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ま、私には関係ないか。
それより王太子の箱庭ってそんなにレアだったのね、気をつけなきゃ。
「リリエナ様、申し訳ありません。またしてもあのような」
「あ、いえ、大丈夫です。ですけど、気のせいかもしれないんですが、さっきの人に黒いモヤモヤっとしたものが見えたので気になって」
「え?」
オーガストさんは顎に手をやり、黙ってしまった。何か考えているようだ。
「先日もいるはずのない所にいました、気になりますね。リリエナ様、少し外してもよろしいか?殿下に伝えてまいりますので、リリエナ様は部屋から出ないようお願いします」
「わかりました」
オーガストは足早に扉の向こうに消えた。
一人になるとソファに深く座り、靴を脱いで体育座りの姿勢をとった。
あの黒いモヤモヤ、オーガストさんはやっぱり気付いてなかったな。
気のせいじゃないわよね、怒りのオーラのように立ち昇る禍々しい黒いもや。
私が聖女だから見えたのかしら、聖属性が強いから。
あれ、あの令嬢瞳の色が違うって気付いたのに、聖女だと思わなかったのかな。
この世界の人なら知ってるはずよね、金色がどういう意味か。
気付いたけど怒りが勝っていたとか?
と、その時扉の向こうからうめき声とドサッという音が聞こえ、そして、コンコンとノックの音が聞こえた。
嫌な予感しかしないわ、無視・・は出来ないわよね。
諦めて足を下ろし、扉に近づくとゆっくり開けた。
全開する前にヌッと手が滑り込んでリリエナの手首を掴んできた。
「えっ」
「ごきげんよう、リリエナ様」
そのまま奥に押しながら、マヌエリタが入ってきた。
「痛っ、離して」
跡が残りそうな程強い力で掴まれていて、振り解けない。
「貴女は何なの、その瞳の色は聖なる方の色。そんなのズルイ!消えて下さる?」
マヌエリタの体から、またあの黒いモヤモヤが現れ全身を包み、リリエナの手首をねっとりと覆った。
ゾゾゾと悪寒が走り、暴れてみるが掴まれた手は外れない。
や、ヤバい、どうしよう。
「聖女だなんて認めないわ!」
リリエナは咄嗟に魔法を出せないでいた、その隙を突かれ、首を掴まれグッと締められる。
殺される!
「リリエナ!」
声と共に首が解放され、崩れ落ちるリリエナの身体は誰かに受け止められる。
「ぐ、げほっ、ごほっ・・・はぁ。・・で、殿下?」
「すまない遅くなった」
マヌエリタは?と見渡すと、オーガストさんに腕を背中で固定された状態で確保されていた。
それより王太子の箱庭ってそんなにレアだったのね、気をつけなきゃ。
「リリエナ様、申し訳ありません。またしてもあのような」
「あ、いえ、大丈夫です。ですけど、気のせいかもしれないんですが、さっきの人に黒いモヤモヤっとしたものが見えたので気になって」
「え?」
オーガストさんは顎に手をやり、黙ってしまった。何か考えているようだ。
「先日もいるはずのない所にいました、気になりますね。リリエナ様、少し外してもよろしいか?殿下に伝えてまいりますので、リリエナ様は部屋から出ないようお願いします」
「わかりました」
オーガストは足早に扉の向こうに消えた。
一人になるとソファに深く座り、靴を脱いで体育座りの姿勢をとった。
あの黒いモヤモヤ、オーガストさんはやっぱり気付いてなかったな。
気のせいじゃないわよね、怒りのオーラのように立ち昇る禍々しい黒いもや。
私が聖女だから見えたのかしら、聖属性が強いから。
あれ、あの令嬢瞳の色が違うって気付いたのに、聖女だと思わなかったのかな。
この世界の人なら知ってるはずよね、金色がどういう意味か。
気付いたけど怒りが勝っていたとか?
と、その時扉の向こうからうめき声とドサッという音が聞こえ、そして、コンコンとノックの音が聞こえた。
嫌な予感しかしないわ、無視・・は出来ないわよね。
諦めて足を下ろし、扉に近づくとゆっくり開けた。
全開する前にヌッと手が滑り込んでリリエナの手首を掴んできた。
「えっ」
「ごきげんよう、リリエナ様」
そのまま奥に押しながら、マヌエリタが入ってきた。
「痛っ、離して」
跡が残りそうな程強い力で掴まれていて、振り解けない。
「貴女は何なの、その瞳の色は聖なる方の色。そんなのズルイ!消えて下さる?」
マヌエリタの体から、またあの黒いモヤモヤが現れ全身を包み、リリエナの手首をねっとりと覆った。
ゾゾゾと悪寒が走り、暴れてみるが掴まれた手は外れない。
や、ヤバい、どうしよう。
「聖女だなんて認めないわ!」
リリエナは咄嗟に魔法を出せないでいた、その隙を突かれ、首を掴まれグッと締められる。
殺される!
「リリエナ!」
声と共に首が解放され、崩れ落ちるリリエナの身体は誰かに受け止められる。
「ぐ、げほっ、ごほっ・・・はぁ。・・で、殿下?」
「すまない遅くなった」
マヌエリタは?と見渡すと、オーガストさんに腕を背中で固定された状態で確保されていた。
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