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私とイルファー様は、元の客室に戻って来ていた。
王子達の紹介が終わったからである。
「なんというか、イルファー様のご兄弟はそれぞれ異なる性格なのですね」
「異なる性格か……確かに、そうかもしれないな」
四人の兄弟を見て、私はそのような感想を抱いていた。
本当に、四人全員違う性格である。アロード様は底知れない人だし、イルファー様は威厳のある人だ。ウォーラス様は少し軽くて、エルクル様は優しい人である。
それぞれ、個性があってまったく違う。だが、兄弟であることは確かだ。皆、とある部分だけは一緒だった。
「仲が良い兄弟なのですね……」
「む?」
「アロード様との仲は拗れていたみたいですけど、結局は思い合っていたことは変わりません。皆、お互いのことを好意的に見ているのは、素敵な兄弟だと思います」
四人の兄弟は、とても仲が良かった。
アロード様とイルファー様の仲は少し拗れていたが、皆お互いのことをよく知っており、とても親しいことは間違いないだろう。
そんな風に、兄弟の仲が良いのは素晴らしいことである。私達はそうならなかったため、余計にそう思ってしまうのだ。
「妹に嫌われていることを、気にしているのか?」
「……ええ、そうなのだと思います」
「ふっ……あれだけのことをされても、まだ思いやれるとは、お前も中々やるものだな」
私は、レルミアから嫌われている。
本人の口から聞いたことはないが、恐らくそのはずだ。
そのことが悲しかった。今まではそこまで思っていなかったはずなのに、最近は妙にそう思ってしまうのだ。
「イルファー様が言っていた通り、私達家族は彼女のことを見ていませんでした。それで嫌われたのだと思うと、なんだか心が痛いのです」
「……ほう」
「私は、レルミアのことを良く思っていませんでした。でも、それは私のせいだった。そう理解して、彼女に申し訳ないと思うようになったのです。もっと真摯に向き合っていれば、色々と上手くいっていたのではないかと……」
イルファー様は、私達がレルミアを見ていないと言っていた。
それは、確かにその通りだろう。私達はルヴィドを見て、彼女自身とは向き合おうとしなかった。
そのせいで、私は彼女から嫌われたのだろう。それを理解して、とても悲しい気持ちになっていた。本当に、自分は何をやっていたのだろうか。そういう後悔が、心の中から湧いてくるのだ。
「それなら、向き合えばいいだけだろう」
「え?」
「後悔しているなら、今からでも向き合え。何を諦めているのだ?」
「……そうですよね」
そんな私に対して、イルファー様は少し怒っていた。
いつまでも後ろ向きである私を不快に思ったのだろう。
だが、私をそこまで侮らないで欲しい。もう既に、私は自分がやるべきことがわかっているのだ。
「ルヴィドから、彼女のことは聞いています。落ち着いたら、彼女と話してみるつもりです」
「……わかっているなら、それでいい」
私の言葉に、イルファー様は口の端を歪めた。
それは、いつものイルファー様の表情だ。弟達と接している彼より、このように余裕で大人な態度である彼の方が、私にとっては馴染み深いのである。
王子達の紹介が終わったからである。
「なんというか、イルファー様のご兄弟はそれぞれ異なる性格なのですね」
「異なる性格か……確かに、そうかもしれないな」
四人の兄弟を見て、私はそのような感想を抱いていた。
本当に、四人全員違う性格である。アロード様は底知れない人だし、イルファー様は威厳のある人だ。ウォーラス様は少し軽くて、エルクル様は優しい人である。
それぞれ、個性があってまったく違う。だが、兄弟であることは確かだ。皆、とある部分だけは一緒だった。
「仲が良い兄弟なのですね……」
「む?」
「アロード様との仲は拗れていたみたいですけど、結局は思い合っていたことは変わりません。皆、お互いのことを好意的に見ているのは、素敵な兄弟だと思います」
四人の兄弟は、とても仲が良かった。
アロード様とイルファー様の仲は少し拗れていたが、皆お互いのことをよく知っており、とても親しいことは間違いないだろう。
そんな風に、兄弟の仲が良いのは素晴らしいことである。私達はそうならなかったため、余計にそう思ってしまうのだ。
「妹に嫌われていることを、気にしているのか?」
「……ええ、そうなのだと思います」
「ふっ……あれだけのことをされても、まだ思いやれるとは、お前も中々やるものだな」
私は、レルミアから嫌われている。
本人の口から聞いたことはないが、恐らくそのはずだ。
そのことが悲しかった。今まではそこまで思っていなかったはずなのに、最近は妙にそう思ってしまうのだ。
「イルファー様が言っていた通り、私達家族は彼女のことを見ていませんでした。それで嫌われたのだと思うと、なんだか心が痛いのです」
「……ほう」
「私は、レルミアのことを良く思っていませんでした。でも、それは私のせいだった。そう理解して、彼女に申し訳ないと思うようになったのです。もっと真摯に向き合っていれば、色々と上手くいっていたのではないかと……」
イルファー様は、私達がレルミアを見ていないと言っていた。
それは、確かにその通りだろう。私達はルヴィドを見て、彼女自身とは向き合おうとしなかった。
そのせいで、私は彼女から嫌われたのだろう。それを理解して、とても悲しい気持ちになっていた。本当に、自分は何をやっていたのだろうか。そういう後悔が、心の中から湧いてくるのだ。
「それなら、向き合えばいいだけだろう」
「え?」
「後悔しているなら、今からでも向き合え。何を諦めているのだ?」
「……そうですよね」
そんな私に対して、イルファー様は少し怒っていた。
いつまでも後ろ向きである私を不快に思ったのだろう。
だが、私をそこまで侮らないで欲しい。もう既に、私は自分がやるべきことがわかっているのだ。
「ルヴィドから、彼女のことは聞いています。落ち着いたら、彼女と話してみるつもりです」
「……わかっているなら、それでいい」
私の言葉に、イルファー様は口の端を歪めた。
それは、いつものイルファー様の表情だ。弟達と接している彼より、このように余裕で大人な態度である彼の方が、私にとっては馴染み深いのである。
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