わがままな妹の方が可愛いと婚約破棄したではありませんか。今更、復縁したいなど言わないでください。

木山楽斗

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 私は、ルヴィドと話をすることになった。
 レルミアのことで、相談があるらしいのだ。

「それで、レルミアに何かあったの?」
「ああ、最近、彼女のことがよくわからなくてね……なんというか、何か言いたいことがあるのに、言ってくれないようなそんな微妙な態度なんだ」
「そうなの?」

 ルヴィドの言葉に、私は少し驚いた。
 あの言いたいことがあったらなんでも言ってきそうな妹が、何も言わないということに普通にびっくりしてしまったのだ。
 だが、彼女はルヴィドに対しては柔らかい態度になると聞いている。だから、普通に気を遣うこともあるのかもしれない。

 そもそも、彼女は別に言いたいことを全て言うような子ではないだろう。
 色々と複雑な心境を黙っていたようだし、それは私の偏見であるはずだ。

「どうやったら、彼女に素直に話してくれるかな? 何か名案はないかな?」
「名案……それは、中々難しいかもしれないわね」

 私は、ルヴィドの言葉に色々と考えていた。
 素直に話してくれない人に対して、どうすればいいか。それは、どこかで聞いたことがあるようなことである。
 もしかして、これはアロード様とイルファー様の関係と同じようなことなのではないだろうか。
 二人も、素直に話し合っていれば解決していた関係性だ。つまり、ルヴィドはこの質問で今回の件の答えを求めているのではないだろうか。

「それは……素直に話してというしかないのではないかもしれないわね」
「素直に話す?」
「ええ、レルミアにお願いしてみればいいと思うわ。自分は、何か話したいことがあるなら話してもらいたいって」
「なるほど……」

 私の言葉に、ルヴィドはゆっくりと頷いた。
 彼の態度は、少しよくわからない。本当にわかっていないのか、本当はわかっているのか、判断がつかないのだ。
 もし演技だとしたら、それは流石である。私がまるでわかっていないのだから、大した演技力といえるだろう。

「でも、素直に話してくれるのかな?」
「そういう時は、誰か他の人を挟むといいかもしれないわ。他の人が挟まると、案外上手くいくものよ」
「そうなんだね……」

 ルヴィドの質問に、私は自分の辿ってきた道を考えながら答えた。
 私が挟まったことで、アロード様とイルファー様は和解することができた。これが、ルヴィドに伝わっていればいいのだが、どうだろうか。

「よくわかったよ。ありがとう、姉さん。姉さんのおかげで、色々と解決しそうだ」
「それなら、よかったわ」

 ルヴィドの言葉から、私は彼が理解してくれたと思った。
 なんとなく、そのような気がするのだ。
 こうして、私はルヴィドとの話し合いを終えるのだった。
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