屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか

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第九部『天涯地角なれど、緊密なる心』

一章-1

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 一章 誓いの指輪は近くにない


   1

 インムナーマ王国の外れに、メイオール村はある。
 村にある小さな教会の中で俺、ランド・コールは古い羊皮紙を前に、イヤな汗を流していた。
   少し耳が隠れかけているヘーゼルブラウンの髪に、光の加減では紫にも見えるらしい瞳。全体的な容姿は……世の平均くらいだと思う。
 人の世では珍しい神糸で縫製された上下の衣服を着て、教会の中でも防寒用のマントを羽織っている。
 小さい木製のテーブルの対面には、神父のジム・スミスさんが座っていた。俺が下からマントの前を合わせると、申し訳なさそうな顔で微笑んだ。


「お寒いでしょうが、暖炉が御座いませんので……申し訳ありません」


「いえ、寒さも緩んできてますから、まだ大丈夫です。でも……」


 俺は羊皮紙に書かれた項目と数字の羅列から目を離すと、恐らく……いや、間違いなく引きつった笑みを返していた。


「……結構、かかるんですね」


「大半の人には、一生に一度の晴れ舞台ですもの。豪華に――というと語弊があるけれど、楽しく美しい思い出になるようにしたいじゃない?」


 畳み掛けるように言ってきたのは、今まで別の机で革袋の中を確かめていたシスター・マギーだ。
 痩せてはいるが快活そうな顔立ちの彼女は、青い目を見広げた笑みを浮かべていた。
 俺はそんなシスター・マギーから、羊皮紙に目を戻した。
 羊皮紙には、婚礼の式に必要な、寄付や必要経費が記載されていた。その金額と項目の数は、俺の予想を遙かに上回っていた。
 再び目を戻すと、シスター・マギーはにっこりと微笑んだ。


「そんな心配しなくても、大丈夫! 持って来て頂いた分で、丁度足りていますから」


 その言葉を聞きながら、俺は別のテーブルに置かれている三つの小さな、今はぺたんこになっている革袋と、銅貨の山へと目を移した。

 ……そっか。念のため多めに持ってきたつもりだったけど……ギリギリだったんだ。三割くらいは、余ると思ったんだけどなぁ。

 その視線に気付いたのか、シスター・マギーは含みのある笑みを浮かべた。


「ほら、あたしにとってはセラは娘みたいなものですしね。あの子にとって、幸せな式になって欲しいと思ってるの。あなただって、セラが悔いを残しそうな式にはしたくないでしょ?」


 なんだろう。シスター・マギーは笑顔なのに、今まで戦ってきた強敵たちに負けないほど――圧が強い。
 それにセラの名を出された以上、所謂『ぐうの音も出ない』状況に追い込まれたわけである。
 ある種の敗北感というのだろうか? 打ちのめされたような、でも伴侶となる彼女たちのためという気持ちも混ざった、複雑な気分を抱きながら、俺はジムさんとシスター・マギーに頷いてみせた。


「では、それでお願いします」


「わかりました。では、こちらでできる段取りは、進めさせて頂きます」


 ジムさんは苦笑しながら、でも少し安堵したような表情で羊皮紙を畳み始めた。


「ランドさんたちで御用意して頂く物もありますが、準備は進められているでしょうか?」


「用意する物……なにがあるんですか?」


「そうですね……最低限、女性のかたが身につけるベールでしょうか。衣装については、普段着ということも少なくありません」


「でも一生に一度のことだから、婚礼衣装は用立てたほうがいいと思うの」


 ジムさんのあとを継いで、シスター・マギーが満面の笑みで言ってきた。
 俺は最近の様子を思い出しながら、二人に微笑んだ。


「衣装については、二人の分は準備をしている最中です。再来月の式には、間に合うって話ですね」


 俺と式を挙げる二人の女性――瑠胡とセラの衣装は、それぞれに関わりある者たちが進めている。
 瑠胡は紀伊たちが白無垢という着物を。セラのドレスは、かつて所属していた《白翼騎士団》の面々によって手配されているようだ。
 俺の分は、特に気にしてない。王族や貴族ならともかく、一般の男性は婚礼衣装を着ないことが多い。
 着飾ることに無関心なこともあるだろうが、主に金銭的な理由だ。教会に納める費用も考えると、花嫁が着飾るだけで精一杯になるんだと思う。
 俺の返答に、ジムさんは微笑みながら頷いた。


「あとは、誓いの指輪でしょうか」


「指輪……結婚指輪ってやつですか?」


「必ずしも指輪である必要はありませんが……一般的には、指輪にされるかたが多いですね。そちらも式で使用しますから、御用意をお願いします」


 指輪か。正直、俺は装飾品には詳しくない。どんなのが良いか――というより、どんなものが二人に似合うかという判断が、できるとは思えなかった。
 俺は少し迷った挙げ句、ジムさんに訊いてみた。


「その指輪は……瑠胡やセラと選んでいいんですよね?」


「それは……」


「あら。結婚指輪というのは、男性が夫婦として相応しいと思う物を選ぶものなの。だから、セラたちに相談してはダメよ」


 ジムさんの言葉を遮ったシスター・マギーの説明に、俺は困惑の色を隠せなかった。
 教会を出た俺は、真冬のよりは寒さの和らいだ空気の中、盛大な溜息を吐き出しながら、メイオール村を見回した。
 俺がメイオール村に住むようになったのは、身に宿した《スキル》が覚醒――正しい表現ではないが――したのが原因だ。
 相手のもつ《スキル》や技術を奪い取る〈スキルドレイン〉。それを忌むべきだと判断され、俺は住んでいた王都タイミョンを追放になった。
それから色々あったわけだが――ドラゴンである天竜族の姫君、瑠胡と恋仲になったのを切っ掛けに、俺を取り巻く環境が一気に変わっていった。
 つがい――つまり瑠胡と夫婦になるために、俺も天竜族へと昇華した。同時期に《白翼騎士団》のセラも天竜族となって、俺や瑠胡とともに、村に建てられた天竜族の神殿で暮らしている。
 村に追放になったあとに始めた手伝い屋は、今も続けている。これは税金だったり、村で生活に必要な品を買ったり、貯蓄をするためにも金銭を稼ぐ必要があるからだ。
 その貯蓄も、今日だけで半分以上を失ったんだけど。
 俺は村を軽く廻ってから、神殿へと戻った。
 自分の部屋へ戻る前に瑠胡やセラの部屋に寄ったけど、二人ともいなかった。どこへ行ったんだろう……と迷っていると、上の階から歓声が聞こえてきた。
 誰か来ている――声からして、《白翼騎士団》の連中だろうか?
 なにをしに来たんだと思いながら、俺は三階の修練場へと上がった。


「あ……ランドさんが帰ってきましたよ」


 そう告げたのは、騎士の身につける軽装備に身を包んだユーキだ。茶髪のお下げに、少し気の弱そうな顔立ちは相変わらずだ。だけど今は、なにかに興奮しているように、高揚とした表情をしていた。
 その声にいち早く反応したのは、長い黒髪の少女だ。
 今日は赤に桃色、黄色の順に着物を重ね着にしている。黒蜜を思わせる黒髪に、白い肌。珍しいピンクゴールドの瞳は標準よりも大きめで、今日は薄い桃色の紅を塗っている。
 立場上、まだ俺とは恋仲であり婚約者である天竜族の姫君、瑠胡だ。
 瑠胡は手にした白い衣から目を上げると、俺に微笑んだ。


「ランド、おかえりなさい。さあ、こちらへ」


 瑠胡は袖からちょこんと出た白い手で、手招きをしてきた。
 俺が近寄ると、瑠胡は白い衣を見せてきた。それは俺の目で見ても、豪華な衣だとわかる一品だ。
 純白の生地に、銀糸で花々の刺繍が施されている。


「これは……婚礼衣装ですか?」


「ええ。やっと用意が調いましたの。セラのほうも今、ユーキが届けてくれたばかり」


「そうなんですか、セラ?」


 俺が振り返ると、セラは顔を上げた。
 今は背中の下あたりまで伸びた黒髪に、ほどよく引き締まった顔立ち。普段は凜としていることの多い彼女だが、今はどこか夢心地のような表情をしていた。


「……はい。これを見て下さい」


 セラが見せてきたのは、こちらも純白のドレスだ。レースやフリルを潤沢にあしらったドレスには、真珠の飾りが施されていた。
 こちらも、かなり豪華な品になる。


「こちらも綺麗ですね。これを、騎士団が?」


「ええ。皆が、わたしのために王都で仕立てさせたと。今朝に到着したものを、すぐに届けてくれました」


「そうなんですか。ありがとな、ユーキ」


「いえ、その、あたしだけで準備したわけじゃありませんから」


 少し照れたように俯くユーキに、俺は室内を見回しながら言った。


「でもさ、ユーキ一人で届けに来るなんてな。せめてレティシアくらいは来てもいいだろうに」


「……団長は、その、公務がありますから。クロースさんたちは見回りですし、キャットさんは届けてくれたミィヤスさんに、御礼を言いに行ってます」


「へえ、ミィヤスが帰ってきてるのか」


 ミィヤスは、行商人だ。
 元々は俺と同様にメイオール村の住人ではなかったが、諸々の事情があって、今は兄弟たちと、ここに居を構えている。
 でも……これは指輪ことを相談するのに、丁度良いかもしれない。


「すいません。ちょっとミィヤスのところに行ってきます。指輪のこととか、相談したくて」


「指輪……ああ、なるほど」


 セラはすぐに納得した顔をしたが、瑠胡には意味が伝わらなかったようだ。婚礼の式で必要なことを告げると、理解はしたものの納得していないような顔をした。


「指輪より、側にいてくれたほうが嬉しいのに」


 そんな呟きが聞こえてきて、俺は嬉しくてにやけそうになってしまった。だけど、行商をしているミィヤスは、すぐにでも旅立つかもしれない。
 会えるうちに、相談はしておきたかった。
 俺は神殿を出ると、まっすぐにミィヤスの家へ向かった。
 キャットと入れ替わりだったらしい俺の訪問に、ミィヤスは驚きながらも相談には乗ってくれた。
 人の良さそうな顔つきだけど、商売に関することになると、ミィヤスは真剣だ。


「結婚指輪なら……値段によってピンキリだけどね。でも最近の流行は、宝石の飾りがあるものかな」


「宝石……って、かなり高価じゃないのか?」


「もちろん、高価だよ。でも、ある程度裕福な家柄なら、ほとんどが宝石をあしらった指輪になってるはずだよ」


「マジか……あ、でもさ。さっき村の中を見て廻ったけど、そんな指輪を扱ってる店はなかったぞ」


「それは、あたりまえだよ。もっと大きな町へ行かなきゃ。そうだな……メイオール村から一番近いのは、ゼイフラム国のサンクマナって町かな。ハイント領の領主街へいくより、半分の日数で行けるから」


「……そっか。メイオール村は国境の側だし。そっちのほうが近いのか」


「そういうこと。なんなら、ゼイフラム国の通貨に両替もするけど……」


「ありがとな。助かるよ」


 俺はすぐに神殿に戻ると、ミィヤスと相談しながら、小銭入れ用の革袋二つ分の銅貨を両替した。
 瑠胡やセラへの説明は居るだろうけど、俺はサンクマナまで指輪を買いに行く決心を固めていた。

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本作を読んで頂き、まことにありがとうございます!

わたなべ ゆたか です。

今年も12月となり、冬本番――ですが、本作中では冬はもう終わりが近いです。このギャップに、書いていて違和感が半端ないです。

平和的な内容で始まった第九部でございます。書けることは少ないですが……結婚費用って、高いですよね、ホントに。

余談ですがプロローグ……なんで「アップです」まで書いたし、自分(滝汗

まことに申し訳ございませんでした。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

次回も宜しくお願いします!
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