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21.神聖なる森で
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結果的に、エルドー王国は救われた。
龍の恩情によって、あの国はそこまで被害を受けることはなかったのだ。
あの国自体に関して、私はもうどうでもいいと思っている。だが、罪もない民が犠牲にならなくてよかったとは思う。
「結局、龍というものは何者だったんだろう?」
「この森の守り神だと彼は自称していたけど……」
「君の父親でもあるんだろう?」
「多分、そうだと思うんだけど……もしかしたら違うのかもしれない。彼は私のことを大切にしていたけど、それは親心というよりも、大樹の娘だからであるように思えたかも」
私は、シャルピードとともに森でゆっくりと過ごしていた。
こうやって、彼と一緒に気ままに森で暮らす。その平和な日々が、何よりも幸せである。
「まあ、何はともあれ、僕は君がここに帰って来てくれただけで、満足だけどね……」
「ありがとう、シャルピード。そう言ってもらえるのは、素直に嬉しい」
「副産物ではあるけれど、エルドー王国はこの森のことを敬うようになったし、結果的にはいいことばかり起こっているかもしれないね」
エルドー王国は、この精霊の森に対しての認識をかなり改めたようだ。
この場所は、神聖な場所であり、決して荒らしてはならない。龍の言葉によって、そう伝えられるようになったのだ。
「君に関しては、少し微妙な所ではあるかな……救世の聖女として、あの国で永遠に語られることになるなんて、なんだかおかしな話ではあるし」
「その話は、やめて欲しいかな……」
「ああ、わかっているよ」
龍の頭に乗って、そのまま天空に昇っていた私は、あの後すぐに精霊の森に下ろしてもらえた。
だが、王国ではそのまま龍とともに消えたとされており、国を救って龍とともに旅立ったと認識されてしまったのである。
その結果、私も崇められることになった。それに関しては、少々微妙な所だ。
「別に私は、シャルピードや森の仲間達と穏やかに暮らせれば、それでいいだけだから、エルドー王国でどう扱われているなんて、どうでもいいことかな……」
「もちろん、それもわかっているよ」
「あのね、シャルピード……」
そこで、私はシャルピードをじっと見つめた。
私は、彼に言わなければならないことがある。それは、幼い頃から抱いていたとある思いに関することだ。
「私は人間……かどうかはもうわからないけれど、それでもシャルピードのことを大切に思っているんだ。だから……」
「……そうだね。僕は、君を妻として迎え入れたいと思っているよ」
「え?」
私が言おうとしたことは、シャルピードに先回りで言われてしまった。
彼の妻になりたい。この森で夫婦として過ごしたい。それは、幼い頃から抱いていた思いだ。
「僕も気持ちは同じだよ。君といつまでも一緒にいたい……種族とか、そういうことは関係なく、そう思っているんだ」
「ありがとう、シャルピード……私、頑張るからね」
「ああ、これからもよろしく、ミレイナ」
私は、改めてここが自分が暮らすべき場所だと思った。
故郷の森で、大切な家族と過ごす。それが、私の幸せなのだ。
その幸せは、きっと続いていくだろう。この精霊の森は、もうエルドー王国の人間には荒らされない。神聖なこの自然は、守られていくのだ。
龍の恩情によって、あの国はそこまで被害を受けることはなかったのだ。
あの国自体に関して、私はもうどうでもいいと思っている。だが、罪もない民が犠牲にならなくてよかったとは思う。
「結局、龍というものは何者だったんだろう?」
「この森の守り神だと彼は自称していたけど……」
「君の父親でもあるんだろう?」
「多分、そうだと思うんだけど……もしかしたら違うのかもしれない。彼は私のことを大切にしていたけど、それは親心というよりも、大樹の娘だからであるように思えたかも」
私は、シャルピードとともに森でゆっくりと過ごしていた。
こうやって、彼と一緒に気ままに森で暮らす。その平和な日々が、何よりも幸せである。
「まあ、何はともあれ、僕は君がここに帰って来てくれただけで、満足だけどね……」
「ありがとう、シャルピード。そう言ってもらえるのは、素直に嬉しい」
「副産物ではあるけれど、エルドー王国はこの森のことを敬うようになったし、結果的にはいいことばかり起こっているかもしれないね」
エルドー王国は、この精霊の森に対しての認識をかなり改めたようだ。
この場所は、神聖な場所であり、決して荒らしてはならない。龍の言葉によって、そう伝えられるようになったのだ。
「君に関しては、少し微妙な所ではあるかな……救世の聖女として、あの国で永遠に語られることになるなんて、なんだかおかしな話ではあるし」
「その話は、やめて欲しいかな……」
「ああ、わかっているよ」
龍の頭に乗って、そのまま天空に昇っていた私は、あの後すぐに精霊の森に下ろしてもらえた。
だが、王国ではそのまま龍とともに消えたとされており、国を救って龍とともに旅立ったと認識されてしまったのである。
その結果、私も崇められることになった。それに関しては、少々微妙な所だ。
「別に私は、シャルピードや森の仲間達と穏やかに暮らせれば、それでいいだけだから、エルドー王国でどう扱われているなんて、どうでもいいことかな……」
「もちろん、それもわかっているよ」
「あのね、シャルピード……」
そこで、私はシャルピードをじっと見つめた。
私は、彼に言わなければならないことがある。それは、幼い頃から抱いていたとある思いに関することだ。
「私は人間……かどうかはもうわからないけれど、それでもシャルピードのことを大切に思っているんだ。だから……」
「……そうだね。僕は、君を妻として迎え入れたいと思っているよ」
「え?」
私が言おうとしたことは、シャルピードに先回りで言われてしまった。
彼の妻になりたい。この森で夫婦として過ごしたい。それは、幼い頃から抱いていた思いだ。
「僕も気持ちは同じだよ。君といつまでも一緒にいたい……種族とか、そういうことは関係なく、そう思っているんだ」
「ありがとう、シャルピード……私、頑張るからね」
「ああ、これからもよろしく、ミレイナ」
私は、改めてここが自分が暮らすべき場所だと思った。
故郷の森で、大切な家族と過ごす。それが、私の幸せなのだ。
その幸せは、きっと続いていくだろう。この精霊の森は、もうエルドー王国の人間には荒らされない。神聖なこの自然は、守られていくのだ。
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