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まるで人間みたい
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ボトルが運ばれてきて2人で乾杯して飲み始める。
お料理はゆっくり運ばれてくるようで2人で景色を眺めながらゆっくりまったりすることができた。
このシャンパン本当においしい。
自分のことを洋酒を飲んでも味は分からない人間だと思ってたけどそうじゃなかったらしい。
後味がハチミツみたいでぐいぐい飲めてしまう。
「ボトルでシャンパンとか言い出したから驚いた。グラスで頼もうと思ってたから」
先輩は私の飲みっぷりを見て言った。
私はシャンパンと言ったらボトルで頼むものだと思っていた。
それかタワー。私はタワーとは縁がなかったけれど。
それに何よりこのお店、シャンパンが驚くほど安いのだ。
場所を見て高そうと思ったけれど、メニューを見ると驚くほどリーズナブル。
びっくりするほどの格安店だ。
普通ホストクラブでシャンパンを頼むとなると安いものでも5万円が飛んでいく覚悟が必要だけれど、このお店は1万円以下のものもある。
「私も飲めるか不安でしたけど、このシャンパンなら全部飲めそうですよね。美味しいです」
普段お酒を飲まない私は、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなってしまうタイプだ。
しかし、ゆっくり出てくる料理に合わせ、会話を楽しみながらゆっくり飲んでいるせいか、あまり酔いが回らないようだ。
「まぁうまいけど。今の口ぶりだと普段はあんまり飲まないんだろ?」
「そうですね。景色の良さにテンションが上がって注文しちゃいました」
ということにしておいてください。
本当はグラスシャンパンという頼み方が頭になかっただけです。
ゆっくりと運ばれてくるお料理はどれもおいしかった。
食事中も先輩は携帯をいじることなく、私と会話をしてくれた。
2人でいてもずっと携帯をいじっていて目も合わせてくれないと、2人でいても1人でいるみたいで寂しくなる。
今日はそんな思いをすることもなく先輩とは会話も弾み、とても楽しいランチになった。
先輩がトイレに行っている間に私は会計を済ませておいた。
「帰りましょうか」
先輩が帰ってきたので私は席を立った。
「あれ会計は?」
「しておきましたよ」
「デートだし俺が払おうと思ってたんだけど。ありがとう。次は俺が払うよ」
同伴感覚で私が払うのが当たり前だと思っていたけれど違ったのだろうか。
嘘だとしても、先輩が“俺が払おうと思った”て言ってくれてなんだか感動してしまった。
しかも『ありがとう』って言ってくれた。
お礼を言ってもらえることってこんなに嬉しいことだったんだ。
元担当の口から ありがとう とか ごめんね とか言う言葉を聞いたことってそう言えばなかったかもしれない。
忘れてたけどデートってこういうものだったのかもしれない。
しかもどうやら次があるらしい。
ATMではなく、1人の人間として扱われているように感じて、もう泣きそうなほど嬉しい。
すごく素敵な初デートの思い出になった。
このお店もまた来たい。
お料理はゆっくり運ばれてくるようで2人で景色を眺めながらゆっくりまったりすることができた。
このシャンパン本当においしい。
自分のことを洋酒を飲んでも味は分からない人間だと思ってたけどそうじゃなかったらしい。
後味がハチミツみたいでぐいぐい飲めてしまう。
「ボトルでシャンパンとか言い出したから驚いた。グラスで頼もうと思ってたから」
先輩は私の飲みっぷりを見て言った。
私はシャンパンと言ったらボトルで頼むものだと思っていた。
それかタワー。私はタワーとは縁がなかったけれど。
それに何よりこのお店、シャンパンが驚くほど安いのだ。
場所を見て高そうと思ったけれど、メニューを見ると驚くほどリーズナブル。
びっくりするほどの格安店だ。
普通ホストクラブでシャンパンを頼むとなると安いものでも5万円が飛んでいく覚悟が必要だけれど、このお店は1万円以下のものもある。
「私も飲めるか不安でしたけど、このシャンパンなら全部飲めそうですよね。美味しいです」
普段お酒を飲まない私は、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなってしまうタイプだ。
しかし、ゆっくり出てくる料理に合わせ、会話を楽しみながらゆっくり飲んでいるせいか、あまり酔いが回らないようだ。
「まぁうまいけど。今の口ぶりだと普段はあんまり飲まないんだろ?」
「そうですね。景色の良さにテンションが上がって注文しちゃいました」
ということにしておいてください。
本当はグラスシャンパンという頼み方が頭になかっただけです。
ゆっくりと運ばれてくるお料理はどれもおいしかった。
食事中も先輩は携帯をいじることなく、私と会話をしてくれた。
2人でいてもずっと携帯をいじっていて目も合わせてくれないと、2人でいても1人でいるみたいで寂しくなる。
今日はそんな思いをすることもなく先輩とは会話も弾み、とても楽しいランチになった。
先輩がトイレに行っている間に私は会計を済ませておいた。
「帰りましょうか」
先輩が帰ってきたので私は席を立った。
「あれ会計は?」
「しておきましたよ」
「デートだし俺が払おうと思ってたんだけど。ありがとう。次は俺が払うよ」
同伴感覚で私が払うのが当たり前だと思っていたけれど違ったのだろうか。
嘘だとしても、先輩が“俺が払おうと思った”て言ってくれてなんだか感動してしまった。
しかも『ありがとう』って言ってくれた。
お礼を言ってもらえることってこんなに嬉しいことだったんだ。
元担当の口から ありがとう とか ごめんね とか言う言葉を聞いたことってそう言えばなかったかもしれない。
忘れてたけどデートってこういうものだったのかもしれない。
しかもどうやら次があるらしい。
ATMではなく、1人の人間として扱われているように感じて、もう泣きそうなほど嬉しい。
すごく素敵な初デートの思い出になった。
このお店もまた来たい。
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