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翌日は女官長から後宮の案内や後宮での暮らし方の心得などをレクチャーされ、この国の衣装を着せてもらった。
着せてもらった衣装は絹で作られたゆったりしたワンピースで、肌触りがよく気持ちいい。

エメラルドグリーンのシルクにびっしりとゴールドの刺繍がされている。
このまま夜会に行けそうなくらい豪華だ。

自由時間はジュメイラさんのお部屋に遊びに行った。
ジュメイラさんの本当の家は政府高官を輩出している帝国の名門の家らしいのだけれど、10年間お世話になった商家は織物を扱う家だったそうだ。

10年間商家で過ごしたジュメイラさんは、ファッションについてとても造詣が深く、流行の色の合わせ方や小物遣いなどを教えてくれた。
この国の女性は外出しない分、家の中で目一杯おしゃれするらしく、ジュメイラさんも夜会に行けそうな服装をし、装飾品をたくさんつけていた。

確かに、たとえ見せる相手がいなくてもおしゃれをすることはの楽しい。気持ちが高揚する。


後宮では必要ないけれど、この国では女性が外出する場合、顔を覆うことになっている。
私が興味を示すと、ジュメイラさんは何枚か布をプレゼントしてくれて、巻き方を教えてくれた。

他にも装飾品やドレスをプレゼントしてくれたので、私もリナレイから持ってきたドレスをジュメイラさんにプレゼントした。

お察しの通り、ジュメイラさんには胸がきつすぎ、ウエストはぶかぶかで全くフィットしなかったのだけど…。

腕の良い仕立て担当の侍女がいるらしく、その方がお直しをするそうだ。
リナレイの服飾技術について教えてほしいと言われたけれど、残念ながら私には知識がなかった。


夜になると、来ないと思っていたのにカーン王子がジュメイラさんと一緒に来た。
昨日は、難しそうな顔をしていたけれど、早くも私のお相手候補の目星がついたらしく、そのことを私に報告しに来てくれたらしい。

そして、もし恋人ができたら、あの抜け道を使って外で会ってもいいと言ってくれた。
それを伝えるために私のところに来たけれど、ジュメイラさんに誤解されたくないから、一緒に連れてきたのだとか。

ジュメイラさんは、「そんな誤解しませんよ」と笑っていたけれど王子のそばにいられるのが嬉しい様子だった。
仲の良いお二人だ。

「楽しみにしていてくれ」と言い残して王子はジュメイラさんと一緒に去っていった。
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