羨ましいならあなたに差し上げます
男爵家の令嬢であるティセリアは、社交界でも人気の侯爵令息ファルドラから婚約を申し込まれることになった。
しかしティセリアは、その婚約に裏があると知っていた。
彼女は以前、ファルドラがある人と揉めているのを見ていた。そのことから、彼が他の者から思われているような誠実な人間ではないと、わかっていたのである。
だがそれでも、二人の婚約は成立してしまった。ティセリアの父は、例え事情があっても侯爵家との婚約は有益だと判断したのだ。
実際にファルドラと話したティセリアは、自身の考えが間違っていなかったことを悟ることになった。婚約者となった彼は、実質的な脅しの言葉を口にしてきたのだ。
婚約について打ちひしがれていたティセリアだったが、ある時彼女の前に何も知らない一人の令嬢が現れた。
その令嬢は、ティセリアを羨ましがっていた。ファルドラとの婚約を、彼女は熱望していたのである。
そんな令嬢に対して、ティセリアはとある言葉を口にした。
「羨ましいなら、あなたに差し上げます」
その言葉が、自身にとって大きな成果に繋がるとも知らずに。
しかしティセリアは、その婚約に裏があると知っていた。
彼女は以前、ファルドラがある人と揉めているのを見ていた。そのことから、彼が他の者から思われているような誠実な人間ではないと、わかっていたのである。
だがそれでも、二人の婚約は成立してしまった。ティセリアの父は、例え事情があっても侯爵家との婚約は有益だと判断したのだ。
実際にファルドラと話したティセリアは、自身の考えが間違っていなかったことを悟ることになった。婚約者となった彼は、実質的な脅しの言葉を口にしてきたのだ。
婚約について打ちひしがれていたティセリアだったが、ある時彼女の前に何も知らない一人の令嬢が現れた。
その令嬢は、ティセリアを羨ましがっていた。ファルドラとの婚約を、彼女は熱望していたのである。
そんな令嬢に対して、ティセリアはとある言葉を口にした。
「羨ましいなら、あなたに差し上げます」
その言葉が、自身にとって大きな成果に繋がるとも知らずに。
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