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25 甘いお祝い
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◇
私がセレイブ様の妻になるという住み込みのお仕事が決まった、翌日の早朝のこと。
約束通りセレイブ様の私室に向かった私は、テーブルの隅に置かれた小箱をまじまじと見つめました。
昨日の飴細工の指輪が入っていたものと、よく似ています。
とても気になるのですが、セレイブ様はその小箱には触れず、事務的な文書をテーブルに載せました。
「リシェラのために一年間の契約書を用意した。確認してほしい」
「えっ、もうできたのですか!?」
こんなに早く進めてくれるなんて、とても誠実な対応です。
ライハント王子の「婚約しよう」という口約束とは全然違います。
私もきちんと契約を守らなくてはと、身の引き締まる思いで契約条件を読み進めていきます。
一年間の契約で、私はセレイブ様と寝室を共にしない代わりに、専用の寝室と私室、衣装部屋を用意してもらうことになります。
他にも私の衣服や宝飾の購入、新居の管理改築等の要望があれば、すべてセレイブ様が負担してくれるようです。
社交はしなくても良いそうですし、なんと食事のリクエストまでしてもいいと書いてあります!
「これは本当にお仕事の契約ですか? もてなされているだけの気がしますが」
「ここを見てくれ」
「ミュナの通訳、そしてセレイブ様と婚姻関係を結ぶこと……」
「そう。これはリシェラにしか任せられない重要な仕事だ。他に要望はないか?」
「ありません。ここまで良い条件ですと、もう願いはすべて叶ったようなものです」
「そうか?」
なぜかセレイブ様は少し残念そうに見えます。
でも私にとっては自分の力を悪用されずに暮らせるだけで素晴らしいことです。
ソディエ王国では動物、特に魔獣に関しての情報がほとんど排除されていました。
「そういえば……私、魔獣の本を読んでみたいです」
「わかった。リシェラのために書斎を用意する。それに新居の内装や庭など、こだわりたいところは望むようにしてくれ」
「ありがとうございます!」
私は自分にとってよいことしか書かれていない契約書にサインをしました。
今から雇用契約がはじまったのですね、がんばります!
「セレイブ様の用件はこれで終わりですか?」
「いや、ここからが本題だ」
セレイブ様から、私が気になっていたあの小箱を渡されます。
開けてみると、そこには一口程度の大きさの、小さな銀と青のバラの花がふたつ並んでいました。
「これは、チョコレートで作ったお花……!?」
その証拠に、きめ細やかなカカオパウダーが振りかけられています。
これは私の髪と瞳の色をイメージしたもの、飴細工の指輪と同じ「独占」と「誓い」を意味する組み合わせです。
「俺たちの婚約は朝食のときに報告する。だが今は一口だけ、ふたりで祝おう。受け取ってくれるか?」
「はい、ぜひ!」
久々のチョコレートに胸が高鳴ります。
でも本物のお花と見間違えるほど綺麗なので、食べるのがもったいない気もしてきます。
でもその味が気にならないといえば嘘です。
でも……。
「リシェラ、目をつぶってごらん」
「は、はい」
「あーんと口を開けてごらん」
「あーん」
口の中に不思議な形がやって来ました。
「これは……!」
口の中で、なめらかな甘さが心地よく溶けていきます。
なんて幸せな味なんでしょう。
「その顔は俺だけのものにしたかったからな」
目を閉じて甘いひとときを堪能している間、セレイブ様のかすかに笑う気配がしました。
◇
「これでもう、マリスヒル伯爵領に滞在する理由はなくなった」
私たちは朝食を終えると、ソディエ王国のマリスヒル伯爵領から、セレイブ様の暮らすティラジア王国のロアフ辺境伯領へ向かうために馬車に乗りました。
『いちねんかん、リシェラいっしょ?』
「はい。これから春が来て、夏、秋、冬の全部の季節を過ごすと一年間です。春が来ると次の年になります」
ミュナは私とは近々別れることになると感じていたようです。
大きな目をキラキラさせて、喜んでくれているのが伝わってきました。
『たくさんいっしょ、うれしいね!』
ロアフ辺境伯領へ向かう道中、私はミュナと外の景色を見ながら話したり、セレイブ様からロアフ領に棲む動物について聞いたりしました。
ただミュナはセレイブ様と目が合うと顔を背けるので、通訳をすることはあまりありません。
そして馬車の旅をはじめて二日目、セレイブ様のご両親が暮らすロアフ辺境伯邸宅へ着きました。
そこは雄大な山々の自然に囲まれた邸宅で、マリスヒル伯爵邸とは比べ物にならないほどの大きさです。
セレイブ様はすでにお手紙を送って、ご両親であるロアフ辺境伯夫妻に婚約の事情を説明しています。
ただ一年更新の契約結婚のことは話していないそうです。
それでもミュナの心の安定を第一優先するために結婚式をしないことも理解を示してくれて、セレイブ様を信頼して尊重してくれるご両親だと感じました。
私はずらりと並んだ使用人たち、そして出迎えてくださったロアフ辺境伯夫妻から歓迎を受けました。
ロアフ辺境伯はミュナのような赤髪にセレイブ様とよく似たアイスブルーの瞳、ロアフ辺境伯夫人はセレイブ様とそっくりの銀髪に黒色の瞳をしています。
私と手を繋いだミュナは、以前に別荘へ帰ったときほど人を恐れていません。
『ひと、たくさんいるね』
「はい。ミュナのことも歓迎してくれていますよ」
私は歓迎を受けつつも、強い視線を感じていました。
特にセレイブ様がそっと支えてくれている、私の肩のあたりです。
ロアフ辺境伯は上に立つ者特有のいかめしい声で、セレイブ様を問いただしました。
「セレイブ、おまえになにがあったんだ?」
「ミュナの通訳ができる女性を見つけました」
「それは喜ばしいことだが、そうではなく。おまえになにがあったのかと聞いている」
「リシェラ、やはり妙に思われているようだ」
「で、でも足元が汚れるからといって、外出中ずっと私のことを抱き上げようとするのはちょっと……」
「いや本当になにがあったの」
ロアフ辺境伯は夫人と顔を見合わせています。
やはりセレイブ様の親切を拒んでいるので変に思われているのでしょうか。
ロアフ辺境伯は軽く咳払いをすると、再び厳かな口調で話しました。
「ともかくリシェラ、よく来てくれた」
「ふふ。リシェラちゃんがセレイブを変えてくれたのね」
ジンジャーがこっそり教えてくれたのですが、ロアフ辺境伯夫妻はセレイブ様の負担を考えて言わないようにしつつも、彼が婚約者を連れてくる日を楽しみにしていたそうです。
私は婚約者という役目を全うすることで、ロアフ辺境伯夫妻に安心していただきたいと思います。
「リシェラ、君が私の邸宅に滞在する間、喜んでもてなしたい。そして相談なのだが、折り入って頼みたいことがある」
「実は私も……」
ロアフ辺境伯夫妻からの申し出に、彼らの使用人たちから「なるほど!」「リシェラ様ならきっと……!」と明るい声が聞こえてきます。
私はもちろん頷きました。
「はい、ぜひお聞かせください」
でもおふたりは世界中から見ても重要な立場であるロアフ辺境伯夫妻です。
そのような方たちが私に頼みたいこととは、いったいなんでしょうか。
私がセレイブ様の妻になるという住み込みのお仕事が決まった、翌日の早朝のこと。
約束通りセレイブ様の私室に向かった私は、テーブルの隅に置かれた小箱をまじまじと見つめました。
昨日の飴細工の指輪が入っていたものと、よく似ています。
とても気になるのですが、セレイブ様はその小箱には触れず、事務的な文書をテーブルに載せました。
「リシェラのために一年間の契約書を用意した。確認してほしい」
「えっ、もうできたのですか!?」
こんなに早く進めてくれるなんて、とても誠実な対応です。
ライハント王子の「婚約しよう」という口約束とは全然違います。
私もきちんと契約を守らなくてはと、身の引き締まる思いで契約条件を読み進めていきます。
一年間の契約で、私はセレイブ様と寝室を共にしない代わりに、専用の寝室と私室、衣装部屋を用意してもらうことになります。
他にも私の衣服や宝飾の購入、新居の管理改築等の要望があれば、すべてセレイブ様が負担してくれるようです。
社交はしなくても良いそうですし、なんと食事のリクエストまでしてもいいと書いてあります!
「これは本当にお仕事の契約ですか? もてなされているだけの気がしますが」
「ここを見てくれ」
「ミュナの通訳、そしてセレイブ様と婚姻関係を結ぶこと……」
「そう。これはリシェラにしか任せられない重要な仕事だ。他に要望はないか?」
「ありません。ここまで良い条件ですと、もう願いはすべて叶ったようなものです」
「そうか?」
なぜかセレイブ様は少し残念そうに見えます。
でも私にとっては自分の力を悪用されずに暮らせるだけで素晴らしいことです。
ソディエ王国では動物、特に魔獣に関しての情報がほとんど排除されていました。
「そういえば……私、魔獣の本を読んでみたいです」
「わかった。リシェラのために書斎を用意する。それに新居の内装や庭など、こだわりたいところは望むようにしてくれ」
「ありがとうございます!」
私は自分にとってよいことしか書かれていない契約書にサインをしました。
今から雇用契約がはじまったのですね、がんばります!
「セレイブ様の用件はこれで終わりですか?」
「いや、ここからが本題だ」
セレイブ様から、私が気になっていたあの小箱を渡されます。
開けてみると、そこには一口程度の大きさの、小さな銀と青のバラの花がふたつ並んでいました。
「これは、チョコレートで作ったお花……!?」
その証拠に、きめ細やかなカカオパウダーが振りかけられています。
これは私の髪と瞳の色をイメージしたもの、飴細工の指輪と同じ「独占」と「誓い」を意味する組み合わせです。
「俺たちの婚約は朝食のときに報告する。だが今は一口だけ、ふたりで祝おう。受け取ってくれるか?」
「はい、ぜひ!」
久々のチョコレートに胸が高鳴ります。
でも本物のお花と見間違えるほど綺麗なので、食べるのがもったいない気もしてきます。
でもその味が気にならないといえば嘘です。
でも……。
「リシェラ、目をつぶってごらん」
「は、はい」
「あーんと口を開けてごらん」
「あーん」
口の中に不思議な形がやって来ました。
「これは……!」
口の中で、なめらかな甘さが心地よく溶けていきます。
なんて幸せな味なんでしょう。
「その顔は俺だけのものにしたかったからな」
目を閉じて甘いひとときを堪能している間、セレイブ様のかすかに笑う気配がしました。
◇
「これでもう、マリスヒル伯爵領に滞在する理由はなくなった」
私たちは朝食を終えると、ソディエ王国のマリスヒル伯爵領から、セレイブ様の暮らすティラジア王国のロアフ辺境伯領へ向かうために馬車に乗りました。
『いちねんかん、リシェラいっしょ?』
「はい。これから春が来て、夏、秋、冬の全部の季節を過ごすと一年間です。春が来ると次の年になります」
ミュナは私とは近々別れることになると感じていたようです。
大きな目をキラキラさせて、喜んでくれているのが伝わってきました。
『たくさんいっしょ、うれしいね!』
ロアフ辺境伯領へ向かう道中、私はミュナと外の景色を見ながら話したり、セレイブ様からロアフ領に棲む動物について聞いたりしました。
ただミュナはセレイブ様と目が合うと顔を背けるので、通訳をすることはあまりありません。
そして馬車の旅をはじめて二日目、セレイブ様のご両親が暮らすロアフ辺境伯邸宅へ着きました。
そこは雄大な山々の自然に囲まれた邸宅で、マリスヒル伯爵邸とは比べ物にならないほどの大きさです。
セレイブ様はすでにお手紙を送って、ご両親であるロアフ辺境伯夫妻に婚約の事情を説明しています。
ただ一年更新の契約結婚のことは話していないそうです。
それでもミュナの心の安定を第一優先するために結婚式をしないことも理解を示してくれて、セレイブ様を信頼して尊重してくれるご両親だと感じました。
私はずらりと並んだ使用人たち、そして出迎えてくださったロアフ辺境伯夫妻から歓迎を受けました。
ロアフ辺境伯はミュナのような赤髪にセレイブ様とよく似たアイスブルーの瞳、ロアフ辺境伯夫人はセレイブ様とそっくりの銀髪に黒色の瞳をしています。
私と手を繋いだミュナは、以前に別荘へ帰ったときほど人を恐れていません。
『ひと、たくさんいるね』
「はい。ミュナのことも歓迎してくれていますよ」
私は歓迎を受けつつも、強い視線を感じていました。
特にセレイブ様がそっと支えてくれている、私の肩のあたりです。
ロアフ辺境伯は上に立つ者特有のいかめしい声で、セレイブ様を問いただしました。
「セレイブ、おまえになにがあったんだ?」
「ミュナの通訳ができる女性を見つけました」
「それは喜ばしいことだが、そうではなく。おまえになにがあったのかと聞いている」
「リシェラ、やはり妙に思われているようだ」
「で、でも足元が汚れるからといって、外出中ずっと私のことを抱き上げようとするのはちょっと……」
「いや本当になにがあったの」
ロアフ辺境伯は夫人と顔を見合わせています。
やはりセレイブ様の親切を拒んでいるので変に思われているのでしょうか。
ロアフ辺境伯は軽く咳払いをすると、再び厳かな口調で話しました。
「ともかくリシェラ、よく来てくれた」
「ふふ。リシェラちゃんがセレイブを変えてくれたのね」
ジンジャーがこっそり教えてくれたのですが、ロアフ辺境伯夫妻はセレイブ様の負担を考えて言わないようにしつつも、彼が婚約者を連れてくる日を楽しみにしていたそうです。
私は婚約者という役目を全うすることで、ロアフ辺境伯夫妻に安心していただきたいと思います。
「リシェラ、君が私の邸宅に滞在する間、喜んでもてなしたい。そして相談なのだが、折り入って頼みたいことがある」
「実は私も……」
ロアフ辺境伯夫妻からの申し出に、彼らの使用人たちから「なるほど!」「リシェラ様ならきっと……!」と明るい声が聞こえてきます。
私はもちろん頷きました。
「はい、ぜひお聞かせください」
でもおふたりは世界中から見ても重要な立場であるロアフ辺境伯夫妻です。
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