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34.王子との再会
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私達は、先程とは違う牢屋の前にいた。
その牢屋の奥には、少し老けこんだアズガルト様がいる。
それは恐らく、心労などでそうなった訳ではないのだろう。お祖母様が言っていた通り、彼も妖術に何かしらの影響を受けたのかもしれない。
「久し振りだね、小僧。アタシのことは覚えているかい?」
「……お、お前はまさか!」
「覚えていたかい? 覚えていたというのに、あんたはこんなことをしたんだね……」
お祖母様を見て、アズガルト様は目を丸めて驚いている。
それに対して、お祖母様は呆れたような顔をしていた。その表情からは、失望のような感情が読み取れる。
「な、何故お前が元聖女のクレメリアと一緒にいる……?」
「この子はアタシの孫なのさ」
「ま、孫だと? あり得ん……お前に孫なんているはずがないだろう!」
アズガルト様は、お祖母様に対して叫んだ。
しかし、私にはその言葉の意味がわからない。別にお祖母様に孫がいたって、ここまで動揺する必要はないだろう。
「やっぱりあんたはエルベルトから色々と聞いていた訳か……まあ、あんたが察している通り、この子とアタシに血の繋がりはない。色々とあってね、引き取ることになったのさ」
「なるほど、そういう訳か……」
お祖母様の返答も、私は少しだけ気になった。
私は、山で拾われたはずである。その単純明快なことを、どうしてわざわざ色々とあったと表現するのだろうか。
なんというか、二人は何か私に知らないことで会話をしているような気がする。
「おかしな話だ。お前は愛などを下らないものだと切り捨てるタイプだと思っていたが……」
「まあ、あんたと会う時のアタシは腐っていたからね。でも人間は変わるものさ。生きるということはそういうことなのさ」
「偉そうに……長く生きているだけの化け物が」
アズガルト様は、お祖母様を睨みつけていた。
彼は、お祖母様のことを少し恐れているような気がする。口では強がっているが、その態度には覇気がない。
「化け物か……それなら人間、あんたに問おうじゃないか。和平を結んだ国に侵攻して、戦争を引き起こし多くの犠牲を出そうとしたあんた達はなんなんだ? そういう欲深いあんた達が、アタシよりも立派とは思えないがね」
「ふん、知ったような口を……」
「知っているさ。あんた達のような奴らは何度も見ていたからね。あんた達のような者達ばかりだったら、アタシも人間なんて見限っていただろうね」
私の額からは、汗がゆっくりと流れてきた。
お祖母様は、一体何者なのだろうか。それが私は、だんだんとわからなくなっていた。
その牢屋の奥には、少し老けこんだアズガルト様がいる。
それは恐らく、心労などでそうなった訳ではないのだろう。お祖母様が言っていた通り、彼も妖術に何かしらの影響を受けたのかもしれない。
「久し振りだね、小僧。アタシのことは覚えているかい?」
「……お、お前はまさか!」
「覚えていたかい? 覚えていたというのに、あんたはこんなことをしたんだね……」
お祖母様を見て、アズガルト様は目を丸めて驚いている。
それに対して、お祖母様は呆れたような顔をしていた。その表情からは、失望のような感情が読み取れる。
「な、何故お前が元聖女のクレメリアと一緒にいる……?」
「この子はアタシの孫なのさ」
「ま、孫だと? あり得ん……お前に孫なんているはずがないだろう!」
アズガルト様は、お祖母様に対して叫んだ。
しかし、私にはその言葉の意味がわからない。別にお祖母様に孫がいたって、ここまで動揺する必要はないだろう。
「やっぱりあんたはエルベルトから色々と聞いていた訳か……まあ、あんたが察している通り、この子とアタシに血の繋がりはない。色々とあってね、引き取ることになったのさ」
「なるほど、そういう訳か……」
お祖母様の返答も、私は少しだけ気になった。
私は、山で拾われたはずである。その単純明快なことを、どうしてわざわざ色々とあったと表現するのだろうか。
なんというか、二人は何か私に知らないことで会話をしているような気がする。
「おかしな話だ。お前は愛などを下らないものだと切り捨てるタイプだと思っていたが……」
「まあ、あんたと会う時のアタシは腐っていたからね。でも人間は変わるものさ。生きるということはそういうことなのさ」
「偉そうに……長く生きているだけの化け物が」
アズガルト様は、お祖母様を睨みつけていた。
彼は、お祖母様のことを少し恐れているような気がする。口では強がっているが、その態度には覇気がない。
「化け物か……それなら人間、あんたに問おうじゃないか。和平を結んだ国に侵攻して、戦争を引き起こし多くの犠牲を出そうとしたあんた達はなんなんだ? そういう欲深いあんた達が、アタシよりも立派とは思えないがね」
「ふん、知ったような口を……」
「知っているさ。あんた達のような奴らは何度も見ていたからね。あんた達のような者達ばかりだったら、アタシも人間なんて見限っていただろうね」
私の額からは、汗がゆっくりと流れてきた。
お祖母様は、一体何者なのだろうか。それが私は、だんだんとわからなくなっていた。
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