屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか

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第六部『地の底から蠢くは貴き淀み』

四章-5

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   5

 屋敷は石造りであるため、床も石材が敷き詰められている。領主や客人が往来する部分は絨毯が敷かれているが、使用人や兵士しか通らない場所は、石材が剥き出しのままだ。
 俺やラストニー、それにマナサーさんはともかく、瑠胡とセラの足音には問題があった。
 着物に合わせた履き物が、木製の下駄――正式にはぼっくり下駄というらしい――であるため、歩く度に音が鳴る。
 ラストニーは地下牢を出る寸前の瑠胡とセラに、胴の高さまで両手を挙げてみせた。


「あの――お二人は、ここで見張りを頼みたいのですが……」


「ほう? 妾とセラは邪魔だと申すか」


 スウッと目を細める瑠胡に、ラストニーは苦笑した。


「その……足音さえ、なんとかしていただければ」


「なるほどのう。なれば、容易なことよ。セラも、もう慣れたでしょう?」


「――できるとは思います、瑠胡姫様」


 瑠胡とセラが互いに頷き合った直後、二人の下駄が僅かに揺れた。
 そして二人して三歩だけ歩いてみせたが、先ほどまで鳴っていた木靴のような音は消えていた。
 驚くラストニーに、瑠胡は口元に勝ち誇った笑みを浮かべた。


「これで、問題はあるまい」


「え、ええ……まあ」


 ラストニーは困惑した表情で俺を振り返ったが、こちらとしては肩を竦めて応じるしかやりようがない。
 着物もそうだが、下駄も神糸と同系統の素材らしいから……このくらいの芸当はできるんだろうな。

 ……俺も初めて知ったけど。

 ともかく、俺たちは先ず、フレシス令室男爵の執務室へと移動を始めた。
 屋敷の周囲――庭や城壁の周りだ――は、兵士が巡回しているが、内部となると人の往来はほとんどない。
 まれに使用人が仕事をしていたり、廊下を見回る兵士の姿を見かける程度だ。
 地階から一階へと出た俺たちは、廊下を移動するランプの灯りに警戒しつつ、二階への階段を登った。
 ラストニーの案内で執務室の前へと進む途中、前方の角から漏れるランプの灯りが、廊下を照らし始めた。巡回の兵士か使用人かが、こちらへ向かっているようだ。
 ラストニーは小さく舌打ちしてから、近くのドアを開けた。


「こちらへ」


 半分ほど空けたドアから、俺たちは順に部屋の中に入った。
 窓から月明かりが差し込んでる室内を見回す限り、ここは食堂のようだ。長テーブルに一〇を超える椅子が並び、周囲の壁には一定間隔で燭台が並んでいた。
 最後に入った俺がドアを閉めてから、二〇を数えるころ、廊下から固い足音が聞こえてきた。
 金具が鳴る音や、金属同士が擦れる音――どうやら廊下を歩いているのは、巡回の兵士らしい。ゆっくりとした足取りが遠ざかったが、いつ戻って来るか読めない。
 俺は足音が小さくなってから、ラストニーに問いかけた。


「巡回の数は?」


「二人のはずだ。常に、対角になるよう歩いている」


「それじゃあ……次にドアの前を通り過ぎたら、部屋に引きずり込んで気絶させれば、時間稼ぎはできそうだな」


 瑠胡やセラを目配せをした俺は、ドアノブに伸ばそうとした。しかしラストニーが、そんな俺の腕を掴んできた。


「早まるな。話には続きがある。巡回の途中で、兵士の隊長が控えている。巡回の兵士が帰ってこない場合、彼が呼び子を鳴らすはずだ」


「また、厄介な規則を――」


 この念の入れようは、ただごとじゃない。なにかを隠している――もしくは、そこまでして護りたい、財産でもあるのだろうか?


「それで、ランド様。如何なされますか?」


「執務室の場所がわかれば、そこまで〈隠行〉で行くんですけどね。施錠されてたら、〈断空の風〉で壊して侵入――とか」


「それでは、破損した鍵で潜入がばれてしまう。鍵は母が持っているから、先に取りに行くという手もあるが……衛兵を呼ばれてしまうかもしれない。どちらにせよ、単独行動は危険だ」


 ラストニーは、あくまでも慎重論だ。
 数秒間の沈黙のあと、マナサーさんが息を吐いた。


「もういっそ、巡回の兵と隊長の三名を順に気絶させて、執務室まで強行突破しませんか? そのほうが、むしろ安全な気がします」


 予想外の方向から武闘派な意見が出てきて、俺とラストニーは揃って絶句した。マナサーさん、地竜族の姫のはずなのに、そこいらの傭兵よりも男らしい。
 ある意味では、正論なんだが……ああ、無理をして危険を犯すよりは、一番の正論かもしれない。
 瑠胡とセラを見れば、二人ともまったく気後れのない顔をしていた。
 その顔に微笑みを浮かべながら、瑠胡はマナサーさんに告げた。


「妾はランドと共に行けるのであれば、文句はない」


「そうですね。ここで迷っていても、仕方がありませんし。それに、その案はランドも好印象のようですしね」


 セラは俺を見ながら、微笑んでいた。
 瑠胡も同じ意見のようで、俺の反応をジッと待っている。


「……まあ、そうなんですけどね。音を立てずに先制できれば、勝算はありますし」


 俺が溜息交じりに同意すると、ラストニーは宙を仰いだ。自宅でもあるこの屋敷で、荒事を避けたい気持ちは理解できる。
 ラストニーは数秒ほど悩んだ挙げ句、大袈裟に頷いた。


「わかった。悩んでいる時間など無いんだ。その手で行こう」


「御理解、感謝します。次の巡回が来たら、始めましょう」


 それから次の巡回が来るまで、さして時間はかからなかった。
 また金具がなる音が聞こえてきて、それがドアの前を通り過ぎた――その瞬間に、俺がドアを開けると、瑠胡とセラが着ている着物の袖が、二人の意志に応じて兵士の身体に巻き付いた。


「な――」


 声を挙げる暇もなく、兵士は食堂に連れ込まれ、横倒しにさせられた。俺はすかさず左手で兵士の口を塞ぐと、その腹部に拳を叩き付けた。
 くぐもった声をあげて、兵士は白目を剥いた。


「さて、それでは急ぎましょうか」


 俺とラストニーを先頭に、全員で廊下を進んだ。道案内はラストニーに任せているから、執務室までは悩む必要が無い。
 曲がり角を曲がって、しばらくするとランプの灯りに照らされた、鎧を着た男の姿が見えてきた。
 甲冑を着た、大柄な男が椅子に座っていた。鞘に収めたままの長剣を床に突き立て、両手で柄の先端に手を添えている。
 俺たちの気配に気付いたのか、面貌を空けた顔が、こちらを向いた。


「ランド――」


「わかってる」


 俺はこのとき、すでに〈筋力増強〉を終えていた。あとは、あいつを昏倒させるだけだ。
 甲冑の男へと突き出した拳から、〈遠当て〉が放たれた。目に見えぬ衝撃波が、俺の狙い通りに男の顔面に命中した。
 この衝撃で姿勢を大きく崩したものの、男は椅子から転げ落ちることもなく、両脚を踏ん張って堪えた。
 甲冑の男はひしゃげた面頬をそのままに、立ち上がった。


「貴様らは――それに、ラストニー様!? これはどういう――」


 男は、騎士クイラロスだった。〈硬化〉を使っていたのか、俺の〈遠当て〉を顔面に受けても、鼻血すら出ていなかった。


「なんで騎士クイラロスが、執務室の前に――」


 ラストニーが絶句していることから、騎士クイラロスが巡回の任に就いているのは異例なことのようだ。
 しかも、御丁寧に執務室の前に陣取っている。


「とにかく、ヤツを気絶させるしかない!」


「わかってます」


 俺は白兵戦へ持ち込もうと駆け出したが、その前に騎士クイラロスは呼び子を吹き鳴らした。


「賊だっ! ご子息が裏切ったぞっ!!」


 騎士クイラロスの怒声が響く中、廊下の前後から幾つもの足音が聞こえてきた。
 巡回の兵士だけでなく、内部で駐屯していた兵士たちも接近してきている。そして、玄関のドアが開く音が聞こえてくることから、庭などにいた兵士たちも屋敷内に入ってきたようだ。
 どのみち、騎士クイラロスを退けなければ、執務室には入れない。
 こんな場所で徹底抗戦か――最悪の状況になってしまったが、こうなったら、やるしかない。
 俺は瑠胡たちと互いに背中を護るような布陣で、騎士クイラロスと向き合った。

   *

 同時刻。
 クロイスに入ったクロースとアインは、フレシス令室男爵の屋敷のすぐ側まで来ていた。
 もう深夜に近い時刻だが、ランドたちの動向が掴めないため、街中を彷徨っているに等しかった。


「ランド君たち、宿にも泊まってないんだよなぁ。どこにいるんだろう?」


「もう、領主の屋敷に突撃してるんじゃないのか?」


「そこまで、無謀なことをするかなぁ?」


 事実しているわけである――のだが、これは今のクロースにとって、まだ知らないことだった。
 屋敷に近づくと、門が開いて巡回していたらしい数人の兵士たちが、慌てて中に入っていくのが見えた。
 アインは口を曲げると、クロースを手招きした。


「あれを見ろよ。兵士が中に入って行くだろ? ランドたちが、なにかやらかしたか――それとも交渉が失敗して、捕まりそうになっているのかもしれねえな」


「それだと、大変じゃないですか! ど、どうしよう……行ったほうが、良いですよね、きっと」


 不安と恐怖で怯えながらも、クロースは腰の長剣に手を伸ばした。とにかく、中にいるセラたちのことを心配していることが、その表情からも明らかだ。
 その健気さにアインは小さく微笑みながら、自らは棍棒を構えた。


「殺しは駄目なんだろ? なら、俺が先陣を切るぜ」


「は、はいっ!」


 アインはゆっくりと閉まり始めた門へ目掛け、大きく跳躍した。彼の《スキル》である〈筋力増強〉によって強化された脚力によって、約一〇マーロン(一マーロンは約一メートル二五センチ)以上も離れた距離を、一気に跳んでみせた。
 そして閉まりかけた門に手をかけると、その腕力で強引にこじ開けた。


「クロース、行くぜ!」


 手にした棍棒で、アインは門の背後にいた数人の兵士たちを吹き飛ばした。

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本作を読んで頂き、まことにありがとうございます!

わたなべ ゆたか です。

屋敷に潜入して、簡単に石版が発見できると思ったら大間違いよ、あたくし用心深いもの――な、回でございます。

中の人も用心深くてですね。とりあえず、可能性のあることは潰しておきたかったりします。それを利用したのが、「魔剣士~」の後書きにも書いた、スライムトラップ事変だったりするわけすが。

実生活においても、外出の際には後付のダブルロック用の錠前も含めて施錠、二度施錠を確認、階段を降りている途中で、もう一度施錠を確認しに戻り、ついでにダブルロック用の錠前の写真を撮る――ことまでやってます。

職場でこの話をしたら、「それ用心深いんじゃなく、心配性かチキンなだけ。チキンチーキンチキンちゃん」などと言われました。


 ……訴訟。


少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

次回もよろしくお願いします!
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