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14.龍との問答

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『……流石だというべきか』

 私の推測に対して、龍はゆっくりとそう言ってきた。
 どうやら、私の推測は間違っていなかったようだ。やはり、この声の主は龍なのだろう。
 だが、わからないことはまだまだ多い。どうにかして、それを解き明かしたい所である。

「どうして私は、ここに?」
『それは、我の方が聞きたいことだ。いや、実際に聞いたことと言った方が正しいか』
「私がここに迷い込んだ……それは、どういうことなの?」
『答える義理はないな……』

 龍は、私の質問に答えるつもりはないようだ。
 先程素直に頷いてくれたのは、私の推測が見事だったからだろうか。
 それなら、私の推測を述べればいいのかもしれない。そう思って、私は頭を回転させる。

「私とあなたには、何か関係があるの?」
『何故そう思う?』
「あなたは、私がエルドー王国を抜け出したことに喜んでいた。私は、あなたのことについてまったく知らないけど、あなたは私のことを知っている……例えば、私の両親と知り合いだったとか、そういうことじゃないの?」
『なるほど……あれだけで、そこまで推測できるか』

 私の言葉に、龍は笑っていた。
 やはり、彼は私の推測を楽しんでいるようだ。
 自ら答えを語るつもりはなくても、私から導き出せば、反応はしてくれる。そういうことなのだろう。

『しかし、まだ正答であるとはいえないな……』
「正答ではない……半分くらいは、当たっているということ?」
『そう解釈してもいいだろう』

 私の今の推測は、当たらずとも遠からずといった所であるようだ。
 恐らく、私と彼が何かしらの関係があるということは、間違いないだろう。ただ、私の両親と繋がりがあるという訳ではない。今の言葉から予測できるのは、そんな所である。

「精霊の森で、私は生まれ育った……もしかして、それが関係しているの?」
『うむ……』
「また、半分くらい当たっているみたいだね……精霊の森も関係している? そうだ。エルドー王国は、この森に侵攻した。それが、あなたがあの国を襲うきっかけなの?」
『ほう……』

 私の言葉に、龍は少し感心したように唸った。
 だが、まだ正解という訳ではないのだろう。何かが足りていないようだ。

「エルドー王国は、私が近くに置かれていた大樹を狙っていた……その大樹とあなたに、何かしらの関係があったの?」
『そこまでわかるか……ところで、お前はあの森で生まれ育ったと言っていたな。それが、どういう意味か考えたことはあるか?』
「どういう意味?」

 龍は、先程までとは違い、私に質問をしてきた。
 私があの森で生まれ育った。それに何か特別な意味なんて、あるのだろうか。
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