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第3話 最愛の義弟
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私は、お父様とお母様との話し合いを終えて、部屋に戻って来ていた。
色々と言いたいこともあったので、イルディンも一緒に来てもらっている。
「イルディン、ありがとうね。あなたのおかげで、助かったわ」
「気にしないで、姉さん。僕は僕がやりたいことをやっただけだから」
ソファに並んで座りながら、私はイルディンにお礼を言っていた。
今回は、できた弟のおかげで助かった。お母様の一言が決定的だったとはいえ、イルディンが言ってくれなければ、あの流れにならなかったはずである。
その場合、話がもっとこじれていたはずだ。それを防いでくれたイルディンには、感謝の気持ちしかない。
「そもそも、元々僕は、あの男が姉さんの婚約者に相応しくないと言い続けていたしね」
「そうだったわね……」
イルディンは、元々、私とガルビム様との婚約に反対していた。
あの男が、私に相応しいとは思えない。そう言って、ずっと反発していたのだ。
ガルビムがどうしようもない男だということは、誰もがわかっていたことである。だが、皆侯爵家のためだと、何も言わないようにしていたのだ。
そんな中で、そのようなことを言っていたイルディンは、本当に姉思いなのである。そのような弟を持てて、私は幸せ者だろう。
「本当に……姉さんが婚約を破棄してくれて良かった。ガルビム様の元では、姉さんは絶対に幸せになれなかった。それをわかっているのに、止められない自分が本当に嫌だったからね……」
「そんなことを思っていたの?」
「あ、いや、別に自分を責めていた訳ではないよ。心配しなくていいからね」
そこで、イルディンはそのようなことを言ってきた。
どうやら、優しい弟は、私とガルビム様の婚約を止められないことを悔やんでいたようである。
そんなことで自分を責めるとは、本当に駄目な弟だ。婚約を止められないのは、イルディンのせいではない。それで自分を責めるのは、絶対に違う。この弟は、色々と背負いすぎなのだ。
「イルディン……」
「う、え?」
私は立ち上がって、イルディンを抱きしめた。
この優しい弟に、しっかりと言い聞かせなければならない。そうしなければ、この頑固な弟はまた同じことを繰り返してしまう。
「あなたは、私の人生を背負う必要はないの。婚約のことで、自分を責めるとか、そういうことはよしなさい」
「姉さん……」
「そうでないと、私の方が参ってしまうわ。私のせいで、あなたを苦しませたくはないもの……」
私は、イルディンにゆっくりとそう言い聞かせた。
只でさえ優しいこの弟は、色々なことを背負い込んでしまうだろう。
そんな彼には、少しでも重荷を下ろしてもらわなければならない。潰れられたら、とても悲しいので、絶対にわかってもらわなければならないだろう。
「……そうだね。ごめん、姉さん。僕は、必要以上に背負い込んでしまうみたいだ」
「わかってくれたらいいのよ……」
「うん……」
私は、胸の中にいる弟をしっかりと抱きしめた。
これで、イルディンの心が少しでも軽くなったならいいのだが。
色々と言いたいこともあったので、イルディンも一緒に来てもらっている。
「イルディン、ありがとうね。あなたのおかげで、助かったわ」
「気にしないで、姉さん。僕は僕がやりたいことをやっただけだから」
ソファに並んで座りながら、私はイルディンにお礼を言っていた。
今回は、できた弟のおかげで助かった。お母様の一言が決定的だったとはいえ、イルディンが言ってくれなければ、あの流れにならなかったはずである。
その場合、話がもっとこじれていたはずだ。それを防いでくれたイルディンには、感謝の気持ちしかない。
「そもそも、元々僕は、あの男が姉さんの婚約者に相応しくないと言い続けていたしね」
「そうだったわね……」
イルディンは、元々、私とガルビム様との婚約に反対していた。
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ガルビムがどうしようもない男だということは、誰もがわかっていたことである。だが、皆侯爵家のためだと、何も言わないようにしていたのだ。
そんな中で、そのようなことを言っていたイルディンは、本当に姉思いなのである。そのような弟を持てて、私は幸せ者だろう。
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「そんなことを思っていたの?」
「あ、いや、別に自分を責めていた訳ではないよ。心配しなくていいからね」
そこで、イルディンはそのようなことを言ってきた。
どうやら、優しい弟は、私とガルビム様の婚約を止められないことを悔やんでいたようである。
そんなことで自分を責めるとは、本当に駄目な弟だ。婚約を止められないのは、イルディンのせいではない。それで自分を責めるのは、絶対に違う。この弟は、色々と背負いすぎなのだ。
「イルディン……」
「う、え?」
私は立ち上がって、イルディンを抱きしめた。
この優しい弟に、しっかりと言い聞かせなければならない。そうしなければ、この頑固な弟はまた同じことを繰り返してしまう。
「あなたは、私の人生を背負う必要はないの。婚約のことで、自分を責めるとか、そういうことはよしなさい」
「姉さん……」
「そうでないと、私の方が参ってしまうわ。私のせいで、あなたを苦しませたくはないもの……」
私は、イルディンにゆっくりとそう言い聞かせた。
只でさえ優しいこの弟は、色々なことを背負い込んでしまうだろう。
そんな彼には、少しでも重荷を下ろしてもらわなければならない。潰れられたら、とても悲しいので、絶対にわかってもらわなければならないだろう。
「……そうだね。ごめん、姉さん。僕は、必要以上に背負い込んでしまうみたいだ」
「わかってくれたらいいのよ……」
「うん……」
私は、胸の中にいる弟をしっかりと抱きしめた。
これで、イルディンの心が少しでも軽くなったならいいのだが。
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