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41.私の選択
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「しかしね、アタシはやっぱり遠慮させてもらうよ。今回のような場合は別だが、アタシは基本的にどちらかの国に肩入れするつもりはない。平和が続いているならゆっくりしたいのさ」
「そうですか。それは残念です」
「切なる願いという割には、簡単に引き下がるじゃないか」
「そういう風に断られるのではないかと、思っていたのです。短い間ではありますが、大師匠のことはそれなりに理解できたつもりなので……」
「ふん、よくわかっているみたいだね」
お祖母様は、ウルギア様の話を断った。
それは種族だとかそういうものを理由にして断った訳ではない。だからウルギア様も、すぐに引き下がったのだろう。
それなら次は、私の番だ。彼に答えを伝えなければならない。
「ウルギア様、私は力をお貸ししますよ。こうしてともに旅をした仲です。私はあなたの元で、働いてみたいと思っています」
「そうですか……それはよかった」
私が返答すると、ウルギア様は笑顔を浮かべてくれた。
その爽やかな笑顔を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。私の助力を喜んでくれているなら何よりだ。
「なるほどね、本命はそっちかい。色男め」
「大師匠? 何か言いましたか?」
「いいや、別になんでもないよ。ああ……それよりも、アタシはあんたに言っておかなければならいことがあるね」
「なんですか?」
そこでお祖母様は、何かを思い出したらしい。
彼女は、懐から封筒を取り出した。それは一体、何の手紙だろうか。
「アタシはこの子の出自を明かすつもりだったが、この子がドナテロ王国に行きたいというならそれを尊重するとしよう。故にこの手紙は、あんたに預けることにする」
「これは、何の手紙なんですか?」
「先代のアルフェンド王と王妃からの手紙さ。ちゃんと二人の魔力が宿っているれっきとした証明書だ。然るべき所に出せば、確実な効力がある。まあ、中身を少し読んでみな」
「……なっ!」
お祖母様の手紙を読んで、ウルギア様はとても驚いていた。
恐らく、そこには私の出自が書かれているのだろう。先代の王の妹、それは確かに私がドナテロ王国に移るなら隠しておかなければならないことだ。
「驚きました。まさか、クレメリアさんが先代のアルフェンド王の子供だったなんて」
「……え?」
「ああ、まあ、この子はちょっと特別な性質を持っていてね。アタシ以外、その性質を制御することができなかったんだ。それで二人は相談した結果、この子をアタシに預けていた訳さ。そして色々と厄介なことにならないように、存在を隠していた。愛故の措置だったという訳だね」
ウルギア様とお祖母様の内容に、私は頭を抱えていた。
なんというか、私が聞いていた話と違う。恐らく、先に聞かされた方が真実であるとは思うのだが、これは一体どういうことなのだろうか。
「そうですか。それは残念です」
「切なる願いという割には、簡単に引き下がるじゃないか」
「そういう風に断られるのではないかと、思っていたのです。短い間ではありますが、大師匠のことはそれなりに理解できたつもりなので……」
「ふん、よくわかっているみたいだね」
お祖母様は、ウルギア様の話を断った。
それは種族だとかそういうものを理由にして断った訳ではない。だからウルギア様も、すぐに引き下がったのだろう。
それなら次は、私の番だ。彼に答えを伝えなければならない。
「ウルギア様、私は力をお貸ししますよ。こうしてともに旅をした仲です。私はあなたの元で、働いてみたいと思っています」
「そうですか……それはよかった」
私が返答すると、ウルギア様は笑顔を浮かべてくれた。
その爽やかな笑顔を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。私の助力を喜んでくれているなら何よりだ。
「なるほどね、本命はそっちかい。色男め」
「大師匠? 何か言いましたか?」
「いいや、別になんでもないよ。ああ……それよりも、アタシはあんたに言っておかなければならいことがあるね」
「なんですか?」
そこでお祖母様は、何かを思い出したらしい。
彼女は、懐から封筒を取り出した。それは一体、何の手紙だろうか。
「アタシはこの子の出自を明かすつもりだったが、この子がドナテロ王国に行きたいというならそれを尊重するとしよう。故にこの手紙は、あんたに預けることにする」
「これは、何の手紙なんですか?」
「先代のアルフェンド王と王妃からの手紙さ。ちゃんと二人の魔力が宿っているれっきとした証明書だ。然るべき所に出せば、確実な効力がある。まあ、中身を少し読んでみな」
「……なっ!」
お祖母様の手紙を読んで、ウルギア様はとても驚いていた。
恐らく、そこには私の出自が書かれているのだろう。先代の王の妹、それは確かに私がドナテロ王国に移るなら隠しておかなければならないことだ。
「驚きました。まさか、クレメリアさんが先代のアルフェンド王の子供だったなんて」
「……え?」
「ああ、まあ、この子はちょっと特別な性質を持っていてね。アタシ以外、その性質を制御することができなかったんだ。それで二人は相談した結果、この子をアタシに預けていた訳さ。そして色々と厄介なことにならないように、存在を隠していた。愛故の措置だったという訳だね」
ウルギア様とお祖母様の内容に、私は頭を抱えていた。
なんというか、私が聞いていた話と違う。恐らく、先に聞かされた方が真実であるとは思うのだが、これは一体どういうことなのだろうか。
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