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第9話 婚約破棄の成立
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私とイルディンが、ガルビム様を訪問してから、数日が経っていた。
そんな中、私と弟はお父様に呼び出されていた。最近呼び出されるのは、大抵ガルビム様との婚約に関することに進展があった時である。恐らく、今日も例外ではないだろう。
「アルメネア、喜べ。お前とガルビム様の婚約破棄が正式に認められた」
「え?」
お父様の言葉に、私は驚いていた。
急なことだったため、かなり動揺してしまっている。
だが、お父様の言葉は確かに理解できた。婚約破棄、私が望んでいたそれが叶ったのである。
「姉さん、やったね」
「え、ええ……」
「……どうやら、まだ頭が追いついていないようだな」
とても嬉しいことであるはずなのに、私は何故か喜べていなかった。
その理由はわかっている。お父様の言う通り、頭が追いついていないのだ。
しかし、だんだんと私も落ち着いてきた。それと同時に、気持ちがとても昂ってくる。
「イルディン!」
「うわあっ!? ね、姉さん!?」
感情が昂った私は、思わず隣のイルディンに抱き着いていた。
驚きながらも、頼りになる弟は私をしっかりと受け止めてくれる。
「……私、とっても嬉しいわ!」
「姉さん……僕もだよ」
私の言葉に、イルディンはゆっくりと頷いてくれた。
本当に、なんと嬉しいことだろう。自分でも信じられないくらい、私は喜んでいた。
だが、よく考えてみれば、私は長年あの男に苦しめられてきた。色々な噂を聞いても、聞かなかった振りをして、ずっと誤魔化しながら生きてきたのである。
そういう辛い思いもあったから、こんなに嬉しいのかもしれない。あの愚か者からやっと解放される。そういう思いがあるから、私はここまで喜んでいるのだろう。
「……お前には、相当苦労をかけていたようだな」
「あ、お父様……」
そんな私を見て、お父様は少し暗い顔をしていた。
恐らく、私をガルビム様に縛り付けていたことに責任を感じているのだろう。
しかし、この問題はお父様に責任がある訳ではない。ガルビム様がどうしようもない男だったから、いけなかったのである。
こういう変な所で責任感が強いのは、イルディンとそっくりだ。やはり、この二人は親子なのである。
「お父様、あまり責任を感じないでください。お父様は、何も悪いことをしていないのですから」
「いや、しかし……」
「お父様にそんな顔をされていると、私も素直に喜べなくなってしまいます。だから、そんな顔をしないでください」
「アルメネア……」
私は、お父様に笑顔で語りかけた。
その言葉に、お父様は少しだけ元気を取り戻したようだ。
ただ、まだ少し落ち込んでいるように見える。やはり、責任を感じてしまっているのだろう。
だが、私はこれ以上何も言うつもりはない。なぜなら、お父様に関しては、私よりずっと適任なお母様がいるからだ。後は、お母様に任せておけばいいだろう。明日には、すっかり元のお父様に戻っているはずだ。
そんな中、私と弟はお父様に呼び出されていた。最近呼び出されるのは、大抵ガルビム様との婚約に関することに進展があった時である。恐らく、今日も例外ではないだろう。
「アルメネア、喜べ。お前とガルビム様の婚約破棄が正式に認められた」
「え?」
お父様の言葉に、私は驚いていた。
急なことだったため、かなり動揺してしまっている。
だが、お父様の言葉は確かに理解できた。婚約破棄、私が望んでいたそれが叶ったのである。
「姉さん、やったね」
「え、ええ……」
「……どうやら、まだ頭が追いついていないようだな」
とても嬉しいことであるはずなのに、私は何故か喜べていなかった。
その理由はわかっている。お父様の言う通り、頭が追いついていないのだ。
しかし、だんだんと私も落ち着いてきた。それと同時に、気持ちがとても昂ってくる。
「イルディン!」
「うわあっ!? ね、姉さん!?」
感情が昂った私は、思わず隣のイルディンに抱き着いていた。
驚きながらも、頼りになる弟は私をしっかりと受け止めてくれる。
「……私、とっても嬉しいわ!」
「姉さん……僕もだよ」
私の言葉に、イルディンはゆっくりと頷いてくれた。
本当に、なんと嬉しいことだろう。自分でも信じられないくらい、私は喜んでいた。
だが、よく考えてみれば、私は長年あの男に苦しめられてきた。色々な噂を聞いても、聞かなかった振りをして、ずっと誤魔化しながら生きてきたのである。
そういう辛い思いもあったから、こんなに嬉しいのかもしれない。あの愚か者からやっと解放される。そういう思いがあるから、私はここまで喜んでいるのだろう。
「……お前には、相当苦労をかけていたようだな」
「あ、お父様……」
そんな私を見て、お父様は少し暗い顔をしていた。
恐らく、私をガルビム様に縛り付けていたことに責任を感じているのだろう。
しかし、この問題はお父様に責任がある訳ではない。ガルビム様がどうしようもない男だったから、いけなかったのである。
こういう変な所で責任感が強いのは、イルディンとそっくりだ。やはり、この二人は親子なのである。
「お父様、あまり責任を感じないでください。お父様は、何も悪いことをしていないのですから」
「いや、しかし……」
「お父様にそんな顔をされていると、私も素直に喜べなくなってしまいます。だから、そんな顔をしないでください」
「アルメネア……」
私は、お父様に笑顔で語りかけた。
その言葉に、お父様は少しだけ元気を取り戻したようだ。
ただ、まだ少し落ち込んでいるように見える。やはり、責任を感じてしまっているのだろう。
だが、私はこれ以上何も言うつもりはない。なぜなら、お父様に関しては、私よりずっと適任なお母様がいるからだ。後は、お母様に任せておけばいいだろう。明日には、すっかり元のお父様に戻っているはずだ。
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