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4,修羅の男
息をするように
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翌朝になり、俺とミアに加えてアキは早速調査を開始した。待ち合わせに行く直前にアキも「手伝う」と名乗りだしてくれたのである。
「幽霊だから調査に打ってつけですよ!」と胸を張っていた。彼女が言うには、目に見えない幽霊なら人目のある場所も探し放題らしい。相変わらず可愛いと思ったのは内緒だ。
「先輩、おはようござ……って隈凄いですよ。大丈夫ですか?」
「俺のことは良い。早く始めるぞ」
流石に睡眠時間が4時間程度では疲労が抜けきらない。しかし、俺の体調よりも拐われたと思われるフユカの方が心配だ。監禁されてるとすれば、精神状態も身体状態も最悪になること間違いない。そんな状態を長く続けさせる訳にはいかないのだ。
「で、どこを探すんですか?」
「フユカの通学路だ。カイトの情報がないと探せる範囲は狭いだろうが、出来るだけでもやるからな」
特に探したいのは見通しの悪い場所と、人通りの少ない場所だ。朝早くから家を出たのは通勤通学する会社員や生徒の動きを見るためでもある。拐われやすいポイントを見つけ、そこから数キロを範囲として監禁に適した場所を炙り出すのである。
とても地道な作業になる。しかも誘拐をやりやすい場所を見つけるとなれば、必然的に変質者に出会う可能性も高くなる。命の危険があることを覚悟しないといけない。
ミアもその辺はしっかり理解しているらしく、動きやすい服装に加えてポケットにはタクティカルペンという護身武器を、肩掛けのカバンにはトンファーを用意しているようだ。さっき教えてくれた。
俺も準備はして来ている。装備はカイトから譲り受けたグローブだけと比較的軽装だが、俺はこれで良い。
まず捜査したのは家の近くにある裏路地だ。実際にそのポイントに行ってどんな物かを、確かめ、さらにスマホのデジタルマップを使って数キロ圏内にある建物を検索する。
ミアも俺と別れて人目のない商店街の裏側や、十字路の死角などを探し出すと逐一報告をしてくれている。非常に地味な捜査で疲れているはずだろうが、泣き言を言わないのは流石だ。
昼頃になってもノンストップで捜査を続け、足腰がいい加減疲れてきたと感じ始めた時になってカイトから連絡が来た。
『捜査はどうだ?』
他愛のないメールを彼が送ってくるのも珍しい。長時間の移動で流石に気が滅入ってきた頃だったので、彼からのメールは精神的にありがたい。
『ぼちぼちだな。そっちは?』
『拐われやすいポイントはこっちでも何となく出してみた。あとは対象が潜伏場所にしているであろう場所も炙り出そうとしてる』
彼は調査の休憩中らしい。すぐに返信が来た。
そろそろ腹も減ってきた頃だ。ミアと合流して飯でも食いながら、カイトとも連絡を続けよう。
そう思って元来た道を戻ろうとした俺だが、すぐに立ち止まることになった。
『悪い、話は後だ。進展あったら聞かせてくれ』
そのメールを最後にして俺はスマホをズボンのポケットに放り込む。
財布だのタオルだのを入れていた小さなバックを後ろに回し、目の前に現れて道を塞いでいる男たちを睨む。俺の現在地は裏路地なため、こうしてならず者に出くわすのは不思議ではない。
ニヤニヤと笑っている男たちを見つめ、人数と手に持つ武器が何かを確認する。1人は酒瓶。もう1人は金属バット。最後の1人はメリケンサック。合計3人か。
拳銃や刃物を持ってないならすぐに終わる。近接戦闘は大の得意だ。それに、相手の顔を見るにその辺のチンピラらしい。大方カツアゲでもしようと思っているのだろう。
「なあ、俺たち金がねぇんだよ。財布ごと寄越してくれないか?」
「従わなかったら……分かってるよなぁ?」
うん、絵に描いたかのような普通のチンピラだ。裏世界からの刺客じゃなくて少し安心した。ガチの刺客はこんな無駄口を叩かず襲い掛かってくる。
良い機会だし、グローブの性能を試してみることにしよう。
「他を当たれよな」
そう言ってテクテク歩く。もちろん、男たちに向かって。汚い言葉で脅してきているが、別に言葉だけなら痛くも痒くもない。そうやって威嚇する暇があったら早く殴りに行けば良いのに。
両者の拳が届くぐらいの距離になって、漸く手に持つ武器を振り上げるのは遅すぎる。素手よりはリーチが少なからずあるのだから、それを存分に活かすべきだろうに。
俺は適当に獲物の選定をし、1番距離の近かった酒瓶を持っている男の肋骨を目がけて握り拳を叩き付けた。
「ぐはあ!?」
酒瓶を落とし、地面に倒れ込んでピクピクと手の指を動かす男。拳での衝撃に加え、まあまあ強い電撃も同時に食らったのだ。立つのは難しいだろう。もしかしたら肋骨も折れてしまったかもしれない。
ちなみに俺が拳を叩き付けた位置は左側の肋骨だ。奴は右手に酒瓶を持っており、そう小回りは利かないのでがら空きの左側を攻撃した。
アッサリ倒されたことが信じられないのか、残された2人は呆然としている。喧嘩を売った側が間抜け面を晒してどうする。
あまりにも動かないので、俺は比較的脅威になると思える金属バットを右の上段蹴りで叩き落とした。
カラン、という金属バットの落ちた音でやっと現実に帰って来たらしい。
「う、うわああ――!」
メリケンサックを持つ男は半ば狂乱しながら突っ込んできた。俺はバックステップで距離を取り、動く度に跳ねる背中の荷物を邪魔くさく思いながらも拳打を躱す。
狂乱したり、怒りに呑まれて突き出される拳打と言うのは非常に強烈だ。一切の迷いがないし、後先も考えようとしないから。
反面、非常に分かりやすく単純な動作でしかない。躱すのも反撃するのも簡単だ。
我武者羅に振り回される拳打の連撃を目で追いながら躱し、相手が焦ってきたのを俺は見逃さない。
渾身の一撃であろう右ストレートを右への軸移動で回避。さらに追撃として放たれた左ジャブはしゃがみ込むような姿勢を俺が取ったことで空を切る。
そこから前方へ重心を移し、拳を打った直後という1番の隙を突いた俺は膝のバネを使って上体を起こし、さらにその勢いを乗せて突き出した左拳で顎を打ち砕く。
「でりゃあ!」
「がっ――」
鈍いヒット音と共に男は真上に軽く吹き飛び、そして地面に叩き付けられた。今度は脳に近い位置で電撃も与えている。すぐには立てないだろう。
金属バットを持っていた男は恐怖からなのか、ただ震えて声なき声を上げている。割れた酒瓶のせいで辺りがやたら酒臭かったのだが、それに混じってアンモニア臭も漂ってきた。早いところお暇するとしよう。
男たちを放置して裏路地から出ると、何故かミアが待っていた。少し離れた場所にはアキも居る。
「……相変わらずですね」
「そんな顔するな」
俺だって好きで殴り合いをしてる訳ではないのだが……。
「幽霊だから調査に打ってつけですよ!」と胸を張っていた。彼女が言うには、目に見えない幽霊なら人目のある場所も探し放題らしい。相変わらず可愛いと思ったのは内緒だ。
「先輩、おはようござ……って隈凄いですよ。大丈夫ですか?」
「俺のことは良い。早く始めるぞ」
流石に睡眠時間が4時間程度では疲労が抜けきらない。しかし、俺の体調よりも拐われたと思われるフユカの方が心配だ。監禁されてるとすれば、精神状態も身体状態も最悪になること間違いない。そんな状態を長く続けさせる訳にはいかないのだ。
「で、どこを探すんですか?」
「フユカの通学路だ。カイトの情報がないと探せる範囲は狭いだろうが、出来るだけでもやるからな」
特に探したいのは見通しの悪い場所と、人通りの少ない場所だ。朝早くから家を出たのは通勤通学する会社員や生徒の動きを見るためでもある。拐われやすいポイントを見つけ、そこから数キロを範囲として監禁に適した場所を炙り出すのである。
とても地道な作業になる。しかも誘拐をやりやすい場所を見つけるとなれば、必然的に変質者に出会う可能性も高くなる。命の危険があることを覚悟しないといけない。
ミアもその辺はしっかり理解しているらしく、動きやすい服装に加えてポケットにはタクティカルペンという護身武器を、肩掛けのカバンにはトンファーを用意しているようだ。さっき教えてくれた。
俺も準備はして来ている。装備はカイトから譲り受けたグローブだけと比較的軽装だが、俺はこれで良い。
まず捜査したのは家の近くにある裏路地だ。実際にそのポイントに行ってどんな物かを、確かめ、さらにスマホのデジタルマップを使って数キロ圏内にある建物を検索する。
ミアも俺と別れて人目のない商店街の裏側や、十字路の死角などを探し出すと逐一報告をしてくれている。非常に地味な捜査で疲れているはずだろうが、泣き言を言わないのは流石だ。
昼頃になってもノンストップで捜査を続け、足腰がいい加減疲れてきたと感じ始めた時になってカイトから連絡が来た。
『捜査はどうだ?』
他愛のないメールを彼が送ってくるのも珍しい。長時間の移動で流石に気が滅入ってきた頃だったので、彼からのメールは精神的にありがたい。
『ぼちぼちだな。そっちは?』
『拐われやすいポイントはこっちでも何となく出してみた。あとは対象が潜伏場所にしているであろう場所も炙り出そうとしてる』
彼は調査の休憩中らしい。すぐに返信が来た。
そろそろ腹も減ってきた頃だ。ミアと合流して飯でも食いながら、カイトとも連絡を続けよう。
そう思って元来た道を戻ろうとした俺だが、すぐに立ち止まることになった。
『悪い、話は後だ。進展あったら聞かせてくれ』
そのメールを最後にして俺はスマホをズボンのポケットに放り込む。
財布だのタオルだのを入れていた小さなバックを後ろに回し、目の前に現れて道を塞いでいる男たちを睨む。俺の現在地は裏路地なため、こうしてならず者に出くわすのは不思議ではない。
ニヤニヤと笑っている男たちを見つめ、人数と手に持つ武器が何かを確認する。1人は酒瓶。もう1人は金属バット。最後の1人はメリケンサック。合計3人か。
拳銃や刃物を持ってないならすぐに終わる。近接戦闘は大の得意だ。それに、相手の顔を見るにその辺のチンピラらしい。大方カツアゲでもしようと思っているのだろう。
「なあ、俺たち金がねぇんだよ。財布ごと寄越してくれないか?」
「従わなかったら……分かってるよなぁ?」
うん、絵に描いたかのような普通のチンピラだ。裏世界からの刺客じゃなくて少し安心した。ガチの刺客はこんな無駄口を叩かず襲い掛かってくる。
良い機会だし、グローブの性能を試してみることにしよう。
「他を当たれよな」
そう言ってテクテク歩く。もちろん、男たちに向かって。汚い言葉で脅してきているが、別に言葉だけなら痛くも痒くもない。そうやって威嚇する暇があったら早く殴りに行けば良いのに。
両者の拳が届くぐらいの距離になって、漸く手に持つ武器を振り上げるのは遅すぎる。素手よりはリーチが少なからずあるのだから、それを存分に活かすべきだろうに。
俺は適当に獲物の選定をし、1番距離の近かった酒瓶を持っている男の肋骨を目がけて握り拳を叩き付けた。
「ぐはあ!?」
酒瓶を落とし、地面に倒れ込んでピクピクと手の指を動かす男。拳での衝撃に加え、まあまあ強い電撃も同時に食らったのだ。立つのは難しいだろう。もしかしたら肋骨も折れてしまったかもしれない。
ちなみに俺が拳を叩き付けた位置は左側の肋骨だ。奴は右手に酒瓶を持っており、そう小回りは利かないのでがら空きの左側を攻撃した。
アッサリ倒されたことが信じられないのか、残された2人は呆然としている。喧嘩を売った側が間抜け面を晒してどうする。
あまりにも動かないので、俺は比較的脅威になると思える金属バットを右の上段蹴りで叩き落とした。
カラン、という金属バットの落ちた音でやっと現実に帰って来たらしい。
「う、うわああ――!」
メリケンサックを持つ男は半ば狂乱しながら突っ込んできた。俺はバックステップで距離を取り、動く度に跳ねる背中の荷物を邪魔くさく思いながらも拳打を躱す。
狂乱したり、怒りに呑まれて突き出される拳打と言うのは非常に強烈だ。一切の迷いがないし、後先も考えようとしないから。
反面、非常に分かりやすく単純な動作でしかない。躱すのも反撃するのも簡単だ。
我武者羅に振り回される拳打の連撃を目で追いながら躱し、相手が焦ってきたのを俺は見逃さない。
渾身の一撃であろう右ストレートを右への軸移動で回避。さらに追撃として放たれた左ジャブはしゃがみ込むような姿勢を俺が取ったことで空を切る。
そこから前方へ重心を移し、拳を打った直後という1番の隙を突いた俺は膝のバネを使って上体を起こし、さらにその勢いを乗せて突き出した左拳で顎を打ち砕く。
「でりゃあ!」
「がっ――」
鈍いヒット音と共に男は真上に軽く吹き飛び、そして地面に叩き付けられた。今度は脳に近い位置で電撃も与えている。すぐには立てないだろう。
金属バットを持っていた男は恐怖からなのか、ただ震えて声なき声を上げている。割れた酒瓶のせいで辺りがやたら酒臭かったのだが、それに混じってアンモニア臭も漂ってきた。早いところお暇するとしよう。
男たちを放置して裏路地から出ると、何故かミアが待っていた。少し離れた場所にはアキも居る。
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