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48.彼の視線は
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私はエフェリアお姉様、オルディアお兄様、そしてロヴェリオ殿下とともにドルイトン侯爵家の屋敷の庭にいた。
辺りには、他の貴族達の令息令嬢達がいる。その人達も、ディトナス様に招かれた人ということなのだろう。
その件のディトナス様は、庭の中心で笑顔を浮かべている。主催ということもあって、色々な人と挨拶をしているようだ。
「さて、僕達も行こうか」
「あ、はい」
オルディアお兄様の言葉で、私達はディトナス様の方へと歩き始めた。
すると彼は、私達の方へと視線を向けた。その表情は、少し強張っているような気がする。それは私の気のせいだろうか。
「……ヴェルード公爵家の方々ですか?」
「ええ、そうですよ。私はエフェリアと申します」
「僕はオルディア」
「えっと、クラリアです」
「あ、こっちはロヴェリオ殿下です。私達とはいとこの関係で、今日はせっかくなので一緒に来てもらいました」
「歓迎しますよ。王家の方とお友達になれるなんて光栄ですからね」
ディトナス様は、エフェリアお姉様の言葉に笑顔を浮かべていた。
ただ、彼は私の自己紹介の時には、また少し表情を強張らせていたような気がする。多分これは、気のせいではない。彼は私に、思う所があるようだ。
となると、少し心配になってくる。本当に今回の訪問は大丈夫なのだろうか。
「……さてと、まあ既にお聞きかとは思いますが、当家はヴェルード公爵家との婚約を望んでいます」
そこでディトナス様は、小声でそのようなことを呟いた。
婚約の件については、当然のことながら把握しているらしい。それなのに、その婚約の対象である私に対して渋い顔を見せているということは、彼自身は乗り気ではないということだろうか。
「僕としても、その婚約については是非とも叶えたいものだと思っています。当たり前のことではありますが、公爵家との繋がりは欲しいですからね」
「え? あ、はい。そうですか」
ディトナス様は、エフェリアお姉様に対して話しかけていた。
彼は私の方を見向きもしない。それでわかった。彼は私との婚約について、乗り気ではないということなのだ。
そういえば、ドルイトン侯爵が私を挙げていたというだけで、彼がそうだとは聞いていない。つまり親子の間で、認識の違いのようなものがあるということだろう。
「まあ、とりあえずお茶会を楽しんでください。せっかくの場ですからね」
ディトナス様は、私に視線を一瞬だけ向けてきた。
その視線というものはとても鋭くて、少し怖い。その目を見て思い出すのは、二人の令嬢のことだった。彼はあの二人と、同じような目をしているのだ。
辺りには、他の貴族達の令息令嬢達がいる。その人達も、ディトナス様に招かれた人ということなのだろう。
その件のディトナス様は、庭の中心で笑顔を浮かべている。主催ということもあって、色々な人と挨拶をしているようだ。
「さて、僕達も行こうか」
「あ、はい」
オルディアお兄様の言葉で、私達はディトナス様の方へと歩き始めた。
すると彼は、私達の方へと視線を向けた。その表情は、少し強張っているような気がする。それは私の気のせいだろうか。
「……ヴェルード公爵家の方々ですか?」
「ええ、そうですよ。私はエフェリアと申します」
「僕はオルディア」
「えっと、クラリアです」
「あ、こっちはロヴェリオ殿下です。私達とはいとこの関係で、今日はせっかくなので一緒に来てもらいました」
「歓迎しますよ。王家の方とお友達になれるなんて光栄ですからね」
ディトナス様は、エフェリアお姉様の言葉に笑顔を浮かべていた。
ただ、彼は私の自己紹介の時には、また少し表情を強張らせていたような気がする。多分これは、気のせいではない。彼は私に、思う所があるようだ。
となると、少し心配になってくる。本当に今回の訪問は大丈夫なのだろうか。
「……さてと、まあ既にお聞きかとは思いますが、当家はヴェルード公爵家との婚約を望んでいます」
そこでディトナス様は、小声でそのようなことを呟いた。
婚約の件については、当然のことながら把握しているらしい。それなのに、その婚約の対象である私に対して渋い顔を見せているということは、彼自身は乗り気ではないということだろうか。
「僕としても、その婚約については是非とも叶えたいものだと思っています。当たり前のことではありますが、公爵家との繋がりは欲しいですからね」
「え? あ、はい。そうですか」
ディトナス様は、エフェリアお姉様に対して話しかけていた。
彼は私の方を見向きもしない。それでわかった。彼は私との婚約について、乗り気ではないということなのだ。
そういえば、ドルイトン侯爵が私を挙げていたというだけで、彼がそうだとは聞いていない。つまり親子の間で、認識の違いのようなものがあるということだろう。
「まあ、とりあえずお茶会を楽しんでください。せっかくの場ですからね」
ディトナス様は、私に視線を一瞬だけ向けてきた。
その視線というものはとても鋭くて、少し怖い。その目を見て思い出すのは、二人の令嬢のことだった。彼はあの二人と、同じような目をしているのだ。
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