいと笑っていた。
オスカーはシャーロットの好きな「オモチ」や「モナカ」もいいんじゃないか、なんておどけていたけれど。
彼は結局、シャーロットの願いを叶えてしまう。
リシェラの視線を頭上に感じる。
わたくしは猫の耳から伝わる感情を隠すため、収穫祭でもらったカボチャをくり抜いて作られた大きな器をかぶった。
……重い。
やはり猫の特徴は呪わしい。
美しさにこだわるわたくしが、こんなふざけた格好をするしかないのだから。
「やはりミュナは、オスカー様とシャーロット王女の娘なんですね」
「……そんなどうでもいいことを暴いて、なにが楽しいの?」
「私はミュナの母について、本当のことを知りたかっただけです。でも……マイア王女がミュナを誘拐しようとした理由が、どうしてもわかりません」
リシェラはあらゆることを見抜いていたのに、わたくしの孤独を理解できないようだ。
どうせ家族に恵まれ才能を認められ、愛に満たされて育ったのだろう。
そう、この女はシャーロットと同罪だ。
「見ればわかるでしょう? わたくしの問題はこの姿だけです」
シャーロットが愛されても、わたくしは愛されない。
その理由なんて、獣の特徴があるかないかだけ。
「わたくしは美しくなるため、変化薬を完成させなければいけません。だからわたくしと同じ、醜い姿をした幼女を使って薬の実験をしたいのです」
獣の特徴を隠す青い染料は、ケルゲオの花に魔石などを混ぜて作る。
改良するにはもっと魔石が必要だ。
しかしそれは魔獣が死んだ後に残った魔力の塊のため、とても希少なものでもある。
ライハントに暗示をかけてリシェラの力を知ったわたくしは、彼女を捕まえることにした。
リシェラの力を利用して動物を乱獲すれば、たくさんの調合材料が取れる。
その中に魔獣がいれば魔石も手に入る。
「マイア王女……まさか」
しばらく呆然としていたリシェラは、わたくしの言葉が信じられないとでもいうように声を震わせる。
「ミュナを誘拐させて買い取ろうとしたのは、未完成の変化薬を飲ませようと……」
「ええ。喜ばしい話でしょう。美しくなれるのですから」
「……ケルゲオの花が毒だと、マイア王女も知っているはずです」
「もちろん命を落とす可能性はあります。でもそれがどうしたというのです。あの幼女も醜い状態で生きているより、人の姿を手に入れたほうが幸せでしょう」
わたくしはいつも懐に忍ばせている香水瓶を手に取ると、自分の身体へ思う存分に吹きかけた。
リシェラはあからさまにギョッとしている。
でもわたくしはケルゲオの根で作られたその匂いに包まれると、死期の近づいた猫のように心が安らぐのだ。
未完成の変化薬を試すにつれ、嗅覚が変化するほど身体が毒されているのだろう。
「リシェラ、わたくしは変化薬を完成させる必要があります。そこを避けなさい」
「嫌です。マイア王女を逃がしたりしません」
「ふふっ、強がっているのはわかっていますよ? わたくしはケルゲオの根の濃密な匂いをまとったのですから。あなたはわたくしを取り押さえるどころか、近づくことすらできないでしょう」
「いいえ。ミュナは渡しません」
リシェラの瞳に、見たことのないような激情が揺らいでいる。
「マイア王女、私は本当に怒っています。ミュナを実験道具のように扱うなんて許しません!」
凛とした声と表情に、胸の底からモヤモヤとしたものが膨れ上がっていく。
あんなに醜い娘を、なぜそこまで愛そうとするのだ。
「リシェラにわたくしの痛みなんてわかるわけがないのです! わたくしと違ってすべてを持っている、愛されるために生まれてきたようなあなたには!」
わたくしは激情のまま、リシェラの頬めがけて手のひらを振り下ろす。
手首に鈍痛が叩き込まれた。
リシェラは着ていたローブの中から杖を取り出し、鋭い一撃でわたくしの手を払いのける。
「っ!!」
わたくしは起こったことが信じられないまま、よろめいて壁に身を寄せた。
「なっ、なぜケルゲオの根の匂いをまとったわたくしに、意識を失わず近づけたの……!?」
「嗅覚の魔法は時間経過で解けるんです」
リシェラは軽々と身をひるがえすと、杖の先端をわたくしに突きつけた。
「な、なにを……」
「私、許さないと言いましたよね」
迷いのない言葉に、わたくしは震えた。
リシェラがなにをするつもりかがわからず、余計に恐ろしい。
どうにか油断させて逃げる隙を作らなければ。
「ま、待ってリシェラ。あなたならわかってくれますよね? どうかわたくしの話を聞いて……」
「嘘は聞き飽きました」
突きつけられた杖から鮮烈な光が発射される。
わたくしは真っ白なまばゆさにさらされながら、リシェラの声を聞いた気がした。
「これは花火ではないので、お腹もゴロゴロしません。ただこれから、マイア王女はどうがんばっても、変化薬を作れなくなりました」
閃光から解放されると、わたくしは床に膝をつく。
痛むのは、先ほど平手打ちを払われた手首だけ。
ではあの光の意味は?
リシェラはわたくしに、いったいなにを……。
いや、リシェラは私を驚かせただけかもしれない。
そう思ったとき、よく響く凛とした声が室内に響いた。
「リシェラ!」
間違いない、セレイブ様の声だ。
わたくしは閃光で一時的に視力を奪われている。
それでも音や気配で開け放たれた大窓から、彼が室内に飛び込んできたことはわかった。
でもここは塔の最上階だ。
セレイブ様はどうやって単身で乗り込んだのだろう。
そんな疑問を持ちつつも、わたくしは彼に対して強い違和感を覚えた。
違う、セレイブ様だけではない。
先ほどから……わたくしがあの光を受けてから。
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