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14.協力への感謝
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「……イルリア嬢、どうかされましたか?」
「いえ、思っていたよりも、穏やかにことが解決したので……」
「拍子抜け、という訳ですか」
私は、マグナード様と一緒に歩いていた。
思い出すのは、先程のことだ。エムリーとの話し合いに決着がついた。それ自体は、喜ばしいことではある。
しかしながら、もう少し拗れるものだと思っていた。エムリーが思っていたよりもしおらしい態度だったため、マグナード様が言っている通り、拍子抜けしているのかもしれない。
「ああ、すみません。そんなことよりも、マグナード様にお礼を言わなければなりませんね。本当にありがとうございました。こんなことに同行してもらって……」
「いいえ、お気になさらないでください。僕はただ、あなたの友人としてついて来たというだけなのですから」
私が感謝を述べると、マグナード様は涼しい顔で返答してくれた。
初めは色々と警戒していたものだが、彼は本当にとことん良い人だ。そんな彼のことを疑っていた自分が、本当に恥ずかしくなってくる。
「これからも困ったことがあったら相談してください。実の所、僕は友人も少なくてですね。これからも仲良くしてもらえるとありがたいのです」
「……」
マグナード様の言葉に対して、私は恐れ多いことだと思ってしまった。
ただ、それを口に出すのはやめておく。それを言うと、彼はきっと悲しむからだ。
恐らく、多くの人も同じ理由でマグナード様と友人になれないでいるだろう。それなら私は、その考えを捨て去るべきだ。
「それは、こちらがお願いしたいことですよ。マグナード様という心強い友人のお陰で、私はここ数日間で何度も救われてきましたから」
「……あなたの力になれたのなら何よりです。ああ、でもあなたの戦いはまだ終わったという訳ではないのでしたね」
「……ええ、そうですね。まだ一人、話をつけないといけない人がいます」
私は、マグナード様の言葉にゆっくりと頷いた。
今回の件に関わっているもう一人の人物と、私は話をすることになるだろう。
そちらに関しては、エムリーよりも攻め立てなければならない。今回の件に関する非を彼には全て背負ってもらう必要があるのだ。
「その時にも、力をお貸ししますよ。といっても、基本的には同席して中立な立場を貫かせてもらいますが」
「もちろんです。それが私にとっては、一番ありがたいことですから」
マグナード様の協力には、心から感謝している。
彼と親しくなれたことは、なんとも幸運だった。私は改めてそれを認識するのだった。
「いえ、思っていたよりも、穏やかにことが解決したので……」
「拍子抜け、という訳ですか」
私は、マグナード様と一緒に歩いていた。
思い出すのは、先程のことだ。エムリーとの話し合いに決着がついた。それ自体は、喜ばしいことではある。
しかしながら、もう少し拗れるものだと思っていた。エムリーが思っていたよりもしおらしい態度だったため、マグナード様が言っている通り、拍子抜けしているのかもしれない。
「ああ、すみません。そんなことよりも、マグナード様にお礼を言わなければなりませんね。本当にありがとうございました。こんなことに同行してもらって……」
「いいえ、お気になさらないでください。僕はただ、あなたの友人としてついて来たというだけなのですから」
私が感謝を述べると、マグナード様は涼しい顔で返答してくれた。
初めは色々と警戒していたものだが、彼は本当にとことん良い人だ。そんな彼のことを疑っていた自分が、本当に恥ずかしくなってくる。
「これからも困ったことがあったら相談してください。実の所、僕は友人も少なくてですね。これからも仲良くしてもらえるとありがたいのです」
「……」
マグナード様の言葉に対して、私は恐れ多いことだと思ってしまった。
ただ、それを口に出すのはやめておく。それを言うと、彼はきっと悲しむからだ。
恐らく、多くの人も同じ理由でマグナード様と友人になれないでいるだろう。それなら私は、その考えを捨て去るべきだ。
「それは、こちらがお願いしたいことですよ。マグナード様という心強い友人のお陰で、私はここ数日間で何度も救われてきましたから」
「……あなたの力になれたのなら何よりです。ああ、でもあなたの戦いはまだ終わったという訳ではないのでしたね」
「……ええ、そうですね。まだ一人、話をつけないといけない人がいます」
私は、マグナード様の言葉にゆっくりと頷いた。
今回の件に関わっているもう一人の人物と、私は話をすることになるだろう。
そちらに関しては、エムリーよりも攻め立てなければならない。今回の件に関する非を彼には全て背負ってもらう必要があるのだ。
「その時にも、力をお貸ししますよ。といっても、基本的には同席して中立な立場を貫かせてもらいますが」
「もちろんです。それが私にとっては、一番ありがたいことですから」
マグナード様の協力には、心から感謝している。
彼と親しくなれたことは、なんとも幸運だった。私は改めてそれを認識するのだった。
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