屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか

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第六部『地の底から蠢くは貴き淀み』

三章-3

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   3

 ラニーとマナサーさんと合流した俺たちが、ホウル山に舞い戻ったとき、空はうっすらと橙色が混じり始めていた。
 出迎えに来てくれたドワーフたちの案内で、ホウル山の山頂付近まで登ってきた。その途中で、デーズ川の源流となっている滝の前を通過した。
 山の中腹――よりも少し下辺りで、崖のようになった岩壁の亀裂から、かなりの水量が約一〇マーロン(一マーロンは約一メートル二五センチ)下の水辺に流れ落ちていた。
 その池のようになった水辺から、細い川となって下流へと穏やかに流れていた。ドワーフたちの話では、ここからほかの水源が交わって、デーズ川となるらしい。
 山頂近くにある岩場へと足を踏み入れた俺たちを、ドワーフたちは洞窟の前へと促した。
 密集した大岩に隠れるように、その洞窟はあった。岩肌に空いた洞窟は俺の背丈ギリギリの高さで、今は金属の扉で閉ざされていた。
 表面に苔が生育しているせいか、遠目には扉だとわかりにくい。


「ここから、奥に行けますのでな。もちろん、灯りは必要でしょうが……」


「それは、準備をしてますから、大丈夫です」


 俺が荷物からランプや松明を取り出すと、白髭のドワーフは銅製の鍵を鍵穴に差し込んだ。手入れはしているのだろうか、さして抵抗もなく解錠された扉は、微かな金属音を立てただけで、内側に開いた。


 俺は火を灯した松明を手に、少し身を屈めながら洞窟の中に入った。
 そのあとを瑠胡、セラの順に続き、ランプを手にしたラニー、最後尾のマナサーさんの順に洞窟に入っていく。
 どこか湿気の混じった空気の中を進んでいると、背後から白髭のドワーフの声が響いてきた。


「明日の朝までは扉は開けておきます。二、三日は交代で見張りを付けますので、内側から三、二、三の順番で扉を叩いて下され」


 最後尾のマナサーさんが背後を振り返って、頷くのが見えた。
 これはつまり、三日以降は生存が絶望的と判断されるらしい。緩やかに下ってく洞窟の横幅は狭く、大人二人が並んで歩けない。
 松明の光に寄って来る虫もいれば、煙で逃げ出す虫もいる。そんな虫を見る度に、セラは短い悲鳴をあげていた。


「セラ、大丈夫ですか?」


「大丈夫――ですが、見たこともない虫は気味が悪くて……」


「とにかく、広いところに出たいですね。それまで、辛抱できますか」


「――はい」


 今のままでは、セラの側に行くこともできない。力なく頷くセラに甘える形で、俺は先を急いだ。
 見たところ、瑠胡やマナサーさんは虫の類いは平気そうだ。この辺り、純粋な竜族と人との違いかもしれない。
 どれだけ、曲がりくねった洞窟を降りただろう。松明の炎が小さくなりかけたころ、唐突に洞窟が終わった。
 俺たちが出たのは、だだっ広い空間だった。床は石畳になっていて、茶色い岩から切り出したと思しき石材が敷き詰められている。
 洞窟の入り口がある壁面は岩肌のままだが、錆びて朽ちた金具の痕跡が点在していた。
 松明やランプの灯りではまともに照らすことができないが、天井は岩が露出しているように思える。
 洞窟内とは異なり空気は乾いていたが――俺は、どこか陰鬱とした重さを肌に感じていた。それは瑠胡やマナサーさんだけでなく、セラも同様のようで、不安げ――または警戒を露わに周囲を見回していた。
 そんな雰囲気を察してか、このあたりで昆虫の類いは見かけない。
 俺はセラに近寄ると、そっと右手を握った。


「ここまで辛抱させてしまって、すいません。大丈夫ですか?」


「虫なら、大丈夫。けれど、やはり気味が悪かったです」


 右手でギュッと俺の手を握りかえしながら、セラは左手を俺の胸元に添えた。


「こんなときに、足手まといになってしまいました」


「そんなこと、気にしないで下さいよ。なんていうか……その、普段と違う、可愛らしいところも見えましたし」


 俺の冗談交じりの言葉に、セラは少し恥ずかしそうに、そして少し拗ねるようにしながら、唇を尖らせた。


「またこんなところで、そんなことを言って……」


 今のは、ちょっと失敗だったか――と、俺が自省していると、マナサーさんが苦笑するのが見えた。


「元は人間というのは、本当のようですね。元から地竜族、そして天竜族であるわたくしや瑠胡様は、あの程度の虫など平気ですから」


 そうですよね、と声をかけられた瑠胡は、上目遣いになりながら、俺の右腕にしがみつけてきた。


「実は、わたくしも虫は苦手なんです。気味が悪くて――」

 
 マナサーさんの発言とは、真逆の言動だ。

 これは……嫉妬させちゃったやつかもしれない。

 俺は苦笑しながら、瑠胡の頭に顔を寄せた。


「別に、瑠胡を蔑ろにしたわけじゃないですよ。怯えていたセラを気遣うのは、当然でしょう?」


「別に……わたくしも、気味が悪かっただけですから」


 俺とセラが目を合わせつつ苦笑していると、目を点にしたマナサーさんが力のない声で瑠胡に話しかけた。


「瑠胡様……天竜族の姫ともあろう御方が、それでよろしいのですか?」


「天竜だろうと、急に気味が悪く感じてしもうたのですから、仕方ないのですもん」


 マナサーさんは、こういう瑠胡を見るのが初めてだから、驚くのも無理はない。俺たちは、慣れてはいるとはいえ、予測ができないときもあるから、油断は禁物だ。
 天竜族で例外なのは、紀伊くらいだろう。彼女が今の瑠胡を見たら、卒倒しそうではある。
 ラニーが溜息をついたのは、会話が途切れたときだった。


「こんなときに、よくもまあ……普段通りの会話ができるものですね」


「いやまあ、警戒を解いているわけじゃないからな」


 俺は答えつつ、瑠胡やセラから離れた。
 こうして話をしている最中でも、目と耳は周囲の警戒を怠っていないし、意識を広げて精霊などの声を拾おうとしている。
 今のところ、敵意のあるものが近づく気配はない。だから、こうして話ができているわけだ。
 警戒をしながら、少し休もうということになり、俺たちはランプと松明を囲うように、腰を降ろした。
 俺の真正面に座ったラニーが、なにやら迷いながら口を開いた。


「ランド……君は女性に対して、かなりマメですね。正直、予想外でした」


「俺は……それしか知らねぇしな。二人のことは大事にしたいから、必然的にそうなるんですよ。そういうラニーこそ、クロースに惚れてるから、俺たちに付き合ってるんじゃないのか?」


 逆襲を兼ねた俺の質問に、ラニーは頭を抱えるようにガックリと項垂れた。


「本当に、気付いてたんですか」


「そりゃ、あれだけクロースを見つめたらなぁ……」


 今の呟きに同意するように、瑠胡やセラは頷いた。
 さらに項垂れ具合を増したラニーに、セラは怪訝そうに問いかけた。


「しかし、なぜクロース? 弄ぶだけの興味本位なら、ただでは済まさぬが」


「そんな、軽い気持ちじゃありません。今まで出会った女性たちの中に、あれほどまでに真っ直ぐな物言いをしてきた者はおりません。わたしの迂闊な言葉に、感情を剥き出しにしながら、厳しく叱責して下さいました。こんなの、初めてのことです。彼女なら、わたしが過ちを犯しそうになっても、正してくれる。わたしにとって、これ以上の女性はおりません。
 こんな感情を抱いたのは初めてです。決して、遊び半分などではありません」


「ふむ――しかし御主の噂では、令嬢と婚約しては別れるを繰り返しておるそうではないか。それを信じろというのは、無理があるのう」


「それは――」


 ラニーは瑠胡に答えかけて、溜息を吐いた。


「失礼ながら――お聞かせ下さい。本当に、わたくしのことを感づいておられる?」


「無論。御主が領主の息子なのだろう? なぜそう思ったかといえば、簡単なこと。
 商人であれば、妾たちに付き合うより、別の商売を模索したほうが早かろう。仕事をしておらぬようだが、衣食住に困っておるようには見えぬ。そのような立場で、家畜の異変に興味を抱くのは、税を管理する者か、酔狂な貴族くらいであろうよ。
 そして領主街へ向かう我らには付きまとわず、一番近くにある村で待っておったのも、不自然極まる。これは領主街に入り、己の立場を露見されるのを怖れたからであろう? 
 令室男爵とかいう領主との謁見において、その息子か不在であったのも偶然ではあるまい――というくらいか。完全に看破したわけではないが、七割程度の自信はあった」


 瑠胡が述べた理由に、ラニーはもとより、俺も素直に舌を巻いていた。ここまでのことを《スキル》もなしに推測できるのだから、生粋である天竜族の才は想像を遙かに超えている。
 ラニーは観念したように、緑の目を隠している前髪を掻き上げて、後ろに流した。


「お察しの通りです。わたくしはラストニー・ルイン。領主である令室男爵の息子です。先ほどの問いですが、わたくしは母やほかの貴族の目を逸らすため、不出来な男を演じておりました。先の女性たちの件も、同様の理由でございます。ですが誓って、別れてきた女性たちに、ふしだらなことは一切しておりません」


「なんでまた、そんなことを。理由を訊いていい――ですか?」


 領主の息子というなら、対応も変えなくちゃいけない。敬語で問う俺に、ラストニーは僅かに目を伏せた。


「わたしは、母の行為が許せません。確かに領地の財政は、母のお陰で持ち直しました。ですが、領民に手を差し伸べることもせず、利益を己の為に使う――それは、統治者のするべきことじゃない。だから、屋敷から抜け出しても疑われないよう、飲んだくれを演じ、無断外泊を繰り返すようにしていました。そこで民の生活を見聞きし、いくつかの施策を提案してきたというわけです。家畜の件も、なにが原因か気になっていたのですが、わたし一人では、なにもできず――」


 こうして話を聞いていると、貴族の息子としては、かなり民に寄り添った考え方をしているように思える。
 正直、あのフレシス令室男爵なんかより、よほど領主としての器があるように見える。
 ともあれ、ラストニーの事情はわかった。あとは異変の原因を探し当て、解決策を考えるだけだ。
 そろそろ休憩を終えようか――新しい松明に火を灯し、出発の準備を始めたころ、どこからか蹄のような音が聞こえてきた。
 音が反響して、正確な位置が掴めない。俺は長剣の柄に手を添えながら、視線を左右に巡らした。
 蹄と同時に、水の滴る音も聞こえてきたとき、洞窟の入り口と向かい合う位置に、芦毛の馬体が現れた。
 ただし、脚部の高さだけで優に二マーロン(約一メートル五〇センチ)ほど、頭部までなら四マーロン(約五メートル)を僅かに超えている。
 しかし、俺の目はその巨体よりも頭部に注がれていた。
 長い首の途中から体色が肌色となり、俺の三倍もある頭部は青白い幼子の顔だ。水死体を思わせるぶよぶよとした顔に、苦々しい表情が浮かんでいた。
 その顔から想像しがたい、穏やかな男性の声が発せられた。


〝ああ、イヤだイヤだ。イヤな空気だ。和み、恋慕、正義感――ああ、イヤな空気が漂ってくる〟


「魔物――」


 俺よりも先に、セラが腰の細剣を抜こうとした。けど、柄を握った手を瑠胡が止めた。


「待て――セラ。戦ってはならん」


 魔物の前だからか、瑠胡は姫口調に戻っていた。
 そんな俺たちに血走った目を向けた魔物は、口元に嫌悪感を抱かせるような笑みを浮かべた。


〝誰かと思えば――天竜族か。それに、地竜族も! 道理で……二柱もいれば、イヤな空気が流れてくるはずだ〟


 ひと目で俺たちの正体を見破った魔物は、脚を止めると笑みを浮かべた口から覗かせたどす黒い舌で、唇を嘗めた。


〝ああ、天竜の姫よ。御主の判断は正しい。我らが戦えば、それが神魔大戦の発端となろう。その役目は担っておらぬ故に、我も貴様らに危害は加えぬ〟


「――左様か。それは、有り難い」


「瑠胡姫様……これは、魔王なのですか?」


〝魔王!?〟


 セラの問いを聞いた魔物は、目を見広げたあとで声もなく嗤った。


〝こんな場所に、魔王がおわすはずがないだろう! 魔王は魔界を統べておられるが故に、魔王なのだ。我が名はニッカー。ここで惰眠を貪りつつ、刻を待つ魔族なり〟


 惰眠――つまり、寝ていたわけか。
 危害は加えないという言葉を信じて、俺は長剣から手を放した。


「なら、魔族ニッカー。この地で、動物たちの肉が臭くなる異変が起きている。俺たちはそれを解決するために、ここを調べに来た。なにか知らないか?」


 俺の問いに、ニッカーは身を低くしながら、一歩だけ退いた。


〝貴様は――なんて化け物が天竜に組みしたものだ。ああ、恐ろしいねえ。こんな化け物に逆らうのは、得策ではないか。故に、答えてやろう。異変の原因は、人間の女だ〟


 そう返答をしたニッカーは、醜悪な笑みを浮かべた。

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本作を読んで頂き、誠にありがとうございます!

わたなべ ゆたか です。

ついに魔族を出してしまったわけですが……これはオリジナルではないんです。

古い英語で、ニッカーという悪魔を意味する言葉がありまして。ニュクスとかの異名となっているみたいですね。
余談ですが、ニッケルの語源という話もあります(諸説あった気がします)。

半分が馬で半分が少年――という表記は見つけたんですが、詳細が不明なため、顔だけ少年にしてみました。

それにしても、まだ3000文字台オーバーです。うう……長い(汗

長いですので、途中で中断しつつ読んで頂けたらいいと思います。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

次回もよろしくお願いします!
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