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お泊り
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「今日泊まってく?」
待っていた言葉が先輩からかかった。
瞬時に『ハイ喜んで』と言いそうになってしまったが、よく考えたほうがいい。
「明日仕事ですし、メイク道具持ってきてないですし、メイク落としもないですし。えっと。あの」
「下のコンビニで買ってくればいい。すっぴんは何度も見てるから気にするな。明日の朝車で家まで送ってくよ」
確かに学生時代に何度もすっぴん見られてるし、家も近い。
車なら15分くらいだと思う。
「では、あの、お言葉に甘えて」
まだ付き合うって話になって初めてのデートなのに泊まるって大丈夫なのかな?
はしたない軽い女と思われる?
それ言ったらホイホイ家に上がるってのもあれよね?
でも先輩の家に上がるのは初めてじゃないし。
もちろんこの家は初めてだけど。
ホストクラブなら初回枕という都市伝説も結構あるらしいけど(もちろん私はない)、普通の人のお付き合いではどうなの?
3か月とか3回目のデートとか基準があるという噂を聞いたことがあるような気がするけれど全然わからない。
でも別にいいよね。
期間とか回数じゃなくてフィーリングの問題だよ、多分。
それに先輩とは人としての付き合いは長いから人柄とかは知ってるつもりだ。
全然知らない人とってわけじゃない。
時間的に駅構内のお店がまだやっていたので、私は駅までスキンケアのお泊りセットや下着を買いに行った。
先輩は少し仕事をしたいということだったので私は買い物を終えると部屋に帰って、出しておいてもらったパジャマを持ってお風呂に入った。
念入りに体を洗ってお風呂から出る。
髪を乾かして歯磨きをして準備万端。
私はいつでもOKだけど、先輩はまだお仕事しているようだ。
どうしよう。もう1回歯磨きしておいたほうがいいかな?
私がうろうろしていると、先輩が部屋から出てきた。
すれ違いざま先輩は、「先にベッド行ってて」と言うと私の頭を触って唇に軽くキスをしてお風呂場に消えていった。
私はドキドキしたまま言われた通り寝室に向かった。
寝室は3人位一緒に眠れそうな大きなベッドと観葉植物以外何もないシンプルな部屋だった。
だれもいないけれど、一応「失礼します」と言いながら私はベッドの中に入った。
胸がドキドキしすぎて尋常じゃない音をたてている。
少し落ち着こうと思って私は目を閉じた。
「6時だぞ。今日仕事だろ。送っていくから起きろ」
私は慌てて起きあがった。
そしてサーッと血の気が引くのを感じた。
私何をした?
何もしてない!
「おはようございます。えーと、私昨日先に寝ちゃってましたね。すみません」
「びっくりするくらい、ぐっすり寝てたよ」
ずっと働き続けで昨日も半日外出して疲れが出たのかもしれない。
初デートに緊張して妙なテンションではしゃいでたし。
1つ辞めちゃったけど、今も会社から帰った後、家で毎日仕事をしている。
多分目をつぶった瞬間に寝てたっぽい。
せっかくのチャンスだったのに…悔しいです!!
「起こしてくれても良かったんですよ」
「ちょっと揺すってみたけど、いびきかいて寝てたからあきらめた」
「嘘です。私いびきだけはかかないんですから!」
「よだれは垂らしてたぞ」
「スミマセン」
時間を巻き戻したい。
信じられない。
あの状況で寝るって何?
でも夢も見ずぐっすり寝たおかげか体は軽かった。
「この借りはお返しいたします」
「おう。来月誕生日だから期待してる」
「はい。期待していてください」
私は先輩に家に送り届けられた。
待っていた言葉が先輩からかかった。
瞬時に『ハイ喜んで』と言いそうになってしまったが、よく考えたほうがいい。
「明日仕事ですし、メイク道具持ってきてないですし、メイク落としもないですし。えっと。あの」
「下のコンビニで買ってくればいい。すっぴんは何度も見てるから気にするな。明日の朝車で家まで送ってくよ」
確かに学生時代に何度もすっぴん見られてるし、家も近い。
車なら15分くらいだと思う。
「では、あの、お言葉に甘えて」
まだ付き合うって話になって初めてのデートなのに泊まるって大丈夫なのかな?
はしたない軽い女と思われる?
それ言ったらホイホイ家に上がるってのもあれよね?
でも先輩の家に上がるのは初めてじゃないし。
もちろんこの家は初めてだけど。
ホストクラブなら初回枕という都市伝説も結構あるらしいけど(もちろん私はない)、普通の人のお付き合いではどうなの?
3か月とか3回目のデートとか基準があるという噂を聞いたことがあるような気がするけれど全然わからない。
でも別にいいよね。
期間とか回数じゃなくてフィーリングの問題だよ、多分。
それに先輩とは人としての付き合いは長いから人柄とかは知ってるつもりだ。
全然知らない人とってわけじゃない。
時間的に駅構内のお店がまだやっていたので、私は駅までスキンケアのお泊りセットや下着を買いに行った。
先輩は少し仕事をしたいということだったので私は買い物を終えると部屋に帰って、出しておいてもらったパジャマを持ってお風呂に入った。
念入りに体を洗ってお風呂から出る。
髪を乾かして歯磨きをして準備万端。
私はいつでもOKだけど、先輩はまだお仕事しているようだ。
どうしよう。もう1回歯磨きしておいたほうがいいかな?
私がうろうろしていると、先輩が部屋から出てきた。
すれ違いざま先輩は、「先にベッド行ってて」と言うと私の頭を触って唇に軽くキスをしてお風呂場に消えていった。
私はドキドキしたまま言われた通り寝室に向かった。
寝室は3人位一緒に眠れそうな大きなベッドと観葉植物以外何もないシンプルな部屋だった。
だれもいないけれど、一応「失礼します」と言いながら私はベッドの中に入った。
胸がドキドキしすぎて尋常じゃない音をたてている。
少し落ち着こうと思って私は目を閉じた。
「6時だぞ。今日仕事だろ。送っていくから起きろ」
私は慌てて起きあがった。
そしてサーッと血の気が引くのを感じた。
私何をした?
何もしてない!
「おはようございます。えーと、私昨日先に寝ちゃってましたね。すみません」
「びっくりするくらい、ぐっすり寝てたよ」
ずっと働き続けで昨日も半日外出して疲れが出たのかもしれない。
初デートに緊張して妙なテンションではしゃいでたし。
1つ辞めちゃったけど、今も会社から帰った後、家で毎日仕事をしている。
多分目をつぶった瞬間に寝てたっぽい。
せっかくのチャンスだったのに…悔しいです!!
「起こしてくれても良かったんですよ」
「ちょっと揺すってみたけど、いびきかいて寝てたからあきらめた」
「嘘です。私いびきだけはかかないんですから!」
「よだれは垂らしてたぞ」
「スミマセン」
時間を巻き戻したい。
信じられない。
あの状況で寝るって何?
でも夢も見ずぐっすり寝たおかげか体は軽かった。
「この借りはお返しいたします」
「おう。来月誕生日だから期待してる」
「はい。期待していてください」
私は先輩に家に送り届けられた。
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