屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか

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第九部『天涯地角なれど、緊密なる心』

一章-7

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   7

 カウンターの中にいたのは、意外なことに中年の女性だった。
 栗色の髪をアップに纏め、青い目に口紅も赤。地味な茶色のワンピース型のチェニックに、防寒のためか厚手のチェニックを重ね着し、その上からエプロンをしていた。
 俺とムンムさんがカウンターに座っても、店主らしい女性は愛想どころか、注文の確認すらしてこない。
 しばらく待ってみると、その店主が渋々といった表情を向けてきた。


「あんたたち、常識ってものがないのかい?」


「え? えーっと……」


「あら? もしかして、こちらから注文をお伝えしなくてはいけませんの?」


 ムンムさんがのんびりと問い掛けると、店主は僅かに目を見広げた。


「おやまあ、随分とお上品なのが来たもんだ。ここはいつから、お遊戯会場になったんだろうね」


 芝居がかった仕草で店主が肩を竦めると、周囲の客から失笑が漏れた。
 要するに、俺たちのような者は場違いだと言いたいらしい。俺は腰袋から銀貨を一枚だけ取り出し、カウンターの上に置いた。


「それじゃあ、注文を。俺は蒸留水を。彼女は――」


「サークレント産ワインがあれば、それを」


 俺たちの注文を聞いて、店主は呆れた顔をした。


「まったく、わかってない。そんな上品なもん、置いてあるわけないだろう? ここにあるのは、安酒に安酒、そして安酒さ。ま、水くらいなら売ってもいいが、それ以外は安酒しかないよ」


 店主の投げやりな言葉に、俺とムンムさんは顔を見合わせた。なるほど、ここの流儀をわかっていない以上、場違いと言われても仕方ない。
 俺は小さく頷きながら、「じゃあ水で」と返答をした。
 ムンムさんは、安酒という言葉に興味を抱いたのか、少し目を輝かせていた。


「それでは、安酒と安酒を下さいな」


 ポンと手を合わせるムンムさんの注文に、店主は肩を竦めながら背を向けた。
 しばらくして、木のジョッキに注がれた水と、エールと蜂蜜酒らしい酒の注がれたジョッキが俺たちの前に置かれた。
 店主は銀貨を引っ掴むと、代わりに十数枚の銅貨を置いた。ぼったくりと言って良い価格だが、ここは我慢だ。
 俺は釣りの銅貨を腰袋に入れると、代わりに新たな銀貨を取り出した。


「もう一つだけ注文をしたいんですが、いいですか?」


「なんだい? 水か酒か――」


「情報を」


 俺が小声でした注文に、店主の表情が険しくなった。
 銀貨に伸ばしかけた手を止め、代わりに指先でカウンターの縁を叩き始めた。


「……うちは、酒場なんだけどねぇ。そういった、酒以外のものは売ってるつもりはない」


「売ってないなら、タダで教えてくれてもいいんですけどね。昨晩、《一番通り》の宝石店を襲った強盗について、知ってることを教えて欲しいんですが」


「だから、あたしがそんなことを知るわけないだろ?」


「盗品を売りさばくには、この店で認められる必要がある――っていう噂は、町のやんちゃな奴らでも知ってることです。となれば、奴らはこの店に来た可能性が高い――と思うんですよ」


 俺は腰袋から、もう一枚の銀貨を出した。これでニコン。手元にある銀貨は、残り二枚だけ。これ以上、情報量を払うのは俺も辛い。
 二枚でなんとか納得してくれたら――と願っていると、店主は俺を睨んできた。


「例え、知ってたとしてもだよ? 素性も知れないヤツに教えると思うのかい」


「素性は知らないかもしれませんけど……あの《地獄の門》を壊滅させた集団の噂くらいは聞いてません? 俺はその一人なんですよ」


 衛兵でも《地獄の門》という野盗の集団が壊滅したことを知っていた。裏社会の人間なら、この話は有名に違いない――と思ったんだが、店主は俺の話を鼻で笑った。


「あんたみたいなことを言う手合いは、あれから何十人と見てきたさ。大ボラなんかに、騙されると思ってるのかい?」


 ……なるほど。ある程度の実力は見せないと、信じてくれないわけか。
 俺は少し考えると、店主へ後ろ手に扉のある方向を示した。


「俺の実力なら、外を見てくればわかると思いますよ。ついさっき、強盗の住む家の壁を木っ端微塵にしてきたばかりですしね」


「は? なんなんだい、そりゃ――」


「そいつの言ったことは、本当だ。さっき、そいつらを取り囲んだ奴らをなにかの《スキル》で叩きのめした上に、通りに面した家の壁を吹っ飛ばしてたんだ」


 客の一人が、先ほどの顛末を店主に話してくれた。どうやら、あの騒ぎを野次馬していたヤツが、ここに飲みに来ていたらしい。
 証人がいたことで、店主が俺を見る目が僅かに変わった。
 俺は好機とばかりに、店主に《地獄の門》について話をすることにした。


「なんなら、《地獄の門》の親分の名前や容姿、ヤツが持っていた魔物を召還する杖の顛末も教えますよ」


「あんた……まさかだろ?」


「その判断は、お任せしますけどね。ただ、《地獄の門》がいなくなったお陰で、仕事をし易くなった人なんかもいるでしょうし。少しくらいは恩を感じてくれてもいいんじゃないですかね」


 自分でも、強引すぎるとは思っている。
 ここにいる全員が盗人や犯罪者とは限らないけど、売人の仲介をしているらしい店主には効果があるかもしれない。
 そんな俺の予想は的中したようで、店主の目が僅かに揺れた。
 しかし、すぐに大きく首を横に振った。


「その点については、こっちも感謝する部分はあるさ。あんたが《地獄の門》を討伐したってのが本当かどうかは別としてね! だけど……あたしらには、あたしらの流儀や掟がある。関わった奴らのことを、おいそれと話すわけにはいかないね」


「それは、ダッダリーア・ファミリーの掟ってことですか?」


「あんた……どこで、その名を知ったのかまでは聞かないけどね。ただ、五体満足で町を出たけりゃ、その名をおいそれと口にするんじゃないよ」


 忠告というよりは、脅しに近い口調だ。
 ダッダリーアという名は、裏社会でかなりの力を持っているようだ。これは、中々に手強いぞ――と心の中で溜息を吐いたとき、ムンムさんがゆっくりと口を開いた。


「あのぉ? 例えばなんですが、外見的な特徴や名前は無理でも、この店に最後に来た日とか、何人組とか、そういった曖昧なことだけでもいいんです。教えて頂けませんか?」


 ムンムさんの頼みに、店主は訝しむように目を細めた。
 どうやら彼女の真意を探ろうとしたようだが、目だけを覗かせたニカブという衣服を着ているムンムさんの表情を探るのは困難だ。
 目はにこやかだし、声もおっとりとしているから、他意があるようには思えない。
 店主は少しだけ考えると、小さく溜息を吐いた。


「まあ、力ずくで追い出す――にしても、そっちの男が本当に《地獄の門》を討伐した奴らの仲間なら、こっちの被害も大きくなりそうだしね。良いだろう、二つだけ教えてやるよ。
 一つは、二人組。本当はもっと仲間がいたんだが、今は二人だ。そして、最後に店に来たのは今日の早朝だ」


 これで教えられるのは最後だ――ということらしい。店主は俺たちに背を向けると、ジョッキを洗い始めた。
 ムンムさんは店主へと無言で頭を下げてから、店の扉を指さした。


「出ましょうか。これ以上は、なにも得られないと思いますし」


 その意見には、俺も同感だった。
 二人で店を出ると、俺たちは《六番通り》を歩き始めた。


「……なんか、無駄足だったかな」


「あら。そう悲観することはありませんわ」


 そういって微笑むムンムさんの目が、琥珀から赤に変色していた。

 充血ではなさそうだけど、なにがあったんだ? 

 俺が少し驚いていると、ムンムさんの目から感情が消えた。
 立ち止まって空中の一点を見つめるように、しばらく目を凝らしていた。その目が俺へと向けられたとき、目の色は元の琥珀色へと戻っていた。


「なんとなくですが、わかりました。彼らは、《四番通り》の酒場にいます」


「本当ですか?」


「ええ。わたくしの《魔力の》……《スキル》は、〈幻視〉なんです。あの情報から〈幻視〉が使えるかは、少し賭けでしたけれど。でも、周囲の景観は確かに、《四番通り》の酒場です。人相も把握しましたので、今すぐ行きますか?」


「もちろんです」


 俺はムンムさんに連れられ、《四番通り》へと移動を始めた。
 目的の酒場は通りに面しているお陰で、すぐに見つかった。酒場へと歩く途中で、ムンムさんが「あ」と立ち止まった。


「あの二人……今、酒場から出てきた二人がそうですわ」


 薄汚れたチェニックに外套を羽織った二人組だ。酔っ払っているのか、足元はややフラフラで、二人で肩を貸し合っていた。
 俺は早足で二人に近寄ると、背後から声をかけた。


「お二人さん。やけに羽振りが良さそうだな」


「あん? 誰だ、あんた」


 酔いの回った顔を向けてきた男の顔は無精髭で覆われていて、清潔感などは皆無だ。
 俺は胸中から湧き上がる敵意を抑えながら、質問を無視した。


「宝石店を襲って、たんまり儲けたんだろ? いくらになったんだ?」


「な――」


「お、おい。こいつ、ランドなんとかってヤツだぜ」


 男たちは俺へと向き直ると、フラフラの身体で両拳を構えた。


「てめぇ……良いところで会ったぜ」


「てめえは、俺たちがぶっ飛ばしてやるぜぇ」


 なにか知らんけど、向こうは俺のことを知っている上に、やる気満々だ。
 俺は〈筋力増強〉を使いながら、男たちの挑戦を受けることにした。先に殴りかかってきた左の男の腕を払いつつ、腹部を殴りつけた。
 くぐもった声をあげて地に伏す男を尻目に、右側の男の拳を受け止めると、そのまま腕を捻り上げた。


「いでで……」


「さてと、幾つか質問がある。先ず、奪った宝石はどうした?」


「誰が教え――いでででっ!」


「素直に教えたほうがいいぞ? じゃなきゃ、問答無用で腕と指を折る。二度と強盗どころか、物乞いしかできない身体にしてやるからな」


 俺の脅しは、酔っ払った頭には効果的だったようだ。
 男は痛みを堪えながら、ぎこちなく頷いた。


「わ――わかった。喋る、喋るから……宝石は、裏の取引所で売っぱらったさ」


「……だろうな。その売った金はどうした」


「朝から賭博へ行って、ほとんど巻き上げられちまったよ! 残りは、そこの店で飲んでお終いだ」


 ……この野郎ども。あぶく銭は遊んで終わりかよ。

 そんな文句を心の中で言いまくってから、俺はとりあえずは最後の質問をした。


「それじゃあ、次の質問だ。なんで、俺の名を知っている」


「それは……おまえを襲えとか、宝石店を襲えって依頼をしてきた男が言ってたんだ」


「依頼をしてきたって……どんなヤツだ?」


「詳しくは知らねえよ! ただ、異国の服を着てたな……こんな時期なのに、かなりの薄着だったしな」


 要するに、こいつらは単に俺を襲うよう依頼されただけってことか。宝石店を襲ったのも偶然じゃなく、そいつが黒幕だったわけだ。
 俺はそんなに恨みを買うようなこと――堅気にはしてないと思うんだけどな。
 心当たりがあるとすれば、兵士崩れの野盗か、《地獄の門》や野盗の生き残りってところか。
 どちらにせよ、根っこは深そうだ。
 俺は二人組を縛り上げると、ムンムさんに状況を説明した。指輪の代金だけでも回収したいんだがな……それも難しくなってしまった。
 八方塞がりな状況に、俺は少し絶望感を覚えていた。

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本作を読んで頂き、誠に有り難う御座います!

わたなべ ゆたか です。

さて、次回から二章突入なわけですが。引きばっかりで、余り回収してない気がします。

本編で蜂蜜酒が安酒と書きましたが……現実では、そこそこのお値段がしますよね。

魔術の儀式なんかでも蜂蜜酒が用いられたり……っていうのは、クトゥルフだけでしたっけ? ちょっと記憶も曖昧です。

……また魔術関係の書籍は読み直さねば。

ハスター様に申し訳がありm(以下、ああ窓に窓に! 案件のため強制終了

少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

次回もよろしくお願いします!
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