8 / 141
事実を知らされて(お母様視点)
しおりを挟む例のコンビニ強盗が捕まった。違う街で無銭飲食をしてパクられたらしい。
何捕まってんだよ!馬鹿か!若頭と山野楓との間に何かしら進展があるくらいの期間くらい逃げ切れや!どうせパクられるならもっとこう、デカいことしろよ!
……という文句は一旦置いておこう。
若頭が納得する腕かつ比較的ヤクザ感少ない見てくれ構成員ストックがなくなりかけていたところだったから。
彼女ときたら、全員に対し何らかの形で礼をしようとするのため、その度に若頭に睨まれ交代させる羽目になった。交代させたやつらの顔、腫れてたな。ついでに挙動不審になってた。可哀想に。
一部哀れなのは手作りの蒸しパンを貰ってしまっていた吉田だ。たぶん彼女は金銭の絡まなさそうなお礼をと思っているんだろうが、残念だが真逆だ。むしろ悪化している。若頭を宥める俺の身にもなってくれ。
というか、若頭は何で知ってるんだろうな、それらを。
とにかく、今回の件は一応、強盗が捕まるまでの間という話だったので、俺はそれに関して話をするために山野楓の住むアパートに来ていた。
しばらく待つと、駐車場を横切る山野楓の姿が見えたので、呼び止める。
「おはようございます。えっと、強盗のことですか?」
バイトに向かうつもりなのだろう。彼女はちらっと時計を確認していた。
「はい。既にご存知とは思いますが、例の強盗が逮捕されました。ですので楓様に付けさせていただいていたウチの者を下げますが、よろしいですか?」
「はい。もちろん。そうだ、このスマホお返ししますね」
そう言ってシルバーのスマホを取り出したところで、なぜか彼女は硬直した。
「……何か?」
なにかを思い出した様子だった。なにかあったのだろうか。心当たりはなくもないが。
「えっと、その……岩峰さんのことなんですが……」
ああ、やっぱりか。
「若頭が何かしましたか?」
白々しい気がしたが、聞いておこう。
「その、私がバイトしてるコンビニに岩峰さんがこの頃よくいらっしゃるんですが、なんでですかね……?」
「ああ、それはですね……」
そりゃ気になるわな。自分のバイト中にだけヤバそうなヤクザがやってくる。普通の感性をお持ちなら怖い。俺でも怖い。
あなたのことが好きみたいなんですよねー、なんて言えるわけもなく、俺は逃げに走った。
「どうも、コンビニの肉まんを気に入ってしまったみたいなんですよね」
これでもう完全に若頭はただの肉まん大好きな人になってしまった。肉まんのために彼女がバイトしている時に買いに行く。普通に聞いたらイカれてると思う。
「楓様のおっしゃりたいことはよーくわかります。ですが、私に若頭を止める力はないんですよねぇ」
しみじみと言ってしまった。そしたら彼女はちらっと俺の頭を見てなにかを考えている様子だった。
なに考えてるのか想像ついたが、違うからな。ハゲをハゲで隠してるわけじゃないからな?
何度か会っているためか、彼女に耐性ができつつあるのか?こんな普通の女子大生にヤクザ慣れさせてしまったのはなんか申し訳ない気もするな。
「でもその、コンビニに来られるとちょっと業務に支障が……」
「以前に下っ端に行かせればいいのでは、とやんわりお伝えしたんですが、結果この状況です」
当人は肉まんを買いに行くという名目の元で彼女に会いに行っているので、若いのに行かせたところで無意味だ。
「岩峰さんって、そんなに肉まんお好きなんですか?」
「……まあ、ウチの事務所の冷蔵庫に常備するくらいですかね」
前に部下に言われて覗いたウチの事務所の冷蔵庫の中、物理的に半分が肉まんで埋まっていた。もはや病気の域だ。まあ実際、恋の病という病気なんだが。
「若頭、一度ハマると執着しがちなので」
嘘はついていない、というか事実だ。めっちゃ執着してる。何にとは言わないが。
「というわけで、すみませんがご容赦を……そして楓様に販売していただけると我々としても助かります」
一回だけあった。ちょうど彼女が裏の作業に回っていたため、対応して貰えなかったという事が。
事務所に戻っていた若頭の意気消沈っぷりは、語りたくない。なぜか俺まで拳でとばっちりを受けた。
「岩峰さんの中のブームが過ぎ去るまでってことですね」
「はい、そうなりますね……」
若頭が飽きるか、実力行使に出るまで続くなこれ。
実力行使の内容は想像にお任せする。うん。
「ああ!そうでした。これ、お返ししますね」
頑張って出したであろう明るい声で、山野楓は手に持ったままだったスマホを差し出してきた。
「いいですよ。楓様がお持ちください。どうせウチじゃ使いませんから、楓様のサブのスマホにするなりしてください。若頭のことでしばらくはご迷惑をおかけしますから、そのお礼と言いますか、何かあった際の連絡用にもなりますし。ちなみにあと半年くらいでSIMカードの契約切れますので、新規の契約等はご自由にどうぞ」
まあ、受け取るわけがない。若頭と彼女を繋げる肉まんの次に大事なツールだ。持ち帰ったら若頭にどやされる。
「じゃあお言葉に甘えさせていただきます。今までありがとうございました。そろそろバイトに行くのでこれで失礼します」
「いえ、こちらこそ色々とご不便をおかけしすみませんでした……お気をつけて」
いかん。ついマジなトーンで気をつけてとか言ってしまった。
しかしバイトの時間を気にしていた彼女は特に気にした様子もない。まあいいか。
「はい。では私はこれで……」
正直なところヤクザとしての俺は、無理矢理でもなんでもいいからくっ付けと思っているんだが、そうなると残された俺の良心が痛む。山野楓と何度か会話をして思ったが、彼女は本当にただの一般人だ。よりにもよってウチの若頭に執着されるとか、ほんと不憫。
もう、なるようになれ。
何捕まってんだよ!馬鹿か!若頭と山野楓との間に何かしら進展があるくらいの期間くらい逃げ切れや!どうせパクられるならもっとこう、デカいことしろよ!
……という文句は一旦置いておこう。
若頭が納得する腕かつ比較的ヤクザ感少ない見てくれ構成員ストックがなくなりかけていたところだったから。
彼女ときたら、全員に対し何らかの形で礼をしようとするのため、その度に若頭に睨まれ交代させる羽目になった。交代させたやつらの顔、腫れてたな。ついでに挙動不審になってた。可哀想に。
一部哀れなのは手作りの蒸しパンを貰ってしまっていた吉田だ。たぶん彼女は金銭の絡まなさそうなお礼をと思っているんだろうが、残念だが真逆だ。むしろ悪化している。若頭を宥める俺の身にもなってくれ。
というか、若頭は何で知ってるんだろうな、それらを。
とにかく、今回の件は一応、強盗が捕まるまでの間という話だったので、俺はそれに関して話をするために山野楓の住むアパートに来ていた。
しばらく待つと、駐車場を横切る山野楓の姿が見えたので、呼び止める。
「おはようございます。えっと、強盗のことですか?」
バイトに向かうつもりなのだろう。彼女はちらっと時計を確認していた。
「はい。既にご存知とは思いますが、例の強盗が逮捕されました。ですので楓様に付けさせていただいていたウチの者を下げますが、よろしいですか?」
「はい。もちろん。そうだ、このスマホお返ししますね」
そう言ってシルバーのスマホを取り出したところで、なぜか彼女は硬直した。
「……何か?」
なにかを思い出した様子だった。なにかあったのだろうか。心当たりはなくもないが。
「えっと、その……岩峰さんのことなんですが……」
ああ、やっぱりか。
「若頭が何かしましたか?」
白々しい気がしたが、聞いておこう。
「その、私がバイトしてるコンビニに岩峰さんがこの頃よくいらっしゃるんですが、なんでですかね……?」
「ああ、それはですね……」
そりゃ気になるわな。自分のバイト中にだけヤバそうなヤクザがやってくる。普通の感性をお持ちなら怖い。俺でも怖い。
あなたのことが好きみたいなんですよねー、なんて言えるわけもなく、俺は逃げに走った。
「どうも、コンビニの肉まんを気に入ってしまったみたいなんですよね」
これでもう完全に若頭はただの肉まん大好きな人になってしまった。肉まんのために彼女がバイトしている時に買いに行く。普通に聞いたらイカれてると思う。
「楓様のおっしゃりたいことはよーくわかります。ですが、私に若頭を止める力はないんですよねぇ」
しみじみと言ってしまった。そしたら彼女はちらっと俺の頭を見てなにかを考えている様子だった。
なに考えてるのか想像ついたが、違うからな。ハゲをハゲで隠してるわけじゃないからな?
何度か会っているためか、彼女に耐性ができつつあるのか?こんな普通の女子大生にヤクザ慣れさせてしまったのはなんか申し訳ない気もするな。
「でもその、コンビニに来られるとちょっと業務に支障が……」
「以前に下っ端に行かせればいいのでは、とやんわりお伝えしたんですが、結果この状況です」
当人は肉まんを買いに行くという名目の元で彼女に会いに行っているので、若いのに行かせたところで無意味だ。
「岩峰さんって、そんなに肉まんお好きなんですか?」
「……まあ、ウチの事務所の冷蔵庫に常備するくらいですかね」
前に部下に言われて覗いたウチの事務所の冷蔵庫の中、物理的に半分が肉まんで埋まっていた。もはや病気の域だ。まあ実際、恋の病という病気なんだが。
「若頭、一度ハマると執着しがちなので」
嘘はついていない、というか事実だ。めっちゃ執着してる。何にとは言わないが。
「というわけで、すみませんがご容赦を……そして楓様に販売していただけると我々としても助かります」
一回だけあった。ちょうど彼女が裏の作業に回っていたため、対応して貰えなかったという事が。
事務所に戻っていた若頭の意気消沈っぷりは、語りたくない。なぜか俺まで拳でとばっちりを受けた。
「岩峰さんの中のブームが過ぎ去るまでってことですね」
「はい、そうなりますね……」
若頭が飽きるか、実力行使に出るまで続くなこれ。
実力行使の内容は想像にお任せする。うん。
「ああ!そうでした。これ、お返ししますね」
頑張って出したであろう明るい声で、山野楓は手に持ったままだったスマホを差し出してきた。
「いいですよ。楓様がお持ちください。どうせウチじゃ使いませんから、楓様のサブのスマホにするなりしてください。若頭のことでしばらくはご迷惑をおかけしますから、そのお礼と言いますか、何かあった際の連絡用にもなりますし。ちなみにあと半年くらいでSIMカードの契約切れますので、新規の契約等はご自由にどうぞ」
まあ、受け取るわけがない。若頭と彼女を繋げる肉まんの次に大事なツールだ。持ち帰ったら若頭にどやされる。
「じゃあお言葉に甘えさせていただきます。今までありがとうございました。そろそろバイトに行くのでこれで失礼します」
「いえ、こちらこそ色々とご不便をおかけしすみませんでした……お気をつけて」
いかん。ついマジなトーンで気をつけてとか言ってしまった。
しかしバイトの時間を気にしていた彼女は特に気にした様子もない。まあいいか。
「はい。では私はこれで……」
正直なところヤクザとしての俺は、無理矢理でもなんでもいいからくっ付けと思っているんだが、そうなると残された俺の良心が痛む。山野楓と何度か会話をして思ったが、彼女は本当にただの一般人だ。よりにもよってウチの若頭に執着されるとか、ほんと不憫。
もう、なるようになれ。
317
お気に入りに追加
3,344
あなたにおすすめの小説

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。

【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-
七瀬菜々
恋愛
ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。
両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。
もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。
ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。
---愛されていないわけじゃない。
アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。
しかし、その願いが届くことはなかった。
アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。
かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。
アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。
ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。
アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。
結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。
望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………?
※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。
※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

【完結】断罪後の悪役令嬢は、精霊たちと生きていきます!
らんか
恋愛
あれ?
何で私が悪役令嬢に転生してるの?
えっ!
しかも、断罪後に思い出したって、私の人生、すでに終わってるじゃん!
国外追放かぁ。
娼館送りや、公開処刑とかじゃなくて良かったけど、これからどうしよう……。
そう思ってた私の前に精霊達が現れて……。
愛し子って、私が!?
普通はヒロインの役目じゃないの!?

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。

突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。

侯爵家のお飾り妻をやめたら、王太子様からの溺愛が始まりました。
二位関りをん
恋愛
子爵令嬢メアリーが侯爵家当主ウィルソンに嫁いで、はや1年。その間挨拶くらいしか会話は無く、夜の営みも無かった。
そんな中ウィルソンから子供が出来たと語る男爵令嬢アンナを愛人として迎えたいと言われたメアリーはショックを受ける。しかもアンナはウィルソンにメアリーを陥れる嘘を付き、ウィルソンはそれを信じていたのだった。
ある日、色々あって職業案内所へ訪れたメアリーは秒速で王宮の女官に合格。結婚生活は1年を過ぎ、離婚成立の条件も整っていたため、メアリーは思い切ってウィルソンに離婚届をつきつけた。
そして王宮の女官になったメアリーは、王太子レアードからある提案を受けて……?
※世界観などゆるゆるです。温かい目で見てください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる