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 「千織ちゃん、すっごい溢れて中がトロトロになってる。もう挿れても大丈夫かな」

 亮君は私の目を見て問いかけてきた。
 私は判断がつかない。

 でも、亮君に一度お任せして大丈夫だったのだから、きっと今回も亮君の判断に任せれば大丈夫だと思った。

 「うん、もう大丈夫だから挿れて」

 亮君は、自身を私の秘処に何度もこすりつけて、私の蜜をまとわせて少しずつ入ってくる。

 たぶんまだほんの先端しか入ってないけれど圧迫感がすごい。
 我慢できないほどではないけれど痛みもある。

 1回しかしてなくて久しぶりだからかもしれない。

 「千織ちゃんの中すっごく狭くて締め付けてくる。これ以上挿れたら千織ちゃんの身体傷つけちゃいそう」

 亮君は荒い呼吸を繰り返していて、声も苦しそうだった。

 薄目を開けて亮君の顔を見ると、痛みに耐えるような顔でびっしょりと汗をかいている。
 私は楽にしてあげたかった。

 あのホテルでの時も翌日は何も痛みなかったし、こんなに大きいけど私の体は亮君を受け止められるはず。

 「前の時も大丈夫だったし、大丈夫だよ。少しくらい傷ついても平気だから、全部挿れて」

 私は亮君の広い背中に腕をまわし抱きしめると、そうお願いした。

 「ふぅん。今まで何人くらいとしたの?」

 亮君は上から私を見下ろしながら、急にそれまでと違った意地悪な顔で質問をしてきた。
 亮君の先端は私に入ったままだ。

 私は困惑しながらも「1人」と正直に答えた。

 「へぇ。何回くらいしたの?」

 亮君の目は眇められていて、何となく冷たく感じた。
 今まで私のことをすごく気遣って大切にしてくれていたのが、少し変わってしまったような雰囲気。

 私は亮君がその質問をしてくることのおかしさに気づかないまま、あの時何回したか亮君から詳しい話を聞いていなかったので「覚えてない」と答えてしまった。

 「前の彼氏と数えきれないくらいたくさんしたんだ。別に何人としようが、結婚してようが、そんなの関係ないと思ってたけど千織ちゃんの口から聞くとキレそう」

 今まで優しくゆっくりとしてくれていた亮君は、急にすごく意地悪で冷たい顔になった。
 私は、今まで優しかった亮君の目の奥に不穏な炎が宿ったような錯覚を覚えた。

 亮君は、すごく優しくて丁寧だったそれまでと違い、強い力で私の腰を掴むと一気に奥までグググッと挿入してきた。

 私は、急に挿れられて痛みに絶句してしまった。
 助けを求めて固い亮君の背中に必死で抱き付く。

 涙が流れて、ただただ痛みに耐えることしかできない。
 こんなに痛いなんて。
 しかもそれを全く覚えていないなんて。

 全部お酒のせいなんだろうか。
 忘却は神様がくれた最高のプレゼントとよく言うけれど、いくらなんでも忘れすぎじゃないだろうか。

 本当に私、亮君としたんだろうかと考えてしまった。

 亮君は、奥まで入ったまましばらく荒い呼吸をしてじっとしていたけれど、痛みに固まってしまった私を抱きしめた。
 「前の男のこと全部忘れさせる。俺のじゃないと満足できない体にするから」

 亮君はそう宣言して動き出した。

 私には前の男なんていない、亮君だけだと伝えたかったけれど、痛くて口を開いたら「痛い」と言ってしまいそうで言えなかった。
 
 痛いなんて言ったら亮君が止めてしまうかもしれない。
 それだけは嫌だった。

 亮君が私の中を探るように動く間、私はしばらくひたすら痛みに耐えていた。

 亮君が私の腰を抱えて、ズルッと限界まで自身を引き抜き、再度奥まで挿入するという動きを繰り返してきた。

 私はそれまで痛くてたまらなかったのに、亮君の動きに合わせて襞が動くと急にゾクゾクと快感が背中を伝うのを感じ、思わず甘ったるい喘ぎ声を漏らしてしまった。

 「千織ちゃんこれが好きなの?」

 亮君は嬉しそうに私に問いかけながら、その動きを繰り返す。

 私は痛みを感じるものの、同時に気持ちよさも感じ始めていた。
 でもとにかく初めてで、亮君に抱き付いてひたすらあえぐことしかできなかった。

 「もうイきそう。早いかもしれないけど何回でもできるから千織ちゃんが満足するまで何度でもしてあげる」

 亮君はそう言って、私の名前を呼びながら小刻みに出し入れを繰り返しだした。

 そしてしばらくして急に動きを止めると、荒い呼吸の合間に「約束通り、全部、千織ちゃんの中に、出す」と言って私の中で吐精した。

 亮君を受け止めた私は、幸福感・安心感で胸がいっぱいになり、痛かったけれどこの行為が好きになりそうだと思った。

 亮君は私の中に入ったまま、私を抱きしめ顔中にキスをしてくれた。
 私はすべてが満たされたような、もう何も心配事なんてないような不思議な気持ちに包まれて眠ってしまった。
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